「新・幻聴妄想かるたとハーモニー展」で、かるたの世界一になれました
以前レポートした、『幻聴妄想かるた』の作者である世田谷の就労継続支援B型事業所「ハーモニー」。
新たに制作された『新・幻聴妄想かるた』を紹介する展覧会が、千代田区の「アーツ千代田」で開催されています(9/7まで、金・土・日にオープン)。
先週日曜日に展覧会内で開かれた「メンバートークと新・幻聴妄想かるた世界一決定戦」に参戦してきました!
試合では「新・幻聴妄想かるた」を1チーム6~7人で囲み、いっせいに読み手の方へ目をみはり、耳を澄ましました。最初の読み手は写真家の齋藤陽道さん。最初に手話、次に声で読み札をあらわしてくれる彼に、みんな大注目。ちなみに奥山は手話がまるきりできませんが、3枚、4枚と読み札を重ねていくと「あ、わかった!」とひらめく瞬間もあり。みんなも同じようで、札が読まれた後に「はい!」という合図が出ると、札をとるバシッという威勢のいい音が響いていました。「はい」の合図がある前に札をとってしまうとお手つきになるので、「わかった!」と思っても、じっとガマン。たまらずお手つきする人もいて、会場は終始笑いに包まれていました。
3人の手強い読み手があらわれましたが、見よう、聞こうと思えば見えるし聞こえる、想像力が大事なんだと改めて考えさせられました。日ごろ接している人たちに対しても、本当はこのくらい真剣に聞こう見ようとしなければならないのかもしれません。チラッと見て、チラッと聞いて、終わりにしているような気がします。
そして気づけばチーム最多の札を手にしていました。3チームありましたが、それぞれ最多の人たちが等しく世界一! とのこと。最初は見学だけのつもりが、どんどんのめり込んで、いつも「ハーモニー」に関わっているだろう人たちを押しのけて世界一って……自分で呆れてしまいましたが、齋藤さんにシャボン玉で祝福され、なんだか幸せな気持ちになりました。
会場内には以前に取材をさせていただいた、今は故人である中村さんの似顔絵などもあり、今でもみんなに愛されていることを思うととても切なくなりました。中村さんは「若松組」という組織に追われているという妄想に苦労していましたが、組織は天国まで追ってきたでしょうか。
会場隅のテーブルには絵札も読み札もたくさん置かれていて、こちらはなんと、会期中にお客さんたちが描いていったものだとのこと。しかも、先に書かれて置いてある知らない人の読み札のために、絵札を描いていく人がいるというのだから、素晴らしい遊び心です。
残りの会期は9/5、6、7の3日間ですが、6日(土)7日(日)には日替わりトークショー「幻聴妄想ラジオ局」が、最終日の7日には「メンバートークと新・幻聴妄想かるたノンビリ大会」(14:00~)があります。かるたの絵を使ったトートバッグなど、限定商品も販売中。
秋葉原から徒歩7分、廃校を利用したギャラリーには他にもアートな催しがたくさん。詳しくは下記HPにて。(奥山)
「アーツ千代田3331」
http://www.3331.jp/
「ハーモニー」ブログ
http://harmony.exblog.jp/
主催「エイブル・アート・ジャパン」
http://www.ableart.org/
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