パソコン・インターネット

2009年10月20日 (火)

不景気でスパムメールが……

 のっけから滅入る話で申し訳ないが不景気である。
 出版界など昔から景気が悪すぎて、多少の不景気なら驚かないが、さすがに今回の不景気は深刻度が違う。
 これだけ景気がヒドイと、意外なところにも不況の波が押し寄せる。

 先日、編集部で話題になったのは『カイジ』の映画化だった。累計で1100万部を超えるヒット漫画だから映画化されても不思議はないが、雑誌連載から13年をへて到来した不景気が、読み手側のリアリティーが倍増させたことも映画化の要因に思える。
 漫画の内容は、保証人となって多額の借金を抱え込んだ無職の青年カイジが、一発逆転を賭けて闇の帝王が支配するギャンブルに挑戦する物語である。ギャンブルの内容はさまざまだが、負ければ残虐な仕打ちが待つ。それでも勝負に身を投じる姿は、大ヒットを求めて本を出版する我が姿にも似る。うーん、怖い……。

 もっと意外なことに、不況はスパムメールに影響をおよぼしている。
 じつは私のメルアドは、異常な数のスパムメールがくる。以前、既婚女性の恋愛を取材した際に、出会い系に登録しまくった影響だ。それから10年近くたつが、スパムは衰えを知らない。たまに少なくなる時期もあるが、どこに名簿が売られるのか、ある日いきなり復活する。
 それでも、いつもは賢いブラウザが迷惑メールとして仕分けてくれるので、まったく目に触れる機会がない。ところが先日、その設定を知らぬ間に自分でいじってしまった。おかげでスパムか必要なメールかを、チェックせざるを得なくなったのだ。
 そのとき気が付いたのが、報奨金付きの「出会い」勧誘の多さである。
 いきなり旦那が死んで遺産を相続したので、お金をあげるから付き合ってほしい。風俗で稼いだお金を貢ぐので抱いてほしい。バリエーションはさまざま。しかし軒並み数百万円から1千万円単位の「援助」が並ぶ。
 サイトに登録した当初、金銭で釣るスパムはほとんどなかったように思う。ちょっと可愛い女性の写真が付き、「必ず連絡してくださいね!」などと書かれたメールが届くだけだった。それがいつの間にか、付き合うだけではなく、報酬まで約束されるようになっていたわけだ。
 会ったこともない人に数百万円の資金提供を申し込んでいるのだから、リアリティーなど出しようもないが、業者も工夫はしている。お金を渡す理由を縷々書き連ね、ちょっと陰のある美人女性の写真が貼付されている。さすがに信じる人はほとんどいないだろうが、これだけ同じようなスパムが届くということは引っかかる人もいるのだろう。

 金と色欲で引っかける商法は昔からあった。出張ホストの募集に応じてみると、大事な顧客を怒らせたからという理由でカネをふんだくられるなどは、かなり古典的なサギといえる。ただ、こうした“商売”と比べても、スパムのリアリティーのなさは際立っている。

 業者が要求しているのは、事務費としての5000円程度。支払えば、すぐに数百万を入金するという。遊び心で支払う人もいるかもしれないが、多くの人は信じてというより望みを託して振り込んだような気がしてならない。
 こんな「商売」さえ信じたくなる世相に、なんだか悲しくなってしまった。(大畑)

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2008年6月18日 (水)

黒船スパムがやってきた

当ブログは他へおじゃまして熱心にコメントを付けることもなければ、積極的にトラックバックをかけるでもない。あまりにもやる気がないので最近は書いた内容と関連の深い記事のあるブログには時折トラバぐらいはしようよと編集部でいい合わせている程度である。
また当ブログへ来るトラバは原則として受け入れる。ただし公序良俗に反する案内や著作権・肖像権を侵害していたり誰(何)かの名誉をけがすと判断したトラバ先は削除している。コメントも同様で例え批判的な書き込みでも著しい侮辱や名誉棄損を除けばOK。記事内容とどう関係するの?と疑問なコメントでも、連続投稿でも、意味不明でもまあいいかとのスタンス。その代わり返事もしたい時だけさせてもらう。

表現の自由とは大切な、というよりすべての上位に置いてもいいくらい人間の尊厳を守り育てる権利であると考えている。それはネット上でも同じでドカスカ踏み込んで訳のわからないコメントを仮に連ねられたとしても前記のような問題にかからなければあっていいと思う。少なくともうちのブログはね。

ところが最近、どうにも困ったコメントがドカスカやってくるようになった。まず英語の名前とコメント自体は罪のない短いものがある。ここまではいいのだがURL先としてやはり英文のページが載せられているのだ。そこをクリックしても記事との関連性はまったくない。なかには物販らしきもある。その先に進んでいけば何かわかるかもしれないけれど不気味だから躊躇している。
過去、ちょうどアクセス数が1日平均1000件を常時超えるようになったころからチラホラ現れるようになったこの手のスパムが、このところ急上昇している。当ブログは日によって何の脈絡もないテーマを掲載しているのにスパム君はこれまた脈絡なくやってくる。メールアドレスは全部違うのにURL先は同じ。しかも見慣れないドメインだから海外からやってきているのは確実だ。
日本人の多くは英語を苦手としていると聞く。と書く私自身も仕事柄必要に迫られて使う場合と洋楽の歌詞を聞き取ったり読む場合にやむなく触れるインチキ英語使いに過ぎない。だから英文のURL先ならば害はないかと放っておこうと一度は決めた。でもそれがすごい量なのである。このままにしておくとコメント先はブログに掲載されるために何やら推奨しているような雰囲気になってしまった。
相手が記事を見ずにコメント欄へ書き込んでいるのは明らかである。なぜならば脈絡がないから。でもそれ自体はいい。別に好き放題やってくれて構わない。ただしURL先で何が起きるかわからないのが不気味だ。英語に堪能でなければそれゆえに閲覧しないとは限らず逆もありうる。また短く罪のないコメントをつけた本人がURLと関係あるとも言い切れない。

