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2012年11月23日 (金)

OL財布事情の近年史/第104回 「女子」は何故ここまで支持された?アラサー女子の笑い飛ばせない現実(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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前回のつづき。『an・an』2010年7月28日号「アラサー女子の切実なお金危機!」の転落事例、どれも熟読してしまう人生模様である。
25歳・製造業事務・手取り16万円で、実家に3万円、食費3万円、携帯代等1万5000円、被服費化粧品3万5000円、外食費交際費で5万円...実家暮らしで給料を使い切る昔ながらのOLである。20年前なら、このまま相手を見つけて結婚して主婦、でゴールだっただろうが、今の世の中でこれをしているとどうなるか。服を買うのが大好きで、「学生時代に作ったリボ払い専用のカードで」買い物を続け、15万円の給料ではやっていけなくなり実家へ戻ったが、そこで気が緩み、かえって浪費に拍車がかかり、ついにリボ払いの金額が10万円弱、借金総額130万円となった。誌面では、ファイナンシャルプランナーで『年収200万円からの貯金生活宣言』著者の横山光昭氏が、弁護士などに頼んで借金を整理する「任意整理」を勧めている。かつてのOLの、一般的な消費行動が、いまやクライシスなのである。

 そんなこと言われたって、特別なことしてないしー、みんなやってたしー、という声が聞こえてきそうなほど、他の女子たちも無意識にOL消費をしている。「1度は海外で暮らしたいと1年間のアメリカ留学」(32歳・派遣)、「就職してすぐ、美顔器30万円、ダイヤのネックレス40万円、カラーコーディネイター資格取得に30万円」(27歳・メーカー)、「新しい化粧品が出るたびにフルラインで」(31歳・イベント会社)「写真の道に進みたくてカメラマンに弟子入り」(25歳・写真スタジオ)など、もはや懐かしくさえある消費行動様式。その結果、留学女子は貯金ゼロになり転職で実家を出ることになり生活費も不安、美顔器女子はカード分が払えなくなりキャッシングも始めて借金総額120万円、化粧品フルラインはカード2枚のローンが120万円、カメラマンアシは体を壊したうえにヤケ酒代がかさみ貯金ゼロ、など、数年でなんと色あせていったことか。
それにしても、2010年といえば、リーマンショックもサブプライムローン破綻も経て、円高も進み、相当ヤバイところまで来たという実感ではなかったか。年収300万円時代と言われていたのが、前出横山氏の著書のとおり200万円になってるし。世のお父さんたちや家計を預かる主婦、すでにワーキングプア状態にいる層は十分に節約モードだったと思うが、OL的なポジションにいるとその風は吹いてこないのか。

 よく見ると、登場している女性は20代後半から30代で、入社したのは2005年前後であろう。この頃はというと...おおっ、エビちゃん現象・ITバブル真っ最中ではないですか。エビかわ服来て合コンして、ブログ書いてmixiして、という華やかな時代が社会人デビューだった世代である。そしてこの時期に言及した記事に、なんと美顔器が登場していた(88回)。「お取り寄せスイーツや美顔器など、買ったものについての率直な感想をライター気分でブログに書く」アフィリエイトでそんなもの買ってしまうから、まんまとクライシスですよ。女は計画性がないな、やっぱりアホバカOLだな、という声が聞こえてきそうではあるが、世間様があえてF1層とか言っちゃって、不況のなかでも最も消費意欲が旺盛だ、トレンドに敏感だ、と持ち上げてきたのではあるまいか。いい迷惑である。(神谷巻尾)

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