サイトウの酒田発・大震災日記 4月25日
先の見通しが全く見えない緊急避難。
何の確証もない東電発表の工程表。
自分の家なのに立ち入り禁止で罰金。などなど。住民の怒りと不安は収まることはない。
原発は国策だが、国策に限らず国家は弱い者の意見をないがしろにする。反対意見には耳を貸さなくなる。国家がいうことは全て正しい。核をコントロールするという人間の自負。絶対に大丈夫だと見切り発車する。
ここに資料はないが、東電は国の審議会で「1000年前に起きた大地震が再来する」という専門家のさんざんの指摘に対し真剣に取り上げなかったとの記事を3月終わり頃の毎日新聞で読んだ。だから、東電が繰り返す「想定外」は言い訳に過ぎないという説得力のあるものだった。
国鉄の分割民営化の時も然りだ。国を二分した大議論にも関わらず国策により断行された。分民は利益追求に走り安全が脅かされると組合はさんざん指摘したが、国は聞く耳を持たなかった。その結果が今日で6年目のJR福知山線の大惨事だ。
国は「一人も路頭に迷わせない」「組合差別はあってはならない」と約束したが、全て嘘だった。20数年間にわたり私たち関係者を苦しめ、人生を台無しにした。愚直さが仇になること自体おかしいが、うまく立ち回った強いものたちはもう忘れただろう。ひどすぎる仕打ちを受け続けた弱者は死んでも忘れない。
最悪のレベルになったことについても、チェルノブイリのように死者は出していないなどといっていた。多くの家畜を餓死させ、広範な土壌や海を汚染して、自然をこれほどぶち壊しておきながら殺していないといえるのか。
また一国の総理菅直人がぼろくそにいわれているが、これまで原発を推し進めてきた自民党政権の悪人たちこそまず先に引っ込んでほしい。
被災地の人たちは支援に対してはただただありがとうと感謝の気持ちだけを述べている。復興に立ち向かっている人たちもまた、負けてはいられないと笑顔を見せながら奮起している。
が、しかし。本当は悔しくて辛くて、皆々悲しくてどうしようもないのだろう。
「日本は強い国」「日本の力を信じてる」とテレビでいつもやってはいるが、信じてないよ。信じていない国民はおれだけではないはずだ。きっと多いと思う。
酒田の桜はやっと満開になりました。(斎藤典雄)
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