結果としてそんなものを当ブログへズラリと並べて何らかの被害に遭われる人がいたら大変と削除することにした。それも最初は1つだけは残しておいたのだがイナゴのごとく訪れるので皆に消えてもらった。プロバイダのニフティにも通知した。
それでもイナゴはやってくる。となると今度は消す作業自体が大変になってくる。大変な経営状態が続く中で大変な量のスパムを消し続けるのは大変である。したがって的になっているコメントの受付を当面拒否する次第となった。まことに当方の勝手な都合で恐縮するのみである。

不思議なのはおそらく英語圏とみられる地域から日本語のブログへ英文のURLに導くためのコメントをスパム状に付ける効果だ。何か私では計り知れない深謀があるのだろうか。だいたい当ブログをどう見つけ出してきたのだろうか。相手が日本語ならば延々とご訪問いただいても結構もてなすつもりである。しかし黒船となるとなあ。誰か事情をご存じでしょうか(編集長)

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2007年11月21日 (水)

泰山鳴動しない読売・朝日・日経の提携

9月末をもってMSNと毎日新聞の提携が終わって産経新聞が取って代わった。翌10月1日には読売・朝日・日経が提携を発表し翌日の紙面を飾った。全国紙5紙がネットにかかわる「大きな」変化を遂げたかと思いきや、実状はどうやらそうでもないらしい。

まずMSN毎日インタラクティブの終了について。悲観論もあったようだけど私は毎日にとって良かったと思う。MSNは皆が忘れている通り?元々はパソコン通信分野でもゲイツ王国を築こうとして失敗し、そのうちパソ通自体が時代遅れになって何となくポータル然として居座っている存在だ。ウィンドウズのホームページとして初期設定してあるから、これまた何となく立ち上げたら眺めるMSN。圧倒的シェアを利用したマイクロソフト社のお仕着せに毎日が合わせることもないじゃないか、らしくないぞと常々感じていたから。
というのもMSN毎日インタラクティブ以前の毎日のサイトは多分他紙と比較して一番充実していたので、それをむざむざ捨ててゲイツの軍門に下るのはどうかと疑問をもったまま釈然としていなかったので。別れて正解だ。代わる産経というのも良縁である。気の毒なほど評価されていないが産経のネット展開は涙ぐましいものがある。MSと組むのも一興であろう。ぜひ「本紙より速く特ダネを報じる」実例が見たい。特ダネを求める他社もそれがあればちょっとだけ、きっとちょっとだけだけど、助かる……かもしれない。

さて本題の3紙提携。全国紙は読売・朝日・毎日(発行部数順)を合わせて「朝毎読」と昔から言い表す。読売・朝日・日経(同)はいつの間にかANYなどとまとめている。朝毎読をAMYとはいわないよね。なお各社「Aは……」「Yが……」と符丁としては使っている。
そのANY提携。うわさは前々からあって当初はとんでもない大連携かと一部で騒がれていた。でも10月2日付朝刊各紙の記事を読む限り「泰山鳴動してネズミ一匹」どころか鳴動すらしていないようだ。一番率直に紹介しているとおぼしき読売新聞紙面(同日)から分析してみる。
うわさレベルで一番気になったのはAとYの握手ではなくNが加わるという点だった。今や広告代理店が興味を示す唯一の全国紙といわれる日経。専売網が弱い日経。そこに激烈な拡販競争をしていた読売と朝日が加われば全国レベルでの宅配網再編かとかたずを飲む向きもあったのにアッサリ否定された。
読売によると「共同で配達や集金の実施が検討されているのは販売部数が少ない地域や、読者の交代が激しい地域に限られる。朝日の秋山社長は『(人口の多い地域での)販売はこれまで通り激しく競争する』」。これは販売店向けへのメッセージだろう。共同宅配の名で販売店の再編を全国的に行えば専売店の大反乱が起きる。何となく当初はそこまで行けるかも、いや無理に決まっているけど行けたらどうか、でも、でも無理でしたという結果を見せられているようだ。この時点で日経の参加は単なるお飾りになったと断言していい。

実は3紙ともこの宅配網に関する扱いは二番手以下でトップに3紙共同のサイト作りを掲げている。しかし新聞業界を少しだけ知る者も、ネットをちょっとわかっている人も、この「ニュース」が羊頭であるとわかるはずだ。読売によると「共同ニュースサイトを開設し、3社の紙面のトップ記事や社説などの主要記事の『読み比べ』ができるサービス」が提供されるらしい。
意味ないでしょう。だって同じ紙面に「ネット上のニュースは例えばヤフーやグーグルなどのポータルサイトで流れているものが多いが、取材発信しているのは新聞社であるケースが圧倒的」という秋山社長のコメントが載っているから。このコメント自体は正しい。10代から20代くらいの人にニュースソースを聞くと「ネットから」と多くが答える。それは正しく情報源をとらえていない。情報の最初や最後にあるクレジットを確認しなければならない。そのうち信頼に足るものの多くが「新聞社であるケース」である。
要するにすでにネットユーザーは「ヤフーやグーグル」を使ってそれを「読み比べ」ているのだから「共同ニュースサイト」などいらないはずだ。オレが書いたとわからせてやるみたいな気持ちはわかる。わかるけれども実効性はない。
だから「今回の合意は、こうした厳しい環境下にある新聞社が単に身を寄せ合い、激しい嵐をやり過ごすための方便では決してない」(読売同日解説)というのはにわかに信じがたい。むしろ激しい嵐をやり過ごすための方便としか思えない。あるいは意味がないとわかっていながら羊頭として掲げる無理を承知の発言なのか。
同解説は「3社は『協調』に安住するのではな」いとも書く。安住できそうとの前提があってこそ「安住するのではなく」との決意表明も意味があるのに「共同ニュースサイト」構想からその前提の香りがまったく漂ってこない。ありえない前提に基づく論理は空論である。

