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2012年11月16日 (金)

OL財布事情の近年史/第103回 「女子」は何故ここまで支持された?アラサー女子の笑い飛ばせない現実(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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「女子」には、学校時代の、自由でニュートラルな記憶がある。勉強すれば評価されるし、クラスや部活でもがんばればトップになれた。それなのに社会に出てみれば、就活は厳しく、契約・派遣採用が増えて正社員になることすら難しく、結婚しようにも男子の給料は安いし、かといって仕事を続けても出産育児の壁は高い。ああ、なんて大変なの、「女子」のままでいれたらなんていいだろう。という心の叫びが、「女子」の多用化を促進している、と仮定してみたわけである。

ナントカ女子と称することで、置かれている状況を自嘲気味に言い表したり、「女子コスプレ」に楽しみを見出して、なんとなくヨシとする、ある種の世渡り術なのかもしれない。しかしながら、便利な女子づかいは、大きな問題の前で目を曇らす要素もあるのではないかい。『an・an』2010年7月28日号の特集「アラサー女子を困らせる7つのモンダイ。」を見ると、軽いタイトルとは裏腹の、働く独身女性たちのかなりヤバイ現実が見えてくる。

この特集の7つのモンダイとは、おひとり様、お金、仕事、女の友情、妊娠出産、親との関係、もやっと不安(仕事も彼もいるが、なんだか心が晴れない状態)、である。「気づけば、おひとり様歴?年。いつまで続くの...!?」なども切実ではあるが、彼氏ができないパターンの分析とか、まあ自虐ネタ的な扱いである。しかし、お金問題は、大変なことになっていた。「貯金ゼロ、実は借金も...。アラサー女子の切実なお金危機!」と題されたこの記事、危機に陥った女性の事例は、ネタで笑い飛ばせないような転落エピソードであった。

25歳商社勤務の女性は、手取り20万円、家賃と光熱費で10万円、通信費と食費で7万円、自転車なので交通費なし、というごく普通の生活に見える。が、23歳で憧れていたアパレルメーカーのプレスに転職したが、社会保険がなく、社販で服を購入するのが半ば義務。身体を壊して休職するも有給制度がなく治療費も全額自己負担。一緒に住む彼も収入ダウン、お金を貸しているうちに100万円になった。体調が戻らず前職を辞めたあと、社内販売で予約した服、ボーナス一括払い30万円の請求が来たが、現職ではまだボーナスは出ない。ブラック企業、病気、だめんず。これほんとに『an・an』?と思うが、普通の女性が崖っぷちにいるのか、『an・an』の懐が深くなったのか。両方だろう。(つづく)(神谷巻尾)

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