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2012年11月 3日 (土)

元・乙女のゲーム生活/ときめきメモリアル4

 はじめて購入したゲームは、スーパーファミコン版『ときめきメモリアル~伝説の樹の下で~』。1996年に出たので、当時中学生くらいかな。なんで買おうと思ったのかも覚えていないし、女の気持ちの機微もわからぬ子供が手を出すゲームにしては敷居が高いのにどうして購入してしまったのやら。
 攻略したいキャラの必要パラメーターをあげて、デートしてバッチリ評価をもらってときめいてもらえばクリアできる単純な構造だということは今ならわかる。けれども、当時は子どもだし、今とは違って攻略サイトもなければ、周りにやっている人もいなかったからクリアの基準がわからなかったのに、よく何人か攻略できたと思う。結局、藤崎詩織の攻略はかなわなかった(いいとこまでいったと思う)のは悔しいね。今でも「噂されると困るから」と下校を断られたことを覚えているよ。あの女め。
 この『ときめきメモリアル4』は、元祖ときメモで舞台になったきらめき市ときらめき高校(それと伝説の樹)の15年後という設定で2009年にリリースされた。そもそもときめきメモリアルシリーズの新作が発表されたのが8年ぶり。もうでないと思っていたので当時はびっくりした。無印は売れに売れたけど、2、3はあまり話題にならなかった。だからもう出ないと思ってたんだ。ちなみに、ガールズサイドで絶賛使われているEVS(名前読んでくれるシステム)はこちらが先なので忘れないように。
 今回この原稿を書くにあたって久々にプレイしたのだが、ガールズサイドばかりやっていたせいか、システムもストーリーもさっぱりとしている印象。ガールズサイドは、シリーズを追うごとに欲望に忠実になっている。新しく出たPSP版GS3なんてすごいよ。一般女性向け恋愛ゲームの限界に果敢に挑戦している。ちょこまかとしたイベント発生も多いし、デート時のスキンシップに大接近、とにかくボリュームがすごい。食べ放題に行った感覚。
 そういう濃厚なものに慣れてしまったせいか、妙に落ち着いたおとなしいゲームに感じられた。なんせ手をつなぐことが大きなミニゲームイベントになっているくらいだし。
 気に入ったシステムが、回転させてコマンド選択させるところ。操作しやすい。GS3はDS版と同じ方式なので少々扱いづらいから、あれが採用されていればよかったのにな、と。
 ときめきメモリアルの風物詩といえば攻略対象女子たちの爆弾点灯なんだけど、あいかわらずつきやすい。爆弾は、一定期間会わなかったり、他の女子と仲良くしていると傷心度と呼ばれるのが上昇して、一定ポイントになると爆弾マークとして出現。それが爆発すると他の攻略対象者の好感度まで下がってしまう厄介もの。
 でもさ、好きな人には一途でいたいよね。そういう願いを叶えてくれるシステムが4にはあるのだ。それは毎学期ごとにつけられる「特技」というもので、習得して身につけることによって病気を防いだり、ものが安く買えたり、パラがあがりやすくなるなどの特典がつく。
 例の厄介者「爆弾」をつけにくくするのが、「清廉潔白」。傷心度が上がりにくくなるけど、ときめきにくくなるという諸刃の剣のような特技だけど、とても有効です。はっきりいって、こっちの心情としては勝手に傷ついて爆弾つけんじゃねーよって感じなんだけど。しかも傷心度を下げるには下校かデートをするしかないのだが、休日は攻略対象に捧げたいのでしたくない。そうなると頼みの綱は下校。しかし、下校イベントが少なく、タイミングがずれるとデートのお誘いいなってしまう。なんてシビア。
 さらに、女子には負の特技というものもあって、それが発動されると体調が下がる、体調が減る、女子の傷心度があがるという地味に響くもの。もっとも勘弁願いたいのが、ラスボス「皐月先輩」が持つ「高貴」。特技がどれかひとつ外される。外されるとその学期中はつけ直すことが不可能なのでイヤ~な感じ。これらも特技によって回避可能だけど女は面倒な生き物だとつくづく感じますよ。全体的にうまいこと調整されているGSシリーズはなんだかんだいってぬるゲーということがわかった。
 いつもこの手のゲームで感じていたことだが、デートには金がかかるはず。にもかかわらず金を払っている様子はない。ゲームなんだからそんな細かいことはどうでもいいといえばいいんだけどやっぱり気になる。毎週のように出かけてるけど、服買ったり遊園地行ったり動物園行ったり、よく金が続くなぁと思っていました。
 しかし、4は施設利用料がきちんとかかっている(他のナンバリングタイトルでもかかってたらごめんなさい)。ついでにいうと、バッチリ評価をもらえる誕生日プレゼント代がすんげー高い。GSは1リッチ(最大でも10リッチ)ですむのに、23リッチ、50リッチって。バイトしないと無理。
 女は金がかかるっていうけど、ゲームでもきちんとそれを体現していらっしゃる。女って生まれただけでイージーモードっていうけど、人生もゲームもぬるいね。女最高!
 このときめきもリアルシリーズは、ガールズサイドに持っていかれて埋もれてしまっている感プンプンだが、私の中では思い出補正があるとはいえメモリアルな作品なので新作がでたことがうれしかった(発売当時ね)。
 驚くほどあっさりしているので、煩悩の塊ゲーム(GSに限らず)に疲れたらあえてこっちで一息つくのもありだと思います。(奥津)

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