「ネットメディアにおける新聞社の影響力を高めていきたい」(杉田日経社長)
「ライバルとして競い合っていくための土台作り」(秋山朝日社長)
「インターネットを活用し、ペーパーの新聞を断固維持していく」(内山読売社長)
「(3社のトップが)強調したのは、インターネット時代の中で、真のニュース発信者としての役割を果たすとともに、新聞の宅配網を堅持することだった」

日経社長のコメントを除くとインターネットを懐柔しながら従来の路線を断固守り抜くという決意表明に読める。ネットは新聞の味方か敵かというのは結論が出ていない難問である。取りあえず何となく何かをやってみるらしい。

最後に素朴な疑問。3紙の社説を読み比べたい人っているのかしら。抜かれが心配で他紙を血眼になって読んでいる現場の記者ですら社説を読み比べているとは思えないのだが。喜ぶのは『週刊文春』の「新聞不信」と『文藝春秋』の「新聞エンマ帖」の筆者だけだったりして。(編集長)

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2007年10月26日 (金)

初音ミクが増幅させたグーグルへの不審

 先週、初音ミクがグーグルとヤフーから消えた。
 亀田大毅の試合や謝罪について世論が沸騰していたころ、ネット上ではバーチャルアイドルが画像検索しても引っかからないと物議を醸し出していたのだ。

 初音ミクとはクリプトン・フューチャー・メディアが発売したソフトで、音階と歌詞を入力すると人間の声そっくりに歌ってくれる代物だ。このソフトで作った「歌声」はネットでいくらでも聞くことができるが、なかなか見事な歌いっぷりである。体験版を付録にした雑誌が即完売し、ネット上で高値の取引が続いているのもうなづける。

 で、そのソフトのイメージキャラクターである「初音ミク」の画像が、ヤフーやグーグルの画像検索でヒットしないと、17日から騒がれ始めたのである。23日には画像が復帰したため「事件」は沈静化に向かっているが、大手広告代理店やテレビ局などの圧力によって、グーグルやヤフーが検索からはじいたという説がネット上ではかなり支持を受けていた。

 真相は分からない。個人的には画像検索の情報が上がるのが遅れ、検索から漏れたのだろうという意見に賛成している。ただ問題はイメージキャラクターが検索できなかった事実が、グーグルの陰謀と簡単に結びついた点にある。

 ユダヤ人やフリーメンソンが世界を支配しているといった話は書籍の世界ではかなり人気だ。日本人は陰謀史観が好きなのかもしれない。しかしユダヤ教団理事長や日本フリーメイソンの広報委員会委員長に取材した経験からいうと、世界を支配する欲望を彼らからは感じなかった。特にフリーメンソンの委員長にいたっては、平和すぎるほど平和な好人物だったと記憶する。
 では、グーグルへの疑惑の眼差しも陰謀史観の妄想かと笑えるかと問われれば、素直にはうなづけない。

 まずグーグルには、「グーグル八分」と呼ばれる検索からの意図的に排除した「実績」がある。企業などから削除依頼を受け、検索に引っかからないように細工しているのだ。また中国のグーグルでは天安門事件や法輪功をいくら検索してもページが現れず、これが中国政府からの検閲に従ったことをグーグル自身が認めている。

 つまり表向きはすべての情報を平等にキャッチし、アクセス回数などを数値化して並び順を変える機械的な検索だと発表しているが、じつは検索そのものにかなりの手心を加えているのである。そのうえグーグルの最高責任者エリックシュミットは、「地球上のすべての情報を検索できるようにするのがわれわれの使命だ」と豪語している。

 無邪気と思えるほど壮大な支配欲と、公正さを欠いた情報の取り扱い。さらに削除の基準を公開しない方針と他社を圧倒する技術力。これらがあいまってグーグルは「陰謀」を疑われる企業になったともいえる。

 企業である以上、そこが提出する情報にバイアスがかかるのが当たり前かもしれない。しかし情報の壁を次々と取り壊し、あらゆる情報(例えば航空写真の情報でも)が無料で手に入る環境をネットに出現させるグーグルの姿に、多くの人は長い間、幻想を抱き続けてきたのではなかろうか。彼らは「自由」の体現者であると。

 しかし今回の初音ミク騒動で、グーグルへの不信感を募らせた人が大幅に増加した。他の検索エンジンを使うようにすると、ネットで宣言する人も少なくなかった。この反応を、私は喜ばしいことだと思う。

 ネットが世論形成に大きな影響を持ち始めていることは間違いない。またネットがお金を生み出すことも異論の余地がない。だからこそネット上で巨大すぎる権力を握る企業の情報に、一定の疑念を持つことは重要だと感じている。

 ちなみに初音ミクと一緒に亀田大毅の映像も消えたという噂もある。これが事実なら大毅は、初音ミクと「歌手」つながりで消えたってことか!? それともバーチャルなボクサーと、バーチャルなアイドルの括り?
 おそるべし亀田大毅。闘い方ばかりではなく、ネット映像の消え方まで物議を醸し出すとは……(大畑)

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2007年6月 1日 (金)

池内ひろ美が語る「市橋容疑者への推理」を嗤えるか?

