携帯・デジカメ

2006年10月 9日 (月)

携帯電話ファシズム

喫煙者である私が近年「禁煙ファシズム」に悩まされているのは何度も書いた。だが喫煙による副流煙が疫学上害を与える危険が高いので我慢はすべきとわきまえている。だが携帯ファシズムは誰にも迷惑をかけていない分だけ納得がいかない。
私は原則として携帯を使わない。「原則として」とはかけるためだけに持ってはいるから。今や新規加入できないNTTドコモのPHSである。本当は持ちたくないが公衆電話が激減していて仕事上かけるしかない場合が多々生じるので止むなしなのだ。かけ終わったら即刻電源を切るのでかかってくることはない。

なぜ持たないかというと必要ないからだ。私は友人が1人もいないし家族も構えていないから私用という概念がまずない。仕事にしても自宅にも会社にも旧来型の電話はあり会社には社員もいるし留守電機能もある。メールは旧ニフティサーブ時代から10年以上使っているアドレスがあって頻繁にチェックしている。

そもそも電話に否定的であれと教えたは新聞社時代の先輩だ。電話に頼るな。足を使えと。だから事件があれば警察署に駆けつけて広報担当の副署長に会う。概要を取材しているところで副署長の電話が鳴る。朝日かららしい。副署長は目の前にいる同じ用件の私との会話を中断して朝日と話す。その内容を私はメモしていた。そのうちに腹が立ってきた。何で出向いてきた私を差し置いて電話を優先するのだと。これは究極の失礼だ。
携帯にも似たような経験がある。あるメーカーの会議に重要だからどうしても参加してくれというので外部スタッフとして説明に参上した。会議室ではひっきりなしに携帯が鳴り、そのたびごとに社員が会議室を離れていく。中断するか再度説明するかで異様に時間がかかる。「重要な会議以上に重要な電話がひっきりなしにかかってくる」という日本語はありえない。

というわけでされて失礼を自分でするのは以ての外と使わなかったのであるが最近とみに携帯電話の番号を教えて下さいと当然のように聞いてくる仕事のお相手が増えてきた。「ないんです」と返答すると不思議な顔をされる。直近では嫌な顔をされ出した。これが携帯ファシズムと呼ぶ理由である。

直面談より優先される仕事などありえない。自分がされて嫌なことは人にはしない。この2点が間違っているとはどうしても思えない。「ではメールで」「では会社に電話を」とたいていは収まるが、それで不自由したことは一度もない。要するに携帯でないと困る用件など本当はほとんどないのだ。
この点は重要である。携帯でないと連絡が取りづらい職種とか常に緊急性を帯びている職業に従事しているとか携帯以外の電話連絡手段がない人などは当然持ってしかるべしだが私に限ってはいらない。同タイプもいるだろう。そこまで「使って当然」とする気風を問題にしていると留保をつけておく

「ビジネスでは必須」も疑わしい。急ぎの一報を素早く処理できるメリットは直截にわかるが代わりに会議を長引かせたり弛緩させているデメリットを感じないだけではないか。煮詰めてやれば20分で素晴らしいアイデアが出たかもしれない会議を携帯の中断で凡庸にした例は「素晴らしい」が生じなかったから、つまりなかったから不利益と勘定していないだけなのだ。
とはいえ小誌編集部でさえ私以外は皆携帯電話を持っている。きっと私と違って私用があるのだろう。それに私は他人が携帯を持つこと自体には反対していない。オレにも使えと暗に圧力をかける風潮が忌々しいだけだ。

もっとも持っているNTTドコモのPHSのサービスはもうすぐ終わる。するとかけるための携帯は新たに選んで買わなければならない。家電量販店でながめると不要な機能満載ばかりである。
当たり前のように携帯メールがついているが愚の骨頂だとなぜ誰も叫ばないのか。携帯にもしメリットがあるとすれば本人にすぐつながる点だろうが携帯メールは「すぐでなくていいから」の意味合いが濃い。でなければ通話すればいいのだから。
すぐつながる能力のある機器に「すぐでなくていい」機能が標準装備。これが変どころか重宝している人が少なからず、否、非常に多くいるのが不思議でならない。ズバッと話せ。会いに行け。間違っているか?(編集長)

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2006年3月 2日 (木)

