冠婚葬祭ビジネスへの視線/第36回 潜入! ペット火葬場
「火葬場なんて、どこに頼んでもサービスは同じ」と思うだろうか?
確かに、人間の火葬場であればある一定のサービスは受けられるかもしれない。
しかし、発展途上のペット火葬場に限って言えば、そうとは言い切れない。
最近、同じ区にあるペット火葬場三件を取材したり調査したが、人間の火葬場に感じる「金太郎飴」性は感じない。それぞれ個性が出ていた。
まずA社。
人間の火葬場の一角にあるペット火葬場。真新しく小ぎれいな印象で、職員さん方の応対も爽やかであった。「うごく火葬炉」の仕掛け(感動的に演出される)や、複雑になりがちな料金体系などをわかりやすく案内していただき、これならばお客さんの不安も取り除かれるだろうと納得した。さらに遺骨の扱いについて、ペット専用霊園や粉骨して作られるメモリアルグッズの紹介はあったが、あくまで紹介であってセールスはしない、提携しているところはないというのも好印象。送迎車の用意などがないのは残念だが、トータルサポートではなくあくまでペットの火葬のみを頼みたい、という飼い主さんには嬉しい火葬場であろう。
次にB社。
A社とは300メートル程度しか離れていない。こちらは炉ばかりではなく、霊園やお骨を収めるロッカーもある。霊園には塔婆がズラッと並び、回忌のたびにマメに供養がなされていることが垣間見られた。しかし、それは外側から見たときの話。見学させてくださいとお願いし、中に入ってみるとわかる乱雑さ。草ボーボーの墓があったり、苔で何も見えなくなっているものがあったり、塔婆がドミノ倒しになっていたり……。管理者にも責があるとはいえ、各墓所を掃除するのは遺族の仕事。ペットのお墓参りって、来なくなってしまうものなんだろうか。軒並み無縁仏のようで、ちょっと可哀相だった。奥にある巨大な合同墓地の香炉だけがもくもくとお線香の煙をあげていて、個別にお墓をもらった魂よりもよほど供養が行き届いているようで、矛盾を感じた。
こちらはお骨を墓におさめるまでのロッカーが完備されているとのことで見学させていただいたが、う~ん微妙! 人間用のお骨ロッカーというと木目調の厳かなものが思い浮かぶが、ペットはみんな違うんだろうか……ズラッとならんだコインロッカーに、プールの更衣室か銭湯にいるような錯覚を覚えた。そして料金表がパンフレットに載っていない。ホームページにもない。説明を求めると案内してくれた。しかし値段表を配ることはしていない。変動する可能性があるから、というのが理由だが、世の中の商品はほとんどその可能性を孕んでいる。公開してほしいと心から思った。
次にC社。
街中にあるペット火葬場&霊園である。ありがちな話だが、向かう途中には「ペット火葬場反対」の張り紙や垂れ幕が色んなところに貼ってあり物騒だ。取材を申し入れたが「間に合ってます」といわれる(広告を取りに来ているわけではないんだが)。住民と係争中では落ち着いて操業が出来ないだろう、と遠巻きに見ていたある日、ニュースを見て驚いた。なんと地裁から火葬炉の操業停止命令が出たという。匂いに対する住民のクレームがいざこざの発端だったというが、たとえ自治体から許可を得て建設したとしても、このような結果になるということ、思い知らされた。
同じ区内でこのような結果である。膨大なペット火葬場の中から、自分の要望にあったところを見つけるには、とにかく足を運んでみるのがよい。ネットでの情報は参考程度に、実際に見ることが肝心である。(小松)
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