初老男の旧式映画館徘徊

2015年5月19日 (火)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第13回「飯田橋くらら」 館名から外観、モギリのオッサンの面構えや場内のムード、客筋…全てに70年代アングラサイケ時代の香りがプンスカプン!(マスクが必要かも…)。

 10代の後半の夜間部学生時代からから約43年間、御茶ノ水、水道橋、飯田橋周辺を生活圏に。付近の映画館にはとうに閉館した「後楽園シネマ」(洋画系名画座)、「飯田橋佳作座」(邦洋名画座)、「神楽坂牛込文化」(日活ロマンポルノ)は無論、今も営業中の「飯田橋ギンエイホール」も含め飽きずに通い続けた。唯一の例外がココ。ギンレイと同じ銀鈴会館地下にあるのに、1度も足を踏み入れず。特別な理由があった訳では無い。近所だし「いつでも行ける」と考えてるうちに、あっという間に半世紀近くが経過。本連載を担当していなければ、死ぬまで入館しないで終わった可能性も高い(入館体験前には特に残念な気分じゃなかったが…)。

 地下の劇場の入口はご覧の通り。筆者のような純情小心者は、前にたたずむだけで犯罪に加担した心地が(エロ本屋に言われたかねえか)。連休の谷間の5月8日、まずは周囲を念入りにキョロキョロ。女性や警官(?)が居ないのを確認後、午後3時過ぎに意を決して突撃敢行(さらば童貞!)。ケバイポスタービッシリの地下への通路をまずは直進、次いで右折すると左側に券売所、右に入口。この構造に既視感。そうだ。もう閉店したが、「神保町シアター」近所にあった、エロ漫画&DVDメッカ、「新宿書店」にそっくり。Lの字形通路はエロへも直結すると下手なシャレ。

 人間様が売ってくれる入場券は、機械より何となくありがたい(3本立て900円)。若い頃は逆。特にポルノ映画館ではうっとうしく感じられた。老いると人恋しくなるのかな。驚いたのはモギリの同世代のオッサン。10年くらい前の唐十郎と瓜二つ。1000円札出して100円の釣りをもらい、「写真撮ってもいいですか?」「ああ。場内でなけりゃ構いませんよ」。サッパリしたオッサンだ(脳溢血&転倒には御用心)。階段を上がり降りして2~3枚図々しく。いよいよ館内へ。養蚕盛んなりし頃の、上州の百姓家のバラックを思わせる戸を押して入る。客が一斉にこっちをジロリ。入口の向かって左側がスクリーンなのだ。妙に生々しい視線。今、どこのポルノ映画館も男色者の発展場化するのは避けられない。伏し目がちに中程のシートの一番端に座り、隣に荷物を置く(ノンケであるとの意思表示。単身女性客の痴漢回避テクの流用)。

 91年版『シティロード』によれば、本館は定員は100人と。その半分くらいに感じられたのは、暗さあるいは場内改装でも?(定員と椅子数は別とか…)椅子は決して清潔じゃなかったが、家庭用の座卓を思わせる豪華さ。フカフカで永遠に後ろに沈みそうで怖かった。驚いたのは入り。平日の昼日中に20人近くも。花の銀座のド真ん中、「丸の内東映」地下での夜の部より余程人影が多い。タイミング良く『わるいおんな』(監督・城定夫・’13新東宝)が始まる。場内は傾斜がなく、前方のハゲ&白髪頭がかなり邪魔。しかもスクリーン直前の数列は、隆起してるようにさえ見える。一層邪魔だが、あるタイプの客には却って便利。振り向いて観客を観察、気に入った者が居る方向に移動する一助に(………)。上映中の同性愛者の回遊行為は、全国のどこの映画館でも盛ん。落ち着かないといちいち立腹していては、今ピンク映画の鑑賞は不可能だ。

 尿意を感じ始めたが、後方にあるらしいトイレ(推測)に行く勇気はとても。上映中のトイレこそ、“発展実践現場”そのもの。休憩時間ならそう危険ではない。が、ピンク映画は1時間前後で(長いと映倫の審査料が跳ね上がるためと)、3本休みなく連続上映するのが常。こらえ性のないノンケ初老爺さんも、最低3時間は耐える宿命だ。無論、上映作品が水準なら苦痛ではない。ただこういう時に限ってアレなのは、中高年者なら体験的にご存知のはず。『わるい~』、監督が兼ねてる脚本には種々工夫もあるのに、肝腎の台詞がほとんど聴き取れない。おまけに照明がずさんで画面が真っ暗。濡れ場でも主演のめぐり嬢の巨乳がほとんど見えない(怒!)。老いぼれの身への皮肉めいた尿意・難聴・視覚障害のトリプル攻撃に、やむを得ずに1本のみで退館。

 急な階段を昇ると、自称右翼の暗愚売国安倍マザコン総理が大将を気取る、21世紀日本の神楽坂の夕暮れ。総人口数の推移からして、2度と夜明けなど訪れはしない(キッパリ!)。ハレンチ親馬鹿史観に汚染された愛国者気取りの愚者には、それが正視出来ない。考えれば安部根馬鹿総理を筆頭とする、痴呆低能三代目集団ほど幸福な輩はこの世に存在しない。戦地での血肉まみれの戦闘も、無論お前ら一族だけに独占的に委任する。遠慮しないで勝手にね!(塩山芳明)

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2015年4月10日 (金)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第12回/「ラピュタ阿佐ヶ谷」

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 デザインセンスのいいチラシ・ポスター類と、代表・才谷遼(川邉龍雄)の汲めども尽きぬハレンチスキャンダルで超有名な映画館デス。


 その業界が衰退期を迎えると、古き良き時代を知る関係者の回顧談や自伝、評論集の出版が続出するのはどの世界も同じ。底を脱した言われる日本映画界でも、まだその勢いは止まらない(スターや名脇役、監督や撮影者他のスタッフはともかく、業界人御用達の旅館経営者や、単なる知り合いまでが参戦するのには恐れ入るが)。遂にはそれで飯を喰って来た出版”ハイエナ”業界自体が、70年代の邦画界以上の再生なきどん底に転落。対岸の火事どころの騒ぎではないのに、懲りずにポコポコ出ますね、いい思いをした死に損ない編集者どもの自慢話本が。今世紀に入って業界人になった、甘い体験ゼロ世代からすれば、実に苦々しい景色だろう(客観的に語れる立場か!!)。