NTTドコモのPHS撤退を批判する

私はNTTドコモのPHSを使用している。といっても元来が携帯電話反対派に属するのでヘビーには使っていない。ではなぜ持っているかというと代替の存在である公衆電話が年々激しく減り続けて、こちらから電話したい時に見つからないのからだ。したがってかける時だけ専らPHSの電源を入れる。
とはいえ長いユーザーではある。私の知人には1995年にPHS専業として設立されたNTTパーソナル以来の愛用者もいる。NTTドコモはそれらを切り捨てると宣言してきた。

私に送られてきた「お知らせ」によると「PHSサービス」を「平成19年度第3四半期を目途に」「終了」するという。「具体的なサービス終了時は、お客さまのご利用状況を見つつ別途検討」ともある。
「別途検討」といっても「平成19年度第3四半期」を大きく延長することはあるまいから来年度にも打ち切ると宣言したに等しい。

私が頭に来るのはまず「お知らせ」になぜ「サービスを終了」するかがまったく書かれていない点に発する。「お知らせ」には「平成17年5月より新規申込受付を停止」ともある。つまり昨年5月からやる気のなくなった事業の残余を来年までに清算しようとの魂胆であるのは見え透いている。だがなぜ「新規申込受付」も既存サービスもやめるのかがわからない。
NTTドコモが倒産するというならば仕方あるまい。ふと思い出して久々に訪れた料理店のシャッターが閉まっていて貼り紙一枚で閉店を知らせられるならばわかる。でもNTTドコモ自体はビックリするような大企業である。
ではあるが「PHSサービス」は振るわないので退散するというならば何故振るわなくなったのか、どれぐらいの損が出ているのか、責任者は誰でどんな責任を取るのか・・・・といった情報の公開と詫びの一言もあってしかるべきである。
ポケットベルが携帯やPHSに駆逐されたのは理解できる。白黒テレビがカラーになったのと同じでサービスの質が段違いになったからだ。だが現時点のNTTのPHSユーザーは携帯に換える必然性がほとんどない。
企業は、特に家電や情報通信産業は事業を始めた時点で継続ユーザーをフォローする義務が事実上生じる。95年にNTTパーソナルが事業を始めた時にテレビCMで何といったか。「みんなを電話にする会社」といった。この「電話」は明らかにNTTのPHSを指す。要するに日本国民全員にNTTのPHSを持たせるという気概であったろう。
惹句ゆえに文字通りそうならなかったからと非難するほど野暮ではないが、大見得を切ってわずか10年ちょっとで事業継続が困難になった具体的事由を知らせることなく「みんなを電話にしない」決定をしたと通知するのは失礼である。

もっと腹が立つのはサービス打ち切りという自社の都合を逆手に取って「FOMAを中心とした携帯電話」への乗り換えを勧めている点だ。
だいたい「PHSサービス」ができなくなったならば、できる会社に委譲すべきだ。日本にはウィルコムというPHSを扱う企業がある。番号ポータビリティーはPHSには適用されないので長年使っていた番号を維持したいユーザーのニーズをまず集めてウィルコムへの転出を勧めるが先だ。ライバル企業にそれはできないとはいわせない。「PHSサービス」を止めると言い出したは手前であって我々ユーザーではない。
それをせずに何をしてくれるかというと「特典」と偉そうに案内した内容は「電話番号の末尾4桁」が「えらべる」サービスだとさ。何で他社の携帯同士はポータビリティーが可能でアンタのサービスを使っていたPHSユーザーが「末尾4桁」だけなのさ。

その他噴飯ものの「特典」を皆様に紹介しよう。笑えるよ。

特典1 PHSご利用時の継続利用期限をそもまま継続
・・・・当たり前である。

特典2 契約事務手数料が無料
・・・・そんなものを取ろうという方がどうかしている

特典3 FOMA(電話型)最大2万円割引
・・・・何を割り引くかというと電話機購入代金だ。あのなあ。アンタの会社の電話機(PHS)を既にユーザーは購入しているのだよ。それを使えなくするのはアンタだよ。だったら最低限「割引」ではなく無料配付が筋であろうよ。これでは「特典」ではなくて「負担」だ

しかもダメ押しに、こうした特典でさえ「特典」も「PHSサービス終了まで」しか適用されないオマケ付きである。NTTのPHSが気に入っている人は「サービス終了まで」使いたい。その後に携帯かウィルコムへの取り換えを余儀なくされたらNTTドコモの企業姿勢を含めて任意に選ぶ権利がある。
そうした切り捨てられる側の痛みに配慮せず、むしろ付け込んで「特典」は「PHSサービス終了まで」ですよとするは弱者への心理的追い込みである。