 最近、このブログに「池内ひろ美」で検索してたどり着く人が増えたことを、アクセス解析が教えてくれた。トヨタの期間工を差別した彼女のブログを批判したものだ。昨年の12月1日に書いた記事だから、読み返すにはずいぶんと古い。きっと池内氏がネット上で叩かれているのだろうと調べてみたら、その通りだった。
 
 今回の騒ぎの発端は5月24日『東京スポーツ』に寄せた彼女の文章だ。
 英国人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害容疑で指名手配されている市橋達也容疑者が、どこで何をしているのかを推理した内容だった。
 彼女の結論は「ネット上で知り合った協力者の元で潜伏生活を送っている可能性が高い」というもの。しかし、この結論にたどり着くまでの推理がひどい。あまりに杜撰だ。

「書き込みが多い人ほど英雄になれる掲示板で、一橋容疑者はある種の“オレ様的”発言をして、支配下に置くようなネット友人がいたとしたよう」
 これが池内氏の推理の前提である。
 こんな友人がいれば、一橋容疑者は友人に通報されることなく過ごせるはずだというのが彼女の推理である。
 なぜなら「一般の人ならその時点で通報も考えるが、ネット友人の場合、報道よりも妄言を信じてしまう人もいる」からであり、「常識で考えればそんな妄言は信用せず通報するものだが、容疑者が自信たっぷりに語るために信じてしまう。そのうち、巨悪に立ち向かう革命家を支援しているような感覚にさえ陥る」からだと。

 この記事を読んだ人が笑いのタネとしてネットで取り上げた。「トヨタの期間工問題で自身のブログが『炎上した』恨みを果たすためのだけの記事だ」、「完全に妄想だ」といった批判が多かったように思う。

 さて、問題はこの文章が本当に「恨み」や「妄想」の産物なのかである。
 池内氏のブログが炎上してたとき、一部のネット住民が彼女の過去を洗い出した。その結果、いくつかの疑惑らしきものが浮かび上がった。この「疑惑」が本当かどうかは分からない。池内氏に反論の場が用意されたわけではないからだ。
 ある事実を組み合わせれば、それらしく見えることはいくらでもある。だからこそ新聞社や雑誌記者は裏を取るために走り回るのだ。過去の著作やネット上の発言だけで真実に行き着くのは易しくはない。
 しかし真実かどうかはネット上ではあまり関係ない。その「悪事」を根拠として、どんどん「制裁」がエスカレートしていくからだ。

 池内氏の場合、彼女の自宅の写真を撮るというネット上での予告があった後、300ミリレンズを付けたカメラを抱えた学生が警官に事情聴取された。さらに娘の留学先がネットに流れ、その友人にも嫌がらせが起きた。

 また池内氏の公演先や出演先、彼女が登場する番組のスポンサーにも抗議メールや電話が殺到し、出演依頼がキャンセルとなる事態にまで発展。しまいには彼女が受け持つ講座に対して、「教室に火をつける」「血の海になる」とネットで予告した犯人が逮捕されるにいたった。

 発端は彼女の職業差別である。成功した者の高みからの発言、あるいは、そうした批判に対する言い訳にもならない強弁が「炎上」を拡大させたのだろう。しかし家族が脅され、圧力で仕事が次々にキャンセルされるほどの発言だったのかは疑問だ。
 第三者から見ても気味悪い盛り上がり方なのだから、当事者にとっては恐怖そのものだったと思う。不特定多数の者が自分に悪意を持ち、その何人かは自宅にカメラを抱えて来るなど「実力行使」に及んでくる。
 そのうえネットで殺人予告をして逮捕された人物は45歳の会社員だったりした。自分と同年齢、しかも社会人。彼女が信用しにくい期間工やフリーター、あるいはギャップを感じる若い世代ですらない。そのショックはかなりのものだったに違いない。

 このような経験をした池内氏にとって、「ネット友人の場合、報道よりも妄言を信じてしまう人もいる」や「巨悪に立ち向かう革命家を支援しているような感覚にさえ陥る」というネット住民に対する感想はかなり率直なものではないか。

 彼女は20冊近い著作を持つ評論家である。他人を納得させられないような言論を繰り返していたら、出版以来は確実に途絶える。つまり「妄想」だとネットで一蹴されるようなものを書き連ねてきたわけではない。事実、トヨタの期間工問題の原稿も賛同こそできないが、論旨は通ってはいた。

 精神医学の第一人者である小此木啓吾氏は、ネットが万能感を引き起こすと指摘している。たしかに、そういった側面はあるだろう。池内氏のネット炎上事件でも彼女の講演などが中止になり、そうした「成果」に満足した人が攻撃をエスカレートさせたのだと思う。ネットから現実を動かせたと感じたのかもしれない。
 しかしネット上の匿名を捨て、自分の素性を明かして彼女を攻撃した人はいない。ネットから動かせる現実から万能感を感じることはあっても、現実の自分にその能力が備わっているとまで勘違いしている人は滅多にいない。だからこそ今回の池内氏のプロファイリングは一般的に「妄想」だと感じてしまう。しかしネットから攻撃された経験のある人にとって、ネット世界から抜けだし現実的な犯罪行為を行う人物など、けっこういるように感じるのだろう。

 1996年、池内氏は『素敵な女性は今、インターネット』を書いている。アマゾンの紹介によれば、「インターネットという空間の中に“オリジナルな自分”を感受した女性たちが語る奔放で瑞々しい仕事観、家庭観、恋愛観」という内容らしい。わずか10年ほどで、池内氏にとってのインターネットは「希望」から「モンスター」へと変わった。
 その振り幅の激しい変化を、ネットで攻撃を受けたことがない自分は嗤えない。(大畑)
 

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2007年5月23日 (水)

ビル・ゲイツを日本出版界は待っている

ゲイツよ。私はあなたの会社が嫌いである。OSはともかくアプリケーションまで支配下に置くやり方が。現にこの原稿も「一太郎」で書いているし、データベースソフトは「桐」を使い、メーラーはベッキーである。
その私が伏して、本気でひれ伏してお願いする。どうか日本のDTP環境にあなたの「サウロンの目」を向けてほしい。早い話が支配下に置いてほしいのだ。
今月の大型連休中、小社の弱体DTP環境は滅亡の危機に瀕していた。起こった問題は順に以下の通りである