 割とハズレが少ないのが役者の自伝。それも大スターではなく、個性的脇役クラスの物が特にいい。最近ではテレビドラマ『夕日と拳銃』(’64TBS)で知られた、工藤堅太郎の『役者ひとすじ』(風詠社)が読ませた。例えば仲代達矢クラスの大物だと、余り同業者の悪口は書かない。しかし峠を越えた老脇役は、えてしてそういうヤボな遠慮はしない(『映画論叢』誌に連載された、三上真一郎の自伝も半端じゃなかった)。今だと60~70年代に活躍した役者本が多いが、何種類か読んでると分かるのが役者の人格と評判。誰の本でも最悪なのが鶴田浩二、そして杉良太郎。もうケチョケチョケチョン!(前者は身内からも告発が)。杉はまだ生きてるうちからの人間のクズ扱い。お亡くなりになられた後が益々楽しみ(逆が高倉健と吉永小百合)。これが出版業界本だと、嵐山光三郎と松田哲夫が双璧か。幸いお2人共にまだまだお元気。杉良太郎的期待で胸が一杯!(やはり生きてるうちは多少の遠慮があるでしょうし)


 「ラピュタ阿佐ヶ谷」に関しては、定員が48名で入場料が1200円(老人・学生1000円)。定員になると入れない。3回券だと2700円…だというようなデータで、行数埋めしてても落ち着かない。場所柄筆者は何年も入場してないし(中央線は通勤圏外)。まずいので外観撮影の際に久々にと思ったが、上映時間と合わなくて…。48名という定員は「神保町シアター」の約半分。行きつけの「シネマテークたかさき」とほぼ同じ(同館は1回が58名、2階が64名)。ここは下品な「神保町シアター」と言うか、同じ60~70年代の邦画を上映しても、エロ・グロ・暴力系に特化。前回入場は7~8年 。中島貞夫監督特集に数度通った(『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』他)。よりによって娘と行ったせいか、実に落ち着かなかった。狭いので周囲の客の息づかいや脚の組み換え、椅子のきしみ等がストレートに伝わる。エロ・グロ・暴力映画は、せめて定員100人以上の空いた映画館で鑑賞したい(親子連れでなくても)。


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 最近は映画監督業にも進出した才谷遼、元々出版業界の人。『COMIC BOX』で知られたひゅーじょんぷろだくと代表。当時から既に金銭面を主に空前の悪評。出版業界の中曽根康弘と言うか、刑務所の壁の上でツイスト踊ってた感じだった(今も)。出版社の経営者は大手も中小もロクな奴はいないが、才谷は表面的には左翼面をしてたから余計に憎悪・罵倒された(「言う事とやる事が全然違うじゃん!」と)。それは『天空の城ラピュタ』本で大儲け後に建てた、「ラピュタ阿佐ヶ谷」のオーナーになっても以降も変わらない模様(参考サイトhttp://www.ei-en.net/freeuni/la_100125_yobikake.html)。


 実際まともな左翼ならとっくに、転び裏金公安どもに痴漢冤罪でパクられてる水準(次期総理就任直前の豪腕,小沢一郎でさえハメられる、日本のデタラメな司法制度だ)。左翼面をした才谷が、次々にスキャンダルを起こしてくれるのは、官憲にはありがたいのかも。「反原発運動なんて、全部こんな糞連中がしてるんだ。信じる奴は馬鹿だ!」的な効用はあるから。野放しにしておく価値がある男、なのかも。その才谷が初監督した『セシウムと少女』、評判は散々だが、彼が”世間をしのぐ楯”には充分になる。ちなみに各種書籍中、映画監督で悪評高いのは女性コンビ。自作小説『雨が好き』を自ら映画化した高橋洋子(たった1本の監督なのに既に伝説化)、やたらおフランスでのみ評価の高い河瀬直美。才谷遼監督が高橋洋子を蹴落として、新たな伝説になる日も近いと思われる。(塩山芳明)

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2015年3月11日 (水)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第11回/「高崎電気館」バブル感覚が抜けない高崎市役所貴族役人様の天下り探しの一環か?

 痛快な柳下毅一郎の『皆殺し映画通信』(カンゼン)シリーズ2冊によれば、地方自治体に出資させては、意味不明のトンデモ映画を制作する会社が、ボロい商売を全国で繰り広げていると。緑ときれいな空気、豊富な空家しかないド田舎の無責任役人が(住民の2~3倍の年収を得てる特権階級だが)、ヨイショとポンポン出される3流役者の名前に、一喜一憂する浅ましい姿が眼に浮かぶ。ただ、彼等がそれほど純情とも思えない。無駄遣い予算枠や縄張りの拡大、将来的には新天下り先確保のために、”東京の映像関係者”にだまされた振りをしているのでは? でなければ、全国各地で愚劣なサンピン映画祭や上映会が、税金を遣ってこうも急増するはずがない。まともな映画祭は、どこも民間の映画馬鹿が主導権を。しかし、北朝鮮バッシングに便乗、裏金警察官僚がパチンコ業界を天下り先に占拠したような野望を、密かに抱いてる役人も居るはずだ。ダムや体育館より、文化の方がはるかに予算が付く時代だし。

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 人混み嫌いで地元ながら行った試しのない、高崎映画祭はどうなのか? 新聞の群馬版で見る限り、東京の各種映画祭のミニチュア版のようで、まったく魅力を感じない。東京から日帰り出来るせいか、有名俳優・監督は多数参加するようだが。同映画祭の運営を主導した故・茂木正男以下の力で、今の「シネマテークたかさき」が誕生した経緯が。現在恩恵にこうむってる身としては、悪口は吐きたくないけどね(茂木は同館の初代支配人に就任、辣腕を振るったがガンで08年に死去)。以前本欄でも触れたが、映画祭の収益で館の赤字を埋めてるとの噂も。老いぼれには映画祭などどうでもいいが(期間中に館の上映本数が減るのはむかつく)。その「シネマテークたかさき」で、長い間閉館していた近所の映画館、「高崎電気館」のチラシを最近良く見る。2月に”男はつらいよ”シリーズを2本上映(1000円)。3月は『ここに泉あり』(監督・今井正・’55)を無料で。岸恵子と岡田英次が共演、脇を群馬出身の小林桂樹が固めた後者は、高崎が舞台だから納得が行く(群馬交響楽団が主役だし)。けど、何で寅さんなの? しかも注意書きが凄い。”高崎電気館はただいま空調設備が完備されていません。暖かい服装でおでかけください”。赤城降ろしが吹き荒れる2月の群馬では、これは完璧な拷問。膝掛けを貸し出してる、暖房完備の「シネマテークたかさき」でさえ、2時間の映画を観終えるには、尿意を抑えるのが大変なのだ。

