「初老男の旧式映画館徘徊~シネコンに背を向けて~」第4回/安い!親切!清潔!「早稲田松竹」の唯一の泣き所とは?


またも銭金の話題で恐縮だが(心にもない謙遜)、入場料も実に良心的。老人割り引きはたったの900円!(に……2本立てなのに)。大人一般1300円。学生1100円。ラスト1本800円。1本で1200円強奪する「神保町シアター」が、かつての有楽町映画街の巨大豪華劇場、「日比谷劇場」や「スカラ座」に見えて来る(入場料のみだが……)。更に従業員の接客態度は、男女を問わずに非の打ち所なし。比べるのもはばかられるが、「丸の内東映」(今の館名は絶対口にしたくない)の女性従業員など、やさぐれた女壺振りにしか見えない。トイレも清潔だし、悲惨な映写状態で見物させられた記憶もない。チラシラックも新作・特集上映・映画館別・芝居他と見易く整理。「神保町シアター」「ギンレイホール」「岩波ホール」他と違い、ピンク映画専門館「上野オークラ」のチラシも、差別せずに並べてる点も立派(「新文芸坐」「新橋ロマン」もだが)。
館の敷地構造のせいか、画面に向かって右側のシートに座ると、スクリーンが平行四辺形ぽく見える。気になる人は左寄りシートへどうぞ。ただ館内に傾斜がないから、左側だと前の客の頭が時には邪魔だ(殴るのはなるべく避けたい)。いずれにせよ、900円しか払わない白髪頭には大した問題じゃない。ただこの世に楽園がないように、「早稲田松竹」にも泣き所はある(比喩にかなり無理あり)。しかも、これは館側がいくら努力しようが、未来永劫容易には解決不可能かも。
客の質が悪すぎるのだ。懐かしの「浅草新劇」や「新宿昭和館」のように、悪臭老人が喫煙や放屁を繰り返したり(同性の股間を狙ったり)、酔ってゲロを吐き散らす訳ではない。逆で、客の大半は流行のファッションに身を包んだ、こぎれいな若者。多くが学生や専門学校生と思われるが、この連中のマナーが最低最悪馬鹿丸出し(お前の母ちゃんデーベーソー!)。
上映中に携帯を光らせる愚か者発生率は、都内映画館中でもナンバー1。「新橋ロマン」や「新文芸坐」でも比較的多く見掛けるが、注意すればすぐに止める。「早稲田松竹」の携帯使用客が救えないのは、妙に反抗的な点。生来謙虚な筆者。驚かれるかも知れないが、注意する際も「このド腐れブス、携帯消さねえとオマンコガタガタ言わしたるど!」などとは絶対に口にしない(言いたいのは山々だが)。「まぶしいですよ」この一言。なのにすぐ切らず、1秒でも長く己のプライドを保持しようと必死(結局は止めるのに)。安倍首相級の携帯白痴客は、男女を問わずにここの特産物。

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