東京みくじ巡り/富岡八幡宮
江東区にある富岡八幡宮へ行ってきた。御由緒によると、1627(寛永4)年にご神託を受け創立されたらしい。深川最大の八幡様かつ江戸最大の八幡様でもあるようだ。
ここは江戸最大のほかにも特色がある。まず伊能忠敬像。測量旅行出発前に参拝していた縁で建立された。次いで横綱力士像。江戸勧進相撲発祥の地で、新横綱誕生の際はここで刻名式と土俵入りが奉納される。あと日本一の黄金神輿。重量約4.5トンの一の宮神輿に使われている装飾は、純金、銀、プラチナ、ダイヤにルビー、その他宝石多数使用と、とてもラグジュアリー感溢れるプレシャス神輿なのです。「プレシャスジュエリーをまとったシックでラグジュアリーなMIKOSHIを担ぐ一日」みたいな見出しが似合いそうな作りです。
ここのみくじは3種類。みくじ棒と箱から引くタイプ。箱から引くタイプのうち一つは棒タイプと同種のもの。
まずはみくじ棒で引いたものから。
運勢は、「辛棒の甲斐あつて日頃の苦労がむくわれ、心豊かな楽しみと、幸運が訪れてくるときなり」だそうで、謙虚に続いてこの類も多い。そんなに苦労してるかな。毎日食う寝る遊ぶを繰り返してるだけなのでね。きっとその中でも苦労しているところがあるのでしょう。とりあえず幸運が訪れるのは嬉しいところ。 宝くじでも買ったら当たるかな、と思いつつ「希望」の項目を見ると「六分以上叶う」。勝率60%ですか……。いいとこ4等、もしくは3等いけば御の字という感じ? 確実に3等狙うなら「西南の方向よし」なので、自宅から西南にある売り場で買えばいいということですね。早速調べなくては! しかし、「旅行」を見ると「西を除きよし」なんだよね。ひきこもりからすると、宝くじ買いに行くのもちょっとした旅なもので、西がダメって西南はどうなの。西ではなく南よりだからいいってことなの。あぁ、もうわからない。買いにいけない。
もう一つは「お助けみくじ」というもので、100円で2枚引くという変わったシステムとなっている。
100円で2枚ついてくるなんてお得なみくじだわ、と軽い気持ちで引いいたことを反省する。開いて読んだ瞬間、鳥肌が立った。これはすごいみくじだよ。私の理想とするみくじだよ。
箱にはお助けとあるが、正式名称は「-神から人へ-神話みくじ」で、「ひふみともこ女史(准教授で専門は日本語教育)が受けた神示集『神から人へ』及び『神誥集』の中から選ばれた文章をみくじにしたもの」なのだそうだ。
日本語を専門にしているだけあって、簡潔にリズムよく真理(神誥)が書かれている。
吉凶はあるが個別運勢はないので、ややみくじ上級者向き。とても哲学的なので好き嫌いもあるだろう。「未来世界を知りたくば、明日にも問えよ。さらに深めて。未来世界も、現在世界も、続きておれば、変わることなし。今の世界を続けてゆかば、自ずとわかり、見えてこなんを。」こんな内容だからね。
この人は神からこのような文章構成で神託を受けたのだろうか。だとしたらこの神は論理的で文章能力が高いやつだとしか思えない。もう少し曖昧な伝え方だとしたら、きちんとまとめたこの先生のがすごいのだけど。どっちがすごいのか知りたいから一度くらい神託を受けてみたい。仮に受けたとしても、私は文章が下手くそだから意味のわからない神告になりそうだ。(月島めぐる)
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