 この季節、緊急性が全然感じられない、予算消化のための傍迷惑な道路工事が、方々で騒音をまき散らしている。それを連想させる、高崎市主催の極寒の寅さん上映会ではある。無論、くも膜下出血崩れの筆者が、老人殺しの暴挙に銭まで払って参加するはずはない。ただ高血圧の寅さんファンが、何人か脳溢血を起こさなかったかと今でも心配でならない。その「高崎電気館」、筆者が帰郷した約20年前にはまだ営業中。『12モンキーズ』『マーズ・アタック!』『L.A.コンフィデンシャル』他をここで(邦画は松竹系を上映)。従業員は無愛想、隅々まで不潔で冬はシンシンと良く冷え込む映画館だった(一応冷暖房はあったはずだが…)。「高崎オリオン」や「高崎東映」も似たレベルなので、特に腹は立たなかった。しかし映写技術がデタラメなのには我慢ならなかった。『L.A.~』上映中に何度目かの中断が起きた際は、温厚な筆者をして、「糞馬鹿野郎! 封切り料金取ってふざけてんじゃねえ!」と怒鳴り散らす醜態をつい。周囲のカップルの怯えた表情を思い出すと今でも赤面。

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 地方都市の例外ではなく、周囲は1級のシャッター通り地帯。空家を何とかしようとの試みは、全国各地で模索されている。高崎市役所も、高崎映画祭や「シネマテークたかさき」の長年の苦労を参考に、「高崎電気館」の再開、そして映画以外にも活用出来る公共施設にと乗り出したのだろう(高潔な高崎市の役人が、天下り先の拡大なる邪念を抱くはずがない)。なら素人が見よう見まねで映画館運営に手など出さず、「シネマテークたかさき」に直接資金援助、地元ロケ映画の上映枠を確保すれば?(既に冷暖房完備だし)。高崎市は、西口駅前施設や高崎競馬場跡地をバブル感覚で計画、総スカンを喰っている。汚名挽回なるのに。メール便を開発したヤマト運輸をいじめ抜き、遂に廃止に追い込んだ日本の運輸・郵政官僚。天下りを受け入れなかったから復讐されたのだ。まったく興味はないが、自立運営されて来た高崎映画祭が、愚かな役人に牛耳られる日が永遠に来ない事を祈ろう。(塩山芳明)

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2015年2月 9日 (月)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」 第10回「丸の内東映」&「丸の内東映パラス」 マヌケな今の館名を元に戻して出直せ。過去の遺産でのみ喰ってる情けない大満州東映よ。

Dscf5378   東映ほど後ろ向きな映画会社はない。今の高倉健&菅原文太の追悼便乗営業を筆頭に、仮面ライダー、戦隊もの、各種アニメ、極道の女たち、あぶない刑事他、放蕩息子が田畑を売り払って生活してるように、過去の遺産をただ焼き直してるだけ。今現在をコンテンツ化出来ない。『北京原人』なる珍作の製作を主導、日本映画史に燦然と名を残すに至る岡田茂の馬鹿息子(元3流役者)、岡田裕介が世襲体制を確率するに従いその傾向は濃厚に。気付けば本社がある東映会館内の旗艦館、「丸の内東映」(定員510名)と「丸の内東映パラス」(定員360名)も、いつの間にか「丸の内TOE①」「丸の内TOEI②」なる、北京原人もフルチンで逃げ出すような間抜けな館名に改悪(北京原人は元々パンツ履いてねえか)。
  「丸の内東映」は東映の表玄関。『二百三高地』や『大日本帝国』をここの2階席で観ると、谷底から硝煙が沸き上がるような迫力があった(その2階席もいつの間にか閉鎖中。本来の定員は700名以上では?)。地下の「丸の内東映パラス」は、輸入ポルノ(いわゆる洋ピン)とホラー映画専門で、その筋のマニアのメッカ。初期はチャンバラ、以降は暴力とエロで喰い繋いで来た東映という映画会社の、銀座ショールームとしては申し分なかった。90年代には「丸の内東映パラス」を2分割してた時期も。常に鮮血・裸・グロ・アニメの看板が乱立、この一角だけは田舎の祭りでのお化け屋敷状態。本家銀座のド真ん中にありながら、今やシャッター通りと化した、地方のニセモノ銀座通りを連想させた。
Dscf5382s うさん臭いお祭り感覚は既に今では皆無(筆者による愚写真参照)。現在の東映は過去の遺産部分を除けば、出来損ないの垢抜けないミニ東宝。築後半世紀以上になる堂々たる東映会館(同会館開館記念映画として、大川橋蔵主演の『海賊八幡船』までが60年に公開)。映画館部分を中心に何度も改修を。ただ東宝のシャレた都会感覚とは元々無縁なのに、若作りするから券売所からして百姓臭い(窓口の姉ちゃんの多くも)。正面も柄にもなくお澄ましカラーで統一、ワクワク感ゼロの館構えだ。ギンギラ原色感覚のどこが悪い?   東映の原点は満映。その引き揚げ者就労対策のために設立されたのは有名(当初は東横映画)。満映と言えば大杉栄や伊藤野枝、親戚の子供まで虐殺した、甘粕正彦元憲兵大尉が理事長として牛耳った国策映画界社(当人は敗戦後に服毒自殺)。元々粋がったりシャレてられる血筋ではない(国策会社だから関東軍同様、民間人置き去りにして優先的に逃げ帰ったのか?)。
Dscf5385s 昔話はさておき、筆者はこの不愉快な名称の映画館に良く通う。毎日利用する東京駅から近いので(「フィルムセンター」が駄番組の際は特に頻繁に)、一駅区間140円の交通費節約と健康のためテクテク。近所にはもっと立派で清潔な東宝系の日劇、松竹系のピカデリーもあるのに、なぜこちらを選ぶのか?  理由は簡単。実写、アニメ、邦画、洋画を問わず両館は常にガッラガラ。年寄りは人混みが苦手でね。②に行く場合が多いが(常に最終回)、観客数に関しては自信を持って断言する。99%の割合で20人代だと。つまり定員の1割以下。時には1割以上入ってるハレの日もないではないが、20人以下の日に比べると稀もいいトコ。なのにやぼったい姉ちゃん揃いの窓口でも、他館と同じく席を指定させる。させる方もする方も空しさ100%。コレでも潰れない東映。満州から金塊でもコッソリ持ち帰ってたのか?
  向かって右側の本社入口は、警備員がやたら横柄で評判が悪い。たまに試写室に行くと、「どちらへ行かれますか?」とチンピラ風の糞ガキが誰何。他の映画会社の試写会では有り得ない景色。幹部の防衛本能が奇形的発達を遂げ、現場に波及してるのだ。先人の努力の結晶を喰いつぶしてる無能連中ほど、自分たちの蔵に何個もの鍵を掛ける点が興味深い。(つづく)