1)アップルコンピュータの不可解な永眠
というか小社の歴代マックは常に不可解であり続けた。別に安物買いもしていないし純正のアプリケーションをインストールし、DTP以外のソフトは念のため入れていない。ネットにさえ接続しない念の入れようである。なのに購入当初からクラッシュが続発した挙げ句にGWで永眠である。サポートはまったく役立たず。付属のソフトでも再生せず、真ん中に死去を告げる「?」のアイコンが出続けてお仕舞いだ。
もう「君は何代目?」と聞きたくなるくらい代を重ねて死んでいる。まだ15代は数えないも徳川の代が15代で約260年続いたのに比して早世しずぎる

2)OS問題
近日永眠したマックはOS10と9がどちらも動き、9のクラシック環境で使っていた。なぜそんな面倒をしたかというと購入(動機は先代の死亡)当時すでに10が出回っていたものの9とはまったく異なる点が多く、印刷屋さんに相談したところ「10では保障できない」と脅されたからである。といって市場に9の新品はすでになく「10も動くが9で動かす」選択をせざるを得なかった。
いうまでもなく我々が10にしてくれと頼んだ覚えはない。MSのOSはDOS時代から使っていて、それはそれで不満たらたらではあるも、少なくともOSが一新されたのでアプリケーションも……という記憶はない

3)アドビ社問題
DTPはかつてアドビ社のイラストレーターとフォトショップにレイアウトソフトのクオークという組み合わせが一般的だった。ところがクオークはバカ高い上に1台限りのプロテクトがかかっていた(今は違うとのうわさも聞いたが)ので使わなかった。
別に1つのソフトを何台もにインストールしようなどと不穏な考えを持っていたわけではなく上記の如く「1台限り」のマックそのものが死にまくるので、その都度買い換えるのがバカらしいからだ。結果としてややマイナーなページメーカーを使っていた。
このページメーカーがアドビ社に吸収されて「やれやれアドビ社で統一環境を作ってくれそうだ」とMSオフィスみたいな風景を待望したけど果たされず。アドビは新レイアウトソフト「インデザイン」を発表する。
だからその時点でインデザインに切り替えればよかったとの批判には反論がある。登場時点でアドビ社はインデザインは初歩向けでプロユーズはページメーカーと棲み分けるとの方針を示していたからだ。やせても枯れても当方はプロの端くれだから切り替えなかっただけの話である。
ところがアドビ社は01年のバージョンアップを最後にページメーカーを放置し、いきなり「プロもインデザインへ」と統合を発表してしまった。小社はページメーカーである。OS9で動いている。今やインデザインの時代である。インデザインはOS10で動く。ページメーカーはOS10での動作確認をされていない。ページメーカーのデータはOS10上のインデザインで読めるらしい。「らしい」では過去の膨大なデータが読めない恐れが出てくる。事実としていくつかの不都合もある「らしい」。
ここで救いだったのはデータはすべて外付けHDに保存してあった点だ。我々も過去に学ぶから突然死の危機をはらむマック本体にデータを入れておく危険は犯さない。というか過去に犯して本体ともども死にかけた(何とか一部救出)経験からそうしていただけだけど。
ここで悩んだ。大枚はたいて最新のマックを買って最新のアドビ三兄弟を入れてもいい。その結果として過去や現在作成中のページメーカーのデータさえ読めれば。でもその保障が何もないのだ。止むを得ず、自らも他からも愚かな選択とわかっている「中古でOS9」を秋葉原で探し出してデータ救出マシンとした

4)モリサワフォント問題
「中古でOS9」でデータを正確に救い出すには多くを依存しているモリサワフォントが必要だ。だがモリサワはクオークと同じく1台限りのプロテクトがかかっている。念のため「中古でOS9」でインストールを試したが拒絶。
ネットで調べてみるとそうした妥当な理由に対してモリサワは対応してくれるらしいとわかったが何が悲しくて、どういう頭を下げてモリサワに頼まなきゃあアカンのだと嫌になる。ついでにいうとOS9対応とOS10対応では同一のモリサワフォントでも違う。同じリュウミンL-KLでもタイプが異なるのだ。むろん別売。
ここに至って「いっそゲイツに屈するか」と悪魔の選択がよぎった。どうせ最新のマックを買っても、これまで通りの早世を繰り返すのだ。アドビ三兄弟もモリサワフォントもウインドウズ対応版がある。印刷屋も少なくともPDFならばWINでもOKという。ハードの選択肢がマックより段違いに広く(無数vs1社)少し待てばすぐに値下がるウインドウズ機の方がはるかに買い得である。何よりマックOSだポストスクリプトだなどにもう悩まされずに済む!

5)WINとマックの互換性
後はこの壁だ。同じアドビ三兄弟でもデータ互換が今のところ極めて不安定である。版元にとって過去の版下は宝物であるから引き出せないと困る。そこで冒頭の願いだ。
ゲイツよ。あなたとあなたの膨大な資金力でアドビ社とモリサワと、ついでに私が願って止まない写研も買収してくれないか。写研を買ってくれるならばモリサワはあきらめるというところまで譲歩してもいい。マックに至ってはすでにMSの資本が入っているのだから吸い込んでくれ。アップル自身ももうパソコンへの情熱は失っているそうじゃないか。
何でも欲しがるゲイツ君が例外的に見落としているのが我々の生業である日本のDTP環境というのが残念でならない。ビジネスにならない? だったらゲイツ様お得意の社会貢献とみなして実行して下さい。
小社はすでに最新マックを買わず、ウインドウズ環境でDTPに踏み込もうと決意しつつある。これがいかに危険か同業者ならばお分かりだろう。でもウインドウズ環境で仕事をするのが危険という自体、他の業種ではほとんどあり得ないくないか。重ねてゲイツ氏に頼む。そうしてくれれば一太郎をワードに、ベッキーをアウトルック・エクスプレスに換えるから!(編集長)

