東京みくじ巡り/十番稲荷神社
十番稲荷神社は麻布十番駅を出てすぐ隣にあるアクセス抜群の神社だ。行ったときは酉の市の時期で特別商品(授与品)の売り出し(授与)が行われていた。普段はカエルグッズ(麻布七不思議・ガマ池の伝説にちなんでいる)や塩(黄金塩。ウコンで色づけされている)といったさまざまな開運商品が絶賛発売されている。酉の市と聞くと商売繁盛のイメージを思い浮かべるが、カエルお守りのバリエーションを見ると、どちらかというと旅行(無事カエル)や金運(お金がカエル)に強い神社のようだ。
肝心のおみくじだが、運勢はあまりおもしろくない。気になったのは、「失物 身近 高い処」。近くにある高いところというとタンスの上、クーラーの上、屋根の上、冷蔵庫の上。うーん。
今回の見所は、神の教。おみくじというと吉凶と個別運勢ばかりに目がいきがち。まぁ、それが知りたくてみくじを引くんだけど。私もいつもぱぱっと見て終わらせてしまうほうで、たまにおもしろいのがあれば読む程度。しかし、今回はまさに「私そう思ってたよ!わかる!」と大きくうなずいてしまった。
「苦しい時にはやれ神様と騒ぎ立てる。嬉しい時にはそれ神様と拝みたてる。が平穏無事の日をが続くと、ケロリと忘れて拝みもせぬ。」
辛いときは、「神様おねがい!」「神様お助けを!」。嬉しい時は「神様ありがとう」「やっぱり神はいた!」と、日頃は考えもしない神様に助けを求めて、うまくいかなければ「神様なんていなかったんや~」と恨み(失望)し、うまくいけば「神様のおかげ(まぁ、ほとんどは自分のおかげなんだけど)」と一喜一憂。
まさに、「ぱっと明って消え行くような、花火信仰じゃたよりない」だよ。私も今では現実主義だが、高校生くらいまでは、おまじない、占い、パワーストーン、ジンクス、霊などを信じるスピリチュアル女子で、何かあれば「神様、神様」の日々を送り、何もなければ願いすがった相手の存在などすっぱり忘れているようなやつだった。
都合のいいときだけ「神様」にすがるというのは、長い日本の歴史の中でもまれにもまれた「日本人の宗教との関わり」のせいなのだろう。現在の日本人は基本的に生まれたときから特定の信仰を持たない。正月には初詣に行き、クリスマスを祝い、死んだらお経を読んでもらい、結婚式は牧師に祝福される。教会に行けば厳かな気分になり、仏像を拝んで癒される。否定はしないが無節操だ。宗教や信仰に対して無邪気なだけなのかもしれないけど。
頭をガツンと殴られた気になったものの、神と共にある生活には慣れていないので花火信仰だとしても大目に見てほしい。(月島めぐる)
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