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2015年1月13日 (火)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」 第9回/「ギンレイホール」差別や偏見とは無縁な公平で温厚な老映画マニアが最も嫌う名画座への屈折した恋文

  本連載を1度でも斜め読みした経験があれば(執筆者&担当編集者しか読んでないとは絶対思いたくない)、筆者が物事を偏見に基づいて判断する人間とは、誰1人として思わないはずだ。観念でしか存在しない中立的立場に立つなどとは毛頭言わないが、人種・出自・性別・主義・宗教を価値基準の根本とする、”アベシン風在特会的思考”の持ち主とは、最も無縁だとの自負が。過去の“大好評大河連載”の題名を思い起こして欲しい。「池田大作より他に神はなし」だ。極右”ナチスの手口”内閣の暴走エンジン、創価学会(公明党)のビッグ・ブラザーに対しても、決して敬意を失わないこの真摯さ。我ながら自分を素直にほめてやりたい。だが世間には極端な考えの持ち主も。筆者を”歩く偏見”扱いする人さえ現に。特に地元飯田橋の名画座「ギンレイホール」への評価は、知人で書評家の岡崎武志にも「極端すぎます!」と大ヒンシュクを。還暦を迎えるまで自らを温厚で公平なヒューマニストとずっと確信。昨年、面と向かってすずらん通りの「上島珈琲」でそう言われた際は、内心大々ショック!(お前はもらいっ子だと、15歳の誕生日に両親に告げられた少年の気分)。
Dscf5039_2  「ギンレイホール」。定員206名。入場料1500円(主として洋画2本立て)。老いぼれ割り引き1000円。並の名画座だ。特に場末の初老男から恨みを買う点はない(自分で言ってりゃ世話ねえよ)。上映作品は学生&OL趣味というか、こぎれいな恋愛映画や「岩波ホール」落ちの、海の彼方の社会派映画がメイン(絶対安全地帯評論家、堤未香趣味?)。気取りやがって! 確かに肌に合わない。が、それは上映する側の勝手。観る側も嫌なら行かねばいいだけ。「余は何故この名画座をここまで憎むに至りしか?」(眼を閉じて沈思黙考)浮上したのがウディ・アレン。特にファンではないが、他の館がいい番組を組んでない夜は、頻繁に上映するここへ(年に1度程度)。その度に99%不愉快な思いを。俺の顔を知ってる従業員が敢えてやってるとの、妄想モード入り寸前の驚くべき客観的数値だ(?)。憎悪への道への冷静な回顧を。
 (第1段階)。券売所の従業員が男女の区別なく不細工で無愛想。昔っから。不細工か否かは主観的問題だが、愛想の無さは絶対的かつ破壊的(「シネマヴェ-ラ渋谷」や「早稲田松竹」の対極)。客を見下し、私物をタダで見せてやると言わんばかりの傍若無人さ(一昔前までの「岩波ブックセンター」の従業員に酷似)。入れば入るで同類のチンピラが、「そこの方もこちらに並んで下さい」と、客を横柄かつエラソーに強制教育指導。どうせガラガラなんだし、いちいちうるせえよ糞野郎。徹底教育されてる「新文芸坐」の従業員ならこうだ。「次回お待ちのお客様、2列にお並び下さい。尚、お席は充分にございます」神楽坂の馬糞のように、ソファで読書してる老人にまで御指導に及ぶ事など絶対ない。たかが映画館の切符売りや便所掃除見習いが、年長者にインチキ道徳まで説くんじゃねえよ。ペッ!
 (第2段階)。ドチンピラ様方の御指導・御鞭撻でやっと入れてもらった場内。日活ロマンポルノを上映してた頃に比べ、確かに清潔になった。ただ建物の基本構造はそのまま(どう見ても築半世紀は経過した、「銀鈴会館」1階。上階は雑居ビル)。天井の低さとシート列間の狭さ、椅子自体の小ささで凄い圧迫感。この小屋に来る度に、閉所恐怖症がどういうものかを実感。更に右側に焼き肉定食の香りを漂わせたハゲ親父、左側に安香水をプンプンの醜女が座ったりすると、連合赤軍、いやイスラム国級のステレオ式リンチ。即刻帰りたくなるが、入場料1000円がそれを押しとどめる。人間椅子状態でニンニク臭いアレンを満喫後(……)、地下のトイレへ。無論館側の責任ではないが、ここでは必ずパンツを濡らす。小便切れが悪くなって大分たつから、放尿終了後はプロペラ状にブルンブルン回転させるのだが…。この小便切れの悪さは、(第3段階)にカウント出来るのかも(説得力ゼロ)。人間(映画館)どこで冤罪にはめられてるか、分かったもんじゃないな(お前が言うな!)。
2_2  番組センスの悪さ、従業員教育の欠如は確かに館側に責任の一端が。ただそれ以外の建物構造、客質に関しては言いがかりに近い面もあると、書いてて自らチョロリ反省。けれど最初の2つこそが、映画館の根本なのは本当。建物構造や客質は館側でも勝手に変更したり選べないが、上映番組や従業員教育は今日からでも出来るはずだ(数行前の反省はホラ)。ただゴールデン街商法と言うか、何の商売でも威張られるのが好きな客もまた多い。「ギンレイホール」はそういう懐の深いお客様に愛されてる映画館なのだと理解すれば、同館大嫌いの俺にも至極納得が行くのだった。(塩山芳明)

