●サイテイ車掌のJR日記/染みついてしまった4時間睡眠
○月×日
私は毎朝4時から5時には起床する。それは休みの日でもだ。従って、寝るのも早い。普段は9時頃には床の中だ。深夜の1時2時まで起きているのは夜勤の時だけで、例えば、1時頃の終点の高尾で「東京行きの上りある?」と、眠りこけて乗り過ごした酔っぱらいから呂律の回らぬサケ臭い息を吹きかけられると、自分も以前はそうだったくせに、「いったい今何時だと思っているんだ、バーロー」と蹴りを入れてやりたくなってしまうが、今回はそういう話ではない。そう、私は早寝早起きなのだ。
このパターンになって、もうかれこれ10年以上になると思う。ま、早寝の方は夕方頃から飲み出せば8時か9時頃にはダウンしてしまうわけだが、そうではなくて、早寝早起きに切り替えたのは一念発起してのことであった。
というのは、日勤の中でも早朝出勤の勤務の時だが、いつも目覚しで叩き起こされ、すっきりしない頭で出勤し、寝不足で仕事にならないことには閉口していた。というと、いかにも仕事を第一に考えているみたいだが、全くそうではない。まるで夜勤明けのようなぼんやりした状態で乗務をしているのが嫌だという以上に、勤務が早い分、終わりの時間も当然早いわけで、オフの自分の時間を有意義に使いたいという気持ちの方が大きかったからだといってよい。夜遅くまで起きて好きなことをしていたいのは山々だったが、それなら思い切って早寝早起きにしようという、理由はいたって単純なのだ。
で、このパターンが定着していつも思うのは、早朝はいい、ベリベリグゥだということだ。
今の時期は6時が過ぎてもまだ真っ暗だが、静寂に包まれ、清々しくて凛とするのは、1日のうちで空気がもっとも澄んでいる時間帯だからだろう。
同じ事をするにしても朝と夜では全然違う。朝の方が断然捗どる。それは、朝は十分な睡眠をとったからで、夜は一日の蓄積疲労の影響だというのはいうまでもないが、「人の身体はそういうふうに出来ているもんだ」と、私がまだ子供だった頃に田舎のジイさまがよくいっていたものだ。私は何よりも早朝は雑音がないのがいいと思っている。何をするにもとにかく集中できるのだ。
また、私は飲兵衛だから夜は飲んでホゲーッとしている以外は何もしたくない。何でも受け身になってしまい、頭を使うことはダメ、向いていないということもある。
ところで、今に始ったことではないが、最近また困っているのは夜中に目が覚めてしまうということだ。別にトイレに行きたいわけではない。
「ん!? またかな。た、頼むから5時頃であってほしい。せめて4時で」と思いながら手探りで枕元の時計を見ると、なんとまだ1時だったり2時だったりするのだ。また眠ればいいのだが、1度目が覚めた私はどういうわけかそれが出来ない。寝返りを打ったり、寝よう寝ようと試みるのだがどうしてもダメ。
「ああ、また今日も寝不足の1日か。でも4時間(もしくは5時間)は寝たのだし、こんちくしょう」と弱々しく呟きながら、ガックリとうなだれて、もぞもぞと起き出すのだ。
これっていったいどうしてなんだろうと思う。それはどうも仕事のせいだとしか思えない。夜勤の仮眠ではだいたいが4時間位で起きなければならない。それが身体に染みついているからではないのか。きっとそうだ。そうに違いない。
だが、しかし。そのまた逆もあるのである。6時か7時頃まで寝ていられる夜勤もあるのだが、そのような時は決まって5時頃には目が覚めてしまう。これっていつも早起きをしているせいなのか。
どちらもすごく損をした気分になってしまう。本当にうまくいかない。イライラしてしまう。頭にくるったらない。今日こそちゃんと眠りたい。
ん!? ただそれだけのことなんだけどね。(斎藤典雄)
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