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2007年5月 8日 (火)

mixiについていけない

 一言でいえば気持ち悪いのである。
 最初の報道はソーシャル・ネットワーキング・サービス「mixi」の「踏み逃げ」報道だった。mixiでは自分の持つページに他人が訪れれば、「足あと」(アクセス履歴)が残る仕組みになっている。この足跡を残しながら、つまりページに公開している日記などを読んだのにコメントやメッセージを残さない行為が「踏み逃げ」や「読み逃げ」と呼ばれる。

 もう2ヵ月以上も前になるだろうか、この「踏み逃げ」に怒る人が増えているという報道に、正直ゲッソリした。僕自身mixiに入ってはいるが、もうほとんどアクセスすることはない。異業種の友人が集まるときの掲示板にもなっているが、僕が読まないのを知って携帯に連絡が来るほどである。
 もともとマメに連絡を取るのが苦手だ。携帯メールでさえ面倒くさければ返さない。着信履歴が残っていても折り返さない。業務連絡すら吹っ飛ばす。
 そんな性格だから友人の日記にいちいちコメントを付けるなど耐えられなかった。ましてよく知りもしない人の日記にコメントを残さなくちゃいけないなど驚天動地の出来事だ。

 おそらく僕はルーズなのだろう。でも、それでいいと思っている(おかげで友達も少ないが)。携帯が鳴っても取らない自由ぐらいあってもいいし、緊急でなければメールを放っておく自由があってもいいと感じるからだ。

 次にいやーな感じがしたのはmixiの日記で飲酒運転を告白した人が職場を解雇されたと報じられたときだ。日記を読んだ人たちが騒ぎ出し、しまいには職場にまでメールを出す人が出て解雇にいたった。
 さらについ1週間ほど前にも「モーニング娘。」の熱狂的なファン、いわゆる「モーヲタ」が大挙して訪れたファミレスの店員が持つmixiの日記で彼らを「キモイ」と罵倒して炎上。この店員のいるファミレスが特定されて、mixi退会に追い込まれた。

 もともと下戸なので、マスコミが先導した飲酒運転追放キャンペーンに異を唱えるつもりはない。もう十分にオヤジとなりオタクじゃなくても「キモイ」と言われるようになっただけに、罵倒された「モーヲタ」の気持ちも分からんではない。

 それでも、この不寛容さは耐えられない。正論をたてに個人にワッと群がる様子はアリの攻撃を思わせる。飲酒運転は悪いが職を奪われるほどの犯罪なのか? 特定の集団を「キモイ」と書くのは、個人が吊し上げられてコミュニティーから排除されるほどの行為なのか? 

 おそらくネットは私的な要素と公的な要素を同時に持っている。というより公的な要素が強いわりに、私的に見えるというべきか。特にソーシャル・ネットワーキング・サービスは、その傾向が強い。自分だけの日記のつもりで書いたつもりなのに、日本中から非難を浴びた。それがネットでの炎上を経験した人の本音だと思う。

 その一方「踏み逃げ」に怒る人たちにとっては、自身のページが思いっきり私的な空間になっている。私道を無断で歩くぐらいなら許すけど家に入ってくるなら声ぐらいかけろ、てな感じか。

 私的な気軽さと公的に発言できる力がネットの面白さだと感じている。どちらかに傾けば、とても居心地の悪い空間となる。これはmixiだけの話ではない。ネット全体にも通じることだ。

 そろそろ、そんな転換期なのかとも感じている。(大畑)

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2006年12月 8日 (金)

安倍晋三、梨花とC.C.ガールズに負ける!

 安倍内閣が発足から2ヵ月を超えた。『朝日新聞』の世論調査では支持率が53%に下がったそうだ。10月に63%だったというから大激減である。ちなみに「Yahoo!みんなの政治」で実施されたネット投票では、不支持が84%を超えたというから尋常ではない。
 支持率急落の理由はいろいろあろう。復党問題も響いただろうし、新内閣に対してご祝儀気分だった国民が落ち着いたこともあるだろう。しかし、もっと深刻な要因の1つは各大臣の地味さではないか! この持論を説明すべく、グーグルのヒット件数を使って各大臣の影の薄さを解説していきたい。

 まず大臣の中で最もヒット件数が多かったのは、内閣総理大臣の安倍晋三。その数214万件。さすがに人気だけで総理まで登り詰めた人である。まずは首相の面目躍如といったところか。
 しかし政治家という枠組を外せば、じつはこの数字大したことはない。バラエティーに出演し、いまやモデルというより芸人となった梨花、586万件の半分以下。1990年に結成し、軽いお色気ラインで売ったC.C.ガールズの227万件にも及ばず。
 う~ん、こうした数字を見ると、芸能人を選挙に担ぎ出したくなる党本部の気持ちもわかる。総理大臣まで登り詰めて、知名度は梨花の半分ですってさ。

 閣僚第2位のヒット件数を誇ったのが外務大臣・麻生太郎、138万件。まさか漫画をはじめオタク文化に強いのが評価されたわけでもあるまいが、3位以下を100万以上引き離すぶっちぎりの2位となった。ちなみに冠番組を持ち、一部週刊誌から叩かれまくっている細木数子の135万件を上回っているのは立派というべきかもしれない。
 さあ、どんどんいこう。
 第3位は文部科学大臣・伊吹文明、26万2000件だ。かつてマッチのものまねなどで人気を博し、いまは専門家からほとんど評価されない日本画家となった片岡鶴太郎26万6000件より、やや低い評価。とはいえ伊吹文明と聞いても、どんな仕事をしてきたのか、いまいちピンとこない人も多いだけに、ある意味大健闘といえる。だだし「伊吹文明 自殺」で13万9000件だった。頻発している学生の自殺に加え、自殺予告の手紙が大臣宛に来たのがヒット件数を押し上げた大きな要因のようだ。政治家としての人気に結びついたかはわからんが……。
 第4位は内閣官房長官・塩崎恭久の19万4000件。テレビ出演も多い「イケメン」官房長官の割りには控えめ数字となった。このヒット件数、芸能人でいうと国生さゆりの19万7000件と同レベル。当たり前だが、記者会見を開き、毎日のようにテレビ出られるランクではない。週刊誌によれば塩崎官房長官は怒りっぽい人らしいから、「元おニャン子クラブ」に負けてると聞いたら怒鳴りまくりそうだ。怖い怖い。