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2014年12月 8日 (月)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第8回/「シネマヴェ-ラ渋谷」 渋谷に出向く唯一の理由がこの映画館の存在だが不満も。

2  渋谷という街は高齢者と縁が薄い。実際、繁華街を歩き回る中高年も極端に少ない。大人を引き付ける施設が少ないから当然だ。食事にさえも困る。脂っこさと低価格が売りのチェーン店ばかりで、和食系の店はほとんど見かけない。新旧の個性的映画館も多くが閉館、更に縁遠い街になり視野から消えた。事情が変化したのは5~6年前。円山町ラブホテル街ド真ん中の「シネマヴェ-ラ渋谷」(ビル4階)が、積極的に旧作邦洋画を2本立てで上映開始。同じビルには「ユーロスペース」(封切館)や「映画美学校」も入居、今やラブホテル街の映画のメッカ。入場料は一般1400円、老人1000円、学生800円。会員になれば料金割り引きの他(一般が1000円に)、9回通うと1回無料の特典付き。「神保町シアター」や「ラピュタ阿佐ヶ谷」に比べても、良心的料金設定だ。

 安い上にうれしい点が2つ。まずは途中入場に寛容な事だ。各種サービスにぬかりのない「新文芸座」でさえ、上映開始後30分以降の入場は禁止(俺は後方からコッソリ入るが)。「神保町シアター」は更に厳しく開始後20分で入場アウト。「ラピュタ阿佐ヶ谷」は完全予約制だし、従業員が上から目線の「ギンレイホール」では、途中突撃には相当の勇気が(HPに開始後の入場制限は特に記してないが、終映前30分以内の入場はご遠慮をと。席の取り合いでの鑑賞ムード破壊への憂慮か?)。ヴェ-ラは一番気楽に途中から見物可能。ただドアを閉める際は、最後まで把っ手を手離さないように。安普請のせいか閉じる際に「ドスン!」との轟音。途中入場者たる者、他の客に迷惑をかけるのは御法度。

 もう1つは美人揃いのモギリのお姉さんが、非常に親切な事。「神保町シアター」窓口も美人は多いが、いかにも訓練された営業スマイル的接客(2人のうち1人が必ず美青年なのも、腐臭オッサンには不愉快。若い女性客の多い「神保町花月」対策だろうが)。数人いる女性はぎこちない面もあるが、常に客の立場で対応する点に好感を。先日も最終回の1本でポイントカード招待を利用しようとすると、親切お姉さん軍団の1人からの優しい御言葉。「ご使用になられるのなら、2本観られる際の方がお得ですが…」即従ったのは言うまでもない(60を越えると、こういう際の機転が効かなくてのう。ゴホンゴホンゴホン)。自分の利益にならない事には一切無関心な風潮の、安倍ナチス在特会内閣下に咲く白百合の花束とでも言おうか(絶対オーバーじゃない!)。

  ここからは苦言。チラシ(プログラム)「シネマヴェーラ渋谷通信」を何とかしろ!(最新号の映画史上の名作特集で143号目)二つ折りで入場料の割に豪華だが、昔から特集開催年度が未記載。最低最悪! 筆者はこの種の紙物の保存癖があるが、西暦が入ってない物は穴開きコンドーム同様(天皇制・元号制即刻廃止論者だが、正直元号でもあった方がマシ)。「神保町シアター」「新文芸坐」「ラピュタ阿佐ヶ谷」、いずれも99%のチラシに明記(3館共に西暦派なのもうれしい。あ、「フィルムセンター」もだ)。多分担当者は若く、過去の歴史も頭に入ってるのだろう(スクラップしてるとか)。けどよ、そっちは分かってもこっちは、去年どころか半年前の記憶さえ消滅。上映する側の都合ではなく、モギリのお姉さんのように、観る側の立場で対応を。岸田森特集とか個性的企画も多い。もっと自分たちの仕事に誇りを持ち、後世に”記録”を残すべし(詩人の荒川洋治が、各地の文学館の企画展パンフ・ポスターに関して似た意見を)

1   座席が連結式で落ち着かない、スカしたトイレが実用的でない、チラシデザインが「ラピュタ阿佐ヶ谷」他に比べて泥臭い等、ケチはいくらでも付けられる(腐臭爺さんの特技)。でもモギリのお姉さんの笑顔でグッと我慢。我慢し切れないのが西暦未記載問題。作る側だって入ってた方が便利なはずだが……。ラブホテル街なので,行為の前後と思われるカップルとも度々遭遇(両者の股間が糸を引いてる場合も)。年がいもなく嫉妬で胸が全焼する時もあるが、こりゃ映画館の責任じゃないな。(塩山芳明)

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2014年11月10日 (月)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第7回/「フィルムセンター」(後編) 死に損ない老人どもの痴呆映画論を強制拝聴させられる京橋映画地獄へいらっしゃい!

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  センターの入場料は520円。老人割り引きは民間映画館より5年遅く、65歳からで310円(大学生・高校生も同額。なお、筆者の辞書に“シニア”なる恥語は存在しない)。図書館等のあらゆる公共施設が今はそうだが、ココも貧乏老人の溜まり場に。それ自体は問題ないが、耐えられないのが一部お喋り老人の存在。基本的に日に2度、ないし3度上映されるが(企画によって相違が)、話を漏れ聞いてると朝からずっとという人もザラ。余程家で邪魔にされてるのだろう。筆者は夜7時からの上映に行く場合が多い。30分前の開場。この30分間の読書タイムが心地良い…はずだったが、ここ数年の館内説教放送の増加でぶち壊しとは前回書いた。アホ役人の尊大な道徳的指導者面も不愉快千万だが、“溜まり場の老人”の傍若無人さも、裏金公安警察の別働隊との見方も多い、例の在特会真っ青だ。

 コノ種の老人はとにかく暇。並ばなくても座れるのに(定員310名の大ホールが満杯になったのは、個人的体験によれば『日本暗殺秘録』の時だけ)、警備員や職員に馴れ馴れしい態度を示しつつ、列前方ででかい面(元々が全身が貧相なので、当人の“意志”は周囲に伝わらないが)。開場するなりいそいそと、自分だけで勝手に決めてる“指定席”へ(脚をずってるのに、他の客を押しのける腐れ爺さんまでいる凄惨な光景だ)。マレに他の客に指定席を奪われると、ガラガラなのにすぐ横に着席。「落ち着かねえなあ、いつもの席じゃないと。もう長くねんだし、映画くらい落ち着いて観たいよ。若い人はまだ先があるんだし…」とか何とか、嫌みのオンパレード。「あ、イテテテテ。冷えるせいか今日は脚が痛む」昨今の若者でこのダメ押しに耐えられる者は皆無。指定席をつつがなく(?)確保すると、後は仲間の到着待ち。周囲の者が“京橋映画地獄”に叩き込まれるのはこれから。

