寺門興隆を読む/2013年2月号
志茂田景樹、伊藤比呂美というものすごく豪華なゲスト執筆者を迎えている『寺門興隆』2月号、さっそくみだしを見てみよう。
養父養子住職訴訟/宗派の人件費/寺院墓地利権訴訟/動物供養課税判決/叙勲住職/宗教文化士認定試験/震災寺院公的支援/猫のいる涅槃図/寺族退職金/死者の行方
「人件費」「退職金」と、寺が抱える人にまつわるお金の話が2つも。以前、寺院の所得(?)格差が広がっていることが頻繁に記事にされた時期があったが、やっぱり逼迫しているのか。そんな心配をしながらも「歳出に締める人件費と管理費の割合は適正か」という記事をめくってみると、すごい。貴重な資料として後世に残した方がよいデータが目に飛び込んできた。なんと、計13宗派の人件費と一般会計の割合が事細かにまとめてある。予算額や災害対策費、宗議会費の割合までが赤裸々に記されている。ちなみに平成24年度の総予算額が最も大きいのは真宗大谷派。さすが、日本で最も信者の多い宗派。
ハードな記事を読んだ後は「宗教文化士認定試験」が気になる。昨年の11月で第三回目が終了したこの試験、日本宗教学会と「宗教と社会」学会が立ち上げたらしい。51問全問題と回答が掲載されている。難しい。特に外国の宗教のことが。51問、大まじめに解いてみたが正答率は半分程度で、きっと私は落ちるに違いない。コプト教徒やバハイ教のことなど、知らなければならないことが多いことが分かった。勉強せねば。
2つの記事を熟読した後は「涅槃図に猫がいるいない説法」で心をなごませる。猫は魔性のものなどとされ、涅槃図に画かれていることは珍しいという。しかし日本のそこかしこに、猫が描き加えられた涅槃図が存在するという。それは果たして何故なのか。読み進めていくと納得の結論。
ほかにも「豆まきは危険だという声にお寺は」「ワンコイン修行で寺興しに成果あり」など、惹きつけられる記事が今月も多かった。来月は大震災に、どう触れるか。(小松)
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