 第5位は、内閣府特命担当大臣の高市早苗で18万3000件。初入閣の一人だが大臣になって目立った仕事をしていないので、これまでの人気の積み上げがヒット数に反映したものと思われる。この数字は2001年8月に大麻とLSD所持で逮捕されたいしだ壱成の18万5000件とほぼ一緒。俳優としては、何となく終わった感のある人だが……。
 ちなみに前の沖縄北方担当相で高市早苗に大臣の引き継ぎをした小池百合子・内閣総理大臣補佐官は、33万9000ヒットで高市に圧勝。田代まさし33万7000件に並ぶ数字はさすがに人気政治家である。

 6位は防衛庁長官・久間章生の14万5000件、7位は財務大臣・尾身幸次の12万8000件。財務大臣といえば国家の要ともいえる役職だが、尾身幸次イマイチ印象が弱い。すでにテレビで見かけることもなくなった鈴木蘭蘭12万7000件、テレビでは見るには見るがネットで調べたいとは思わない菅井きん12万5000件とほぼ同じ件数。こりゃ、ヤバイでしょ。
 8位は農林水産大臣・松岡利勝の9万2200件、9位は内閣府特命担当大臣・大田弘子9万1000件、10位は総務大臣・菅義偉9万5900、11位は内閣府特命担当大臣・山本有二の8万4000。で、12位が経済産業大臣・甘利明の8万2000。このランクになると、なかなかピッタリする芸能人も見つかりにくいが、昼の番組の司会者を勤める大和田獏が8万3200件である。芸歴も長いし、それなりの位置にいるけれども騒がれることなし。そんなポジションの芸能人と一緒だと考えるとわかりやすいか。
 13位は法務大臣・長勢甚遠の7万5900件、14位が環境大臣・若林正俊5万4100件、15位が内閣府特命担当大臣・佐田玄一郎5万200件。16位には内閣府特命担当大臣で国家公安委員会委員長も兼ねる溝手顕正が3万9200件で滑り込んだ。

 そしてテレビ露出の割りに件数が伸び悩んだのが、国土交通大臣・冬柴鐵三、3万6600件。この数字は夏の怪談話でしか活躍を見ることのない、つまみ枝豆の3万7100件とほぼ同じ。学会の組織票もグーグルヒットまでは手を回していないようだ。まあ、動員しても仕方ないが……。
 そして見事に最小件数だったのが、厚生労働大臣・柳澤伯夫、2万4700件である。『アジア・ウィーク』誌で「アジアのパワフルな政治家」第8位に選ばれ、『ビジネス・ウィーク』誌では「アジアの星」に選出された政治家が「一発屋」として名高い『メモリーグラス』の堀江淳3万700件に完敗。後藤田正純議員の嫁である水野真紀24万7000件のちょうど10分の1のヒット数というからひどい。仕事ぶりはともかく、あの仏頂面が人気を下げているのか……。ただし党内でも有数の増税論者であることから、今後、国民の大反発からヒット件数が一気に跳ね上がる可能性はある。
 
 さて、ついでといってはなんだが、都合の悪い記事をグーグルに請求して削除する、いわゆる「グーグル八分」についても、内閣に副官房長官や総理大臣補佐官まで加えて調べてみた。「○○議員 疑惑 醜聞」と、○○に各代議士の名前を入れて検索を掛けてみると、安倍晋三が4件削除、麻生太郎2件削除、松岡利勝3件削除、小池百合子が2件削除、中山恭子が5件削除(検索から「議員」を除く)、山谷えり子が3件削除、世耕弘成が3件削除となった。
 削除があった人には、金や収賄などで思いつくままにマイナスイメージと名前を組み合わせて調べてみたが、「世耕弘成議員 勝共連合」で1件の削除が確認されただけである。そのため、どのような記事なのかはわからない。本人のことをメインに書いた記事ではないかもしれない。もちろん誰が削除したのかもわからない。敵陣営の策略かもしれない。ただ、ちょっと気になる情報ではある。(大畑)
※今回は敬称略です

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2006年11月 1日 (水)

ヤフオク・デビューにあたって一言

 家にあって今は使っていない物を処分したいのだが、机や椅子やスピーカーや棚といった大型の物を処分するとなれば、区役所に来てもらって引き取ってもらうなど費用がかかる。大型のものでなくとも、捨てるにはもったいないこまごまとした物もある。
 これらの品物をうまく運用(?)するための術があるじゃないか、と思いついたのがヤフオク。オークションである。だが、私は今までヤフオクで何かを買ったり売ったりしたことがない。
 パソコンに詳しいわけでもなく、増してやヤフオクなどには全く無縁だろうと勝手に思い込んでた知り合いが「やったことあるよ、簡単だよ」とアッサリ言い放ったので、よし、オレにもできる、と早速ヤフーのIDを取得するところから始めた。
 善は急げ、の勢いでIDを取得して、オークションに携わるための手続きをバリバリ進めたのだが、あるフォームでストップしてしまった。
 出品するためにはクレジットカードの番号を入力する必要があるのだが、指定されているいくつかのクレジットカードの選択リストに、自分の使っているカードがなかったのだ。これは、新しいカードを作らなければならないということか…?