 「あん時の上原謙の演技はどうも陰気すぎてねえ」「やっぱり佐分利信や佐野周二に比べると投げ遺りというか……」「戦後の清水宏監督はもうひとつぴりっとしないね」「喜劇の斎藤寅次郎監督に比べればずっとマシですヨ」「島耕二なんてそういう意味じゃ一番ひどい」「原節子もやっぱり100まで生きるのかね?」「山口淑子ももう一息で……」センターには広いロビーもある。指定席を確保したら、下らない仲間同士のお喋りはそっちでやって欲しい。しかし幾つかの老人グループは、静かな館内での無駄話に執着。難聴気味の老人は一般に大声だから、説教館内放送と並ぶ騒音公害だ。

 筆者だけの思いではなかった。館内で携帯を用いたりすれば、「外で話せ!」と即一喝する。ただ普通の会話自体は自由(当然だが)。騒音公害老人映画鼎談に耐えつつ、悶々と集中力を欠く読書に打ち込もうとしていると、50代位のオッサンが叫んだ。「うるさいぞあんたら大声で! 喋るんなら外のロビーで話せ!!」さすがに一瞬静まり、周囲の老人も散る。が、ボス気取りの爺さんはポツリ(正面切って怒鳴り返す程の度胸はない)。「別に話をするのは禁止されてないよ。ブツブツ…」無論、翌日からはすっかり元通り(50代のオッサン、カンバーック!)。最近やっと気付いた(鈍感!)。老人らは多くの人間に自らの“映画論”を聞いて欲しいのだ。同じ境遇の老人がたむろってるだけのロビーじゃ駄目。若い女性も男性も、そして婆さんもいる館内でなくてはならない。

 無論、類した騒音公害老人は「神保町シアター」でも「シネマヴェ-ラ渋谷」でも、「新文芸坐」でも見かける(若いOLがメインの、「ギンレイホール」には絶無)。しかし、人数・声量・不潔(悪臭派も一部に)さはセンターの老人集団が圧倒的。公の施設だし遠慮する必要はないとの意識に加え、団塊派老人はより自己主張が強烈との一面があるのかも。同世代老人は何かと“俺様振り”が悪評高いが、一方でサバイバルスピリッツは見倣う必要があると感じる時も。

 例えばセンターは館内飲食禁止。食事禁止なのは分かるが、客層に高齢者が多い中、飲み物まで許さないのは官僚的過ぎると昔から。暗闇での上映が開始されると、自分も含めてコッソリ飲む人も多い。が、休憩時間は警備員が発見すると即注意を(昨今は帽子着用客にさえ警告。ガタガタうるせんだよ! 「国立京橋道徳説教センター」か?)。そんな環境下、老人たちは周囲に迷惑顔をされたり、文句言われながらも大声で映画談議を30分も(朝からだと数時間以上のはず)。筆者はもう1度高血圧で倒れると、まず助からないとの医師の保証付きの身体(3年前にくも膜下出血を)。特に長生きをしたい訳ではないが、この太々しく騒々しい世代の先輩老人が待ち受ける、地獄だか天国だかにはまだまだ行きたくない。(塩山芳明)

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2014年10月 8日 (水)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第6回/映画好き金満説教役人の地上の天国「フィルムセンター」よ永遠に!?(前編)

2   筆者が「フィルムセンター」(通称FC)に通い始めたのは、実はついこの6~7年。70~80年代のFCの悪評は伝説的だった。『キネマ旬報』他の映画雑誌も、誌面で直接攻撃はしないが、読者欄には具体的な不愉快体験をワンサカ掲載(大人の事情で編集者も工夫したか?)。圧倒的だったのが従業員の態度の悪さへの批判。当時はまだ安月給だったニッポン公務員は、概して無愛想。役所の窓口他で、それに慣れてるはずの人々が激怒するレベルだったのだ。糞野郎共がでかい面してる施設など、死ぬまで行くまいと妙義山に誓った(自宅裏から望める)。しかし出版不況も万年化、主義主張に拘泥してられる身分ではなくなる。その頃だ。映画友達が、「東京駅経由で通勤してるなら、FCに行かない手はありません。1本500円ですし、従業員の態度も最近はそう悪くないです」にわかには信じ難かったが(完全に洗腦済みだった)、モノは試しと通い始めた。奇峰・妙義山に謝罪しつつ。
 その通りだった。案内のオッサン、モギリの熟女も不自然なまでの笑顔で愛想満点。前者など場末のホストクラブの呼び込み風で、尻の辺りがこそばゆいほど。熟女も人によっては萌えるはずだ。「噂と全然違うじゃん!」やはり情報は現場で確認せねば(無節操な奴!)。無論昔の批判が嘘と言う訳ではなく、次第に待遇面で特権化した現代の世襲貴族階級・ニッポン公務員の、表面的防衛本能だろう(いざとなれば、生活保護申請窓口がそうであるように、即警察頼みで本性を暴露するはず)。理由はともあれ、帰宅前に500円(今は520円)で、古典映画を大画面で体験出来るのは貴重。定員310名の大ホールは椅子も豪華で、さすがにピンボケ他もまず無い(逆に地下の小ホールは館構造も椅子も最悪の不良品で、事情通はまず行かない)。他館で観たい映画を上映してない夜も、FCに行けば安い暇つぶしが出来る。初めて納税してる見返りを感じたのも本当だ。
1  そんな幸福感に包まれていたのも最初の半年程度(やっぱりね!)。厚化粧の下の醜悪な本性が次第に見えて来る。まずは関係者のゴキブリ並の数の多さ。1階正面では定年まぢかと思われる、スーツ姿のオッサン従業員が愛想良く迎える(警備員の場合も)。左手の受付には、熟女かオッサンが1人ないし2人でボケ-(息する案山子か?)。右折してエレベーターに。前にも警備員。2階の受付にはお待ちかねの熟女コンビ。1人で充分なのにご丁寧なこってス。横にはまたも警備員。半券もらって入口に向かうと、若めのスーツ姿の従業員がニヤニヤ。入ると別の警備員が館内をウロウロ(館内飲食禁止なので)。数学が苦手で合計人数は不明だが、裏方もこの調子なら一体幾匹が、いや幾人がFCに寄生を? 反原発デモでの機動隊の尊大な過剰警備を見る度に(下手するとデモ参加者より多い!)、しばらくはFCのロビーを連想した。
 暇と金を持て余した役人くらい始末に置けない存在は無い。選民意識200%の連中がまず始めるのが、納税者へのエッラソ-なお説教(緊急用防災無線をカラオケ化してる、地元富岡市の痴呆役人とソックリ!)。最終上映は6時30分開場で7時からの上映。その間の30分を、筆者は落ち着いた読書タイムに。BGMも流さないし(見識!)、携帯他へのマナー注意放送も上映開始直前の1回のみ…だった。というのも今は、説教放送が10分置きごとに3回も繰り替えされるのだ! アンケート箱に、住所を書いて抗議の投書したがナシのつぶて。何の為のアンケート?(無論予算消化のためだ)追い討ちをかけるように、3回放送の合間に警備員が地声で放送と同一内容の説教を始める始末。「うるせえぞ糞馬鹿野郎!」忍耐強い方だがさすがに怒り爆発。警備員を一喝するだけで無く、2階のスーツ野郎に猛烈抗議。以降地声説教は中止になったが、3倍化された説教放送は今でもそのまま。毎週の月曜の休館日以外にも、FCは異常に上映休止期間が多いのでも悪評高いが、筆者にはこの説教放送の方が数倍苦痛だ。
 客もFC側に負けてない。
(つづく)
(塩山芳明)