結局NTTのPHSサービス終了は以下のような企業エゴで成立している
1)不採算部門を切り捨てたいが情報公開はみっともないから口をつぐむ
2)少ないとはいえPHSユーザーはいるからウィルコムに譲らず手前の顧客につなげたい
3)しかしできるだけ金額がかさまないように乗り換えてもらいたい
4)そこで特典でも何でもないサービスまがいを「特典」として勧める
5)しかも「PHSサービス終了まで」と期限をつけて追い込む

汚いやり方といっておかしいか。

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2005年8月 2日 (火)

「電車で携帯」がなくならない訳

午後11時頃に都営新宿線に乗って新宿方面に向かった。そこで改めてビックリしたが皆が皆といっていいほどパカパカの携帯電話(携帯)を広げて画面を見入ったりいじったりしている。私の隣人もつり革につかまって立っている前方の人も乗降客もほとんどがそうだ。
もしタイムスリップができて10年前の日本人にこの光景を見せたら驚くだろうな。普及してしまったので何とも感じないが現代が作り上げた一大奇観であろう。
携帯を持っていなかった時代、彼らは何を持っていたのだろうか。マンガか本か新聞か。だとしたら携帯は車中で何かを読むという習慣を抹殺した我々出版界の恐るべき敵ということになる。

私が高校生の頃に授業で寝ていてふと目覚め、周りを見回したら全員寝ていて驚いたことがあった。起きているのは私だけだが私とて最前まで寝ていたから教室で生徒が全員寝ていた瞬間があったということだ。先生は何をしていたのか分かる術もない。寝ていたりして・・・・携帯の奇観から過去のそんな図を思い出した。

さてかねてから携帯がつながりにくいとされていた東京都内の地下鉄全駅が通話可能となったのは03年末頃から。東京メトロ、都営ともにである。
このニュースを聞いた時にもかねがね不思議としていた事実がさらにわからなくなった。地下鉄に限らず、鉄道という鉄道は最近構内や車内放送で「携帯をお切り下さい」とか「マナーモードにして下さい」と叫ぶように繰り返しているのに一方で携帯が使えるサービスを推し進めているのはなぜ?

不思議なことは他にもある。構内や車内広告に携帯電話会社の広告がこれでもかとばかりに大きく出ていることだ。
例えば学校で考えてみる。もちろん高校生も校内も喫煙は厳禁だが、ダメだダメだと放送では叫びながら、廊下に灰皿が置いてあったり、たばこ会社のポスターが貼ってあったら説得力がゼロなはずである。

携帯のくわしいメカニズムは私も知らないが少なくとも鉄道会社の協力がなければ、これまで通じなかったところで通話可能になることはないはず。むしろやめさせたいならば携帯電話サービスを行っている各社に交渉して沿線を「電波の届かない地域」にする技術を開発してもらうというのが正しいあり方というものだ。どうしてこうした議論が出てこないのか、なぜ矛盾を感じる人が少ないのかが不思議でならない。

携帯を切らせる理由もわからない。うるさいという声があるが車内の会話がよくて電話はダメというのは不可解。私の知る限り、携帯で話している人の音量が会話よりも大きいという事実はほとんどない。私も時にはうるさいとも思うが、会話よりもうるさいわけではなく、会話が認められる以上は携帯だけをのけ者にするのは差別だと我慢する。
「耳に入らない騒音」というのはあるらしい。日本人は虫の音を楽しむが西洋の多くの民族は「耳に入らない騒音」だと聞いた。その日本でも都心のマクドナルドなどくっつくように2人席が詰め込まれ、同時に客も詰め込まれている。客は互いに大笑いしたり泣き崩れたり深刻に顔を付け合わせたりとさまざまだ。音量としては間違いなく隣席にも届いている。
エンタツ・アチャコやユーミンならば聞き耳も立てよう。だが大半の隣人はまったく気にすることなく自らの会話を楽しんでいる。明らかに「耳に入らない騒音」なのだ。すると携帯の会話は「耳に入る騒音」なのか。ただ冒頭に記したような普及率を考えると携帯だけ気に障る理由がわからない。

確かな理由があるとすれば心臓のペースメーカーに影響がある、つまり命に関わるという問題だ。でも命を守るためだとしたら「マナーモードにして下さい」はおかしい。

と、ここまで考えて思い至った。先に「なぜ矛盾を感じる人が少ないのか」と書いたのは間違い。みな矛盾に気づいている。だからいくら放送されても平気でかけているのさ。

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