 今までヤフオクで品物の売買をしたことはないけれど、全く無縁だったわけでもない。
 何年か前に私が「便利屋」なる胡散臭いバイトをしていたころ、ヤフオクを活用してちょっとした利益を上げる人物の仕事に関わったことがある。
「便利屋」の管理人から、千代田区にある某施設の入り口に朝9時に集合とだけ伝えられて、当日その場所に行った。自給は1800円だという。
 その仕事の統率者が現われるまで、同じように集められた便利屋の登録者数人と、「今日の仕事は何なんだ?」「さあ?」というような言葉を交わしたり黙ったりしているうちに統率者が現われる。キャップを被ったどこにでもいるような兄ちゃんだったが、仕事内容を説明する口調からは、この仕事には慣れているようだった。
 やるべきことは、「とにかくビニール袋(80ℓくらいの大きなサイズ)に、これだと指示された商品(衣服・コートなど)を詰め込んでいく」というシンプルなものだった。ただ、急ぐこと、テキパキやること、だけが注意点。
 その日その施設で開かれていたイベントは、ブランドものの商品(新品の衣類)が通常の3割~5割で手に入るというものだった。入るには招待状がいる。後から知ったのだが、統率者のグループは招待状をヤフオクで仕入れているようだった。
 イベントスタート時には既に行列ができていた。スタートした瞬間に便利屋部隊は走り出し、ものすごい勢いで商品を袋に詰めていった。アルマーニをはじめどれも高級ブランド品である。値札には10万円以上と記されているものも、「それも」と指示されればどんどん詰めてゆく。一般の来場者はその勢いに引きまくっている。
 全員が集めた商品は、600万くらいだったと思われる。そして、それをヤフオクで売りさばく。グループの中の1人の話によれば、1回のイベントで200万~300万の利益が出る。ものすごい商売法である。

 ヤフオクにもいろいろとルールがあって、取引できないもののリストなどが明記されている。(「盗品」や「保存期間の短い食品」、変わったとことでは「細胞」など。)だが、それらのルールを悠々と掻い潜って制度を有効に活用している人物がいる。
 順序が逆かもしれないが、そんな存在を先に知ったのでヤフオクには何か得体の知れない有象無象が漂っている気が自分にはする。「段ボール箱が部屋に積みあがっている」という常連ユーザーに言わせれば「何言ってんだ」なのだろうが。
 まあ、私は健全なやり取りでうまく品物を処分できればいいと呑気に思ってるわけだが、果たしてどうか。(宮崎)

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2006年3月31日 (金)

ニフティサーブのパソコン通信最後の日

今日をもってニフティサーブの「ワープロ・パソコン通信」サービスが終わる。同時に長年愛用していたNIFTY MANAGERも使えなくなる。午前0時をもって「大きな古時計」みたいにつながらなくなるんだろうな。その瞬間を見送るつもりだ。
そのNIFTY MANAGERを開いて各種サービスを回ってみる。主立ったものはなくなったかネットに移行していて既にサービス自体はガラーンとしている。すでに引っ越しが終わった後のように。

ワープロ・パソコン通信はいろいろなものをもたらしてくれた。今ではE-mailまたは単にメールと称する存在を「電子メール」として普及させた。文書がリアルタイムで送受信できる快感はすばらしかった。
電子メールをファクスに送る機能も便利だった。何せメールが当たり前の時代ではなかったので相手方がファクスという場合も多かったから。ニフティからのファクス送信は鮮明だとほめられて我がことのようにうれしかった。

仕事柄でいうと朝日・読売・毎日の新聞検索は画期的であった。もう縮刷版と格闘しなくて済むと思うと時間に応じる従量制料金という魔物のような制度を差し引いても便利だった。毎日時代の自分の記事を検索してヒットした時は子供じみているがうれしかったなあ。日外アソシエーツや帝国データバンクの資料の活用も便利だった。

アクセスギフトという現在の電子マネーのような存在やフリーないしはシェアウェアがダウンロードできるライブラリ機能も楽しかった。当時はギガだテラだなど予想だにせぬキロからメガへの時期であるから今から思えばオモチャみたいなソフトも多数あったがアマチュアが遊び心で作った付随ソフトが洒落ていた。まるでゲームの草創期のようだった。

フォーラムで話し合われた内容はログとして保管されてきた。フォーラム自体も次々と開設されて電子会議室に集った。チャット機能はリアルタイム会議と言った。

こうした機能のほとんどは今ではネット上で再現できる。しかし失ったものもある。それはニフティサーブに集った者である同士の連帯感や安心感である。多くが実名とハンドル名とプロフィールを公開して自己紹介していた。フォーラムのオフ会で初対面同士が個人宅にお呼ばれするのも当たり前にあった。牧歌的だったのだ。
遡って推し量るにタダの民間企業が提供するサービスに参加しているというだけで実名とプロフィールを知らせてしまうのは危険だったはずだ。でも当時は平気というか当たり前だった。
買ったパソコンが陳腐化したので何とか改造したいと思えばそうしたフォーラムが機種ごとにあって改造のあの手この手を熱心に教えてくれた。チャチャは1つもない。信頼感と安心感が満ちていた。ワープロ・パソコン通信だからなのか、時代がそうだったからなのか。

とにもかくにも一世を風靡したワープロ・パソコン通信は終わる。代わりが巨大化、匿名化、無法化したインターネットである。そこには漠然としながらも確かにあった信頼に委ねる安心感ではなく絶えず荒らしやウィルスにさらされる恐怖を避ける「自己責任」が要求される。「安全はタダ」から急速に「自己責任」を問われるようになった世相の変化に一致しているようでもある。
考えてみればニフティ株式会社による情報独占を無邪気に信じていたのも不思議な話だ。だがあらゆるパソコン通信の融合体との側面があるインターネットにはニフティ株式会社のように悪さをすれば責められる主体さえない。これがドンドン肥大化してやがて通信と放送をも飲み込んでいくであろう。
今日はワープロ・パソコン通信最後の日だ。だが「最後の日」はここに止まるまい。いずれ多くの既存の通信・放送・報道分野の「最後の日」が続く。その先に何があって何が起こるのか誰にもわからない。

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