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2014年9月 5日 (金)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第5回/池袋東口風俗街ド真ん中の文化発信基地「新文芸坐」ヘの道。

  2014年8月20日(水)~29日(金)“役者生活60年 石橋蓮司映画祭”。今時こんな奇特な特集やってくれるのは、三原橋の「銀座シネパトス」なき後は、「ラピュタ阿佐ヶ谷」か「シネマヴェ-ラ渋谷」、そしてココ「新文芸坐」(池袋東口)しかない。高倉健、三船敏郎、勝新太郎、中村錦之助、小沢昭一、仲代達矢…新旧のオッサンスターや、個性的脇役の特集上映が1年中テンコ盛り。荒木一郎だ渡瀬恒彦だ、あるいは園子温監督、中村登監督には絶対に流れない、泥臭くて悪いかという“池袋のプライド”がプンプン。上映する側の趣味よりお客さまの好みが第一。背筋がピン。
 2本立てで入れ替えなし。一般1300円、学生1200円。老いぼれ割り引き1050円。友の会のポイントカードは、8ポイントで1回タダ(以前は10ポイントにつき1回タダだった。会員入場料を消費税アップに伴い、50円上げた際の措置と。どこまで良心的なんだ)。気取ってる割に強欲で血も涙も無い、「岩波ホール」や「神保町シアター」、前者の下請け風な「ギンレイホール」に比べ、まさに地上の楽園。開映後30分過ぎた入場はご遠慮をとチラシにはあるが、ほとんど黙認。この点も「シネマヴェ-ラ渋谷」を見倣い、野性的な池袋らしく完全自由化すべきだ(俺のような遠距離通勤者は、電車の都合で途中入場せざるを得ない日も。場合によれば2回通って1本を観終える上客でもある)。
Dscf3127  写真を見ればお分かりのように、パチンコ屋「マルハン」グループビルの一角に同館はある。赤字覚悟の文化事業であろう(場所は旧「文芸坐」跡地)。8月一杯で閉館した、ガード下の「新橋文化」と「新橋ロマン」のオーナーもパチンコ屋を経営と。両映画館の1ヵ月分の売り上げは、パチンコ屋の1日分にしかならないとのゴシップを以前聞いた。出来過ぎな感もあるが(数字の語呂が良すぎるぅ!)、両館にも頻繁に通ってた俺には、さもありなんと納得(後者の場合、最終回は普通でも3~4人。1人の場合もザラだった)。和田アキ子をマスコット婆さんにしてるうちは大丈夫か? しかし、カジノが出来て親会社の売り上げが激減した場合は?「新文芸坐」の将来が心配で心配で夜も眠れない昨今……(その頃はもうくたばってるっつーの!)。
 館内は暗く、映写状態も旧「文芸坐」とは大違いで安定。椅子がやや固いのが難点だが、「シネマヴェーラ渋谷」や「フィルムセンター」地下と違い、左右と連動してフラダンスは踊らない。問題なのがトイレ。造りが妙にシャレてて、小便器の数が少ないのには往生(休憩時間はたちまち、旧ソ連の食料品店並の長蛇の列が。初老客は尿意が我慢出来ない!)。濡れた手乾燥機の騒音もチョ-不愉快。「神保町シアター」そっくりのスカしたトイレは、池袋東口の名画座にはそぐわない。グッドアイディアが。同業者のよしみで「新橋文化」と「新橋ロマン」の、昭和30年代風トイレをそっくりもらいうけ(白いタイル&便器を基本としたオーソドックスさが粋!)、トイレスワッピングを躊躇なく実践するのだ。これでヨイヨイ老いぼれも一安心!(やっぱし駄目かい?)
Dscf3131  池袋駅から徒歩5分。「ヤマダ電機」や「ビックカメラ」裏手風俗街の、一番目立つ4差路角。女性客は行き帰りがチョイ怖いかも。よりJR線路寄りで細長い池袋駅前公園は、金銭がらみのナンパの名所として有名。奥はラブホテル街。風俗店こそないが、円山町ラブホテル街の「シネマヴェ-ラ渋谷」と、立地環境は酷似。客筋はかなり異なる。アンケートを取れば、「新文芸坐」の客筋は「シネマヴェ-ラ~」より、20歳は高齢な点が明らかになろう(推測で断定)。高齢客の1人である筆者は、「新文芸坐」に行く度に新宿にあった「昭和館」や、六区の「浅草新劇」を連想。両館共に男色家・女装者・老娼婦他が徘徊する異空間だった。幸か不幸か今のところ同館は、その事態を免れている(「新橋ロマン」も最後まで男色家の気ままなハントが横行、ノンケ客は実に落ち着かなかった)。
 マルハンの経営姿勢・従業員教育の成果だろう(あの明るく清潔なトイレでは、ハッテン場になろうはずもない)。館関係者以外でも、エレベーターで一緒になる従業員は、男女を問わず実にハキハキ態度良し。ロボット調で非人間的な程だ。自衛隊に体験入隊?(これまた勝手な推測)最初は近頃の若い者にしてはと感じ入ったが、次第に無気味に。同館、かつての「銀座シネパトス」同様、今も敗戦記念日前後には必ず反戦映画特集を。そういう貴重な「新文芸坐」で見る軍隊調従業員には(館関係者は割と普通)、正直違和感が拭えない。徹底した経営方針で利益を上げてる企業にしか、もはや文化事業は行えない時代なのだろうが。1050円で2本立て映画を見物させてやっても、トイレや従業員にまでケチを付ける、死に損ないフーテン老人もいるし。文化事業は経済的にも精神的にも忍耐か?(塩山芳明)

