画廊誕生100周年記念大賞展開催
今年、日本に画廊が誕生して100年目に当たる。それも弊社のご近所、高村光太郎が神田淡路町につくってからというからなのだ。そもそも『智恵子抄』で有名な高村光太郎が、現在の東京藝大を出た彫刻家だったことには、もっと驚くのだが……。
さて、そんな歴史を記念して神田の5つの画廊が手を組んで、「画廊生誕100周年記念大賞展」が開かれる。審査委員長には美術評論家としても有名な瀬木慎一氏が、映像作家やエッセイストとしても有名な萩原朔美氏、絵本作家の葉祥明氏などのビックネームも審査員に名を連ねる。また来場者のスタンプラリー形式による審査も開催されるという。
そもそも地域のギャラリーが手を組んで、美術の賞を企画すること自体が珍しい。この賞を企画した北の丸tinyギャラリーの中澤ゆうこさんは、「出品する方が集まっていただけたので、なんとかです」と謙遜して笑うが、実現はかなりの苦労があったと思われる。ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のように、街が芸術祭とともに盛り上がるようになれば、かなり面白いことになるだろう。
神田の歴史はけっこう古い。江戸期には、商人や職人の街として栄え、日清戦争後には中国からの留学生が住む中華街となり周恩来も学んだという。その後、古本屋街となり、70年安保ではパリのカルチェ・ラタンにならい、学生が「神田解放区」をつくったことでも知られる。
懐が深くて、自由な街としての伝統は、今もどこかで息づいている。5つの画廊をめぐりながら、そんな歴史を感じてみるのもおすすめだ。8月16日(月)~20日(金)まで開催されているので、お時間のある方はぜひギャラリーを訪ねてみてほしい。(大畑)
◆第1会場 北の丸tinyギャラリー
住所 神田神保町3-11-1 安田神保町マンション1F
OPEN 11:00~18:00(最終日 16:00迄)
◆第2会場 一ツ橋画廊
住所 一ツ橋2-6-2 日本教育会館1F
OPEN 10:00~18:00(最終日 17:00迄)
◆第3会場 文房堂ギャラリー
住所 神田神保町1-21-1 文房堂ビル4F
OPEN 10:00~18:30(最終日 17:00迄)
◆第4会場 ギャラリー江府お茶の水
住所 神田小川町2-8
OPEN 11:00~18:00(最終日 16:00迄)
◆第5会場 ギャラリーf分の1
住所 神田駿河台1-5-6
OPEN 11:00~18:30(最終日 17:00迄)
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