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2014年8月 7日 (木)

「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第4回/安い!親切!清潔!「早稲田松竹」の唯一の泣き所とは?

Dscf2505  体験した映画の印象で、映画館のイメージ自体が左右される場合がある。「早稲田松竹」(定員153人)は長い間、筆者には陰気映画館の筆頭だった。学生時代に観た『沈黙』(監督・イングマール・ベルイマン、'53スウェーデン)の、陰陰滅滅たる夜のムードが払拭出来なかった。昔のオンボロ建物で観たせいもあるが、シャレて明るい今の造りになっても、イメージ一新とはならなかった。“蛍光灯”が不要になったのは、同館が盛んにタルコフスキー作品を上映するようになって以降。青い水のイメージが、陰気な夜のムードを次第に消して行った(誰もが抱く印象は同じらしく、タルコフスキー映画のポスターやチラシは、やたらとアイ版が溢れ返っている)。
Dscf2498  ベルイマンやタルコフスキーの名前を出すと、名画座の保守本流と言うか、ド退屈な「岩波ホール」の2番館と化した、「ギンレイホール」他を連想する人も居よう(耳学問でしか名画座の存在を知らない、田舎映画マニアは特に)。大きな間違いだ。同館はそんなチャチな映画館ではない。例えば今年の7月。中盤までは「ギンレイホール」っぽい新作洋画の2本立てだが(例えば3週目は、『ダラス・バイヤーズクラブ』&『アメリカン・ハッスル』)、20日以降は鈴木清順監督特集を2週連続で。間にテオ・アンゲロプロスを挟んで(不眠症の人は必ずアンゲロプロス映画に挑戦すべし)、今度は岡本喜八と来る。“分裂症名画座”。尊敬の念を込めて筆者は、「早稲田松竹」をそう呼んでいる。
 またも銭金の話題で恐縮だが(心にもない謙遜)、入場料も実に良心的。老人割り引きはたったの900円!(に……2本立てなのに)。大人一般1300円。学生1100円。ラスト1本800円。1本で1200円強奪する「神保町シアター」が、かつての有楽町映画街の巨大豪華劇場、「日比谷劇場」や「スカラ座」に見えて来る(入場料のみだが……)。更に従業員の接客態度は、男女を問わずに非の打ち所なし。比べるのもはばかられるが、「丸の内東映」(今の館名は絶対口にしたくない)の女性従業員など、やさぐれた女壺振りにしか見えない。トイレも清潔だし、悲惨な映写状態で見物させられた記憶もない。チラシラックも新作・特集上映・映画館別・芝居他と見易く整理。「神保町シアター」「ギンレイホール」「岩波ホール」他と違い、ピンク映画専門館「上野オークラ」のチラシも、差別せずに並べてる点も立派(「新文芸坐」「新橋ロマン」もだが)。
 館の敷地構造のせいか、画面に向かって右側のシートに座ると、スクリーンが平行四辺形ぽく見える。気になる人は左寄りシートへどうぞ。ただ館内に傾斜がないから、左側だと前の客の頭が時には邪魔だ(殴るのはなるべく避けたい)。いずれにせよ、900円しか払わない白髪頭には大した問題じゃない。ただこの世に楽園がないように、「早稲田松竹」にも泣き所はある(比喩にかなり無理あり)。しかも、これは館側がいくら努力しようが、未来永劫容易には解決不可能かも。
 客の質が悪すぎるのだ。懐かしの「浅草新劇」や「新宿昭和館」のように、悪臭老人が喫煙や放屁を繰り返したり(同性の股間を狙ったり)、酔ってゲロを吐き散らす訳ではない。逆で、客の大半は流行のファッションに身を包んだ、こぎれいな若者。多くが学生や専門学校生と思われるが、この連中のマナーが最低最悪馬鹿丸出し(お前の母ちゃんデーベーソー!)。
 上映中に携帯を光らせる愚か者発生率は、都内映画館中でもナンバー1。「新橋ロマン」や「新文芸坐」でも比較的多く見掛けるが、注意すればすぐに止める。「早稲田松竹」の携帯使用客が救えないのは、妙に反抗的な点。生来謙虚な筆者。驚かれるかも知れないが、注意する際も「このド腐れブス、携帯消さねえとオマンコガタガタ言わしたるど!」などとは絶対に口にしない(言いたいのは山々だが)。「まぶしいですよ」この一言。なのにすぐ切らず、1秒でも長く己のプライドを保持しようと必死(結局は止めるのに)。安倍首相級の携帯白痴客は、男女を問わずにここの特産物。
Dscf2495  過保護で社会経験も少ない彼等は、親や家族に注意された体験自体が少ないのだ(ほとんどが田舎者。東京先住者ヘの対抗心も?)。ましてや相手は、見知らぬ白髪頭のアバタ爺さん。世界で一番大切な自らの誇りを、あくまで捨てまいとけなげに脂汗を。けど、「うるせえ糞ジジイ!白髪頭の生皮剥いだるぞ!!」と、居直るような度胸もない。将来は立派な兵隊さんや従軍看護婦になって、安倍ファミリーに忠義を尽してくれるでしょう。気分直しには、前の道を隔てた中華の「秀永」がお勧め。値段は特に安くはないが、量が多くて味も奥深い。清潔で明るい店内は、どこか「早稲田松竹」を思わせるし。ただ少々時間がかかるので、急いでる場合は並びの「小諸そば」で我慢を。(塩山芳明)

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