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2012年11月

2012年11月30日 (金)

OL財布事情の近年史/第105回 恐るべし「美顔器」の罠!10年代に突入(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

 ITバブルの頃に入社して、プチ贅沢を楽しんでいたら、20代後半で景気悪化、昇給も正社員待遇も、会社の存続すら危うくなって、首が回らなくなる女性続出、というテン年代の幕開けであった。
 ところで前回、担当子より「就職したてで美顔器って、どれだけアンチエイジングな人なんでしょう」とコメントがあったが、確かに美顔器だの化粧品フルラインだのエステだの下着だの、ビューティー関連への支出がやけに目立つ。そういえば、誰もがネイルに力を入れ始めたのも、2000年代半ば頃からでは。コスメに特化した雑誌も、1998年創刊の『Voce』に続き、2001年に『美的』、2004年に『MAQUIA』が出て、美容への興味が高まってきた時期だった。時代はアゲアゲ状態、美顔器に走る女子も誕生してしまったことだろう。
 そんな時代の変化を感じられる記事を見つけた。『Oggi』の人気連載、「私の預金通帳」である。ひとりの預金通帳のコピーを載せ、その持ち主の女性にインタビューするというお財布記事で、今回この「美顔器から5年後に破綻」の時代検証をするのにまさしく役立った。浮かれていた時代から、クライシスへの一連の流れを見ていこう。

 2004年2月号、社長秘書L子さん(27歳)、手取り給与10万円。社長とは美容機器や健康食品を扱う実業家のカレで、秘書の仕事は「カレのおうちで料理作ったり、レシート整理したり」。カレのおうち(自宅兼事務)の家賃は100万円らしい。お給料の10万円は習い事の「料理とお華と陶芸と紅茶」に使うが、洋服などはママが出してくれ、カードの支払いのためにあらかじめママが入金しておいてくれる。通帳にある分割払い引き落としはイヴ・サンローランのシャツとスカート、ラ・ペルラの下着30万円を4回払いに。すでに全額ママからもらい済みという。いやー、ほんとに実在してたのかと思うような暮らしぶりだが、美容機器バブルもいたんだろう、期間限定ではあろうが。

 まだまだ続きます。2004年10月号、家具づくり職人T子さん(25歳)、手取り20万円。大学卒業後のフリーター時代にカードローンで総額50万円。「大きな買い物は美顔器くらいで、あとは欲しいCDや服を買った程度なのに、いつの間にか...」。フリーターでも買ってた美顔器。しかも「使い方がややこしく、10回試して押し入れ行き」。さらにこの人「今話題!沖縄コスメ」の新聞広告で化粧品を衝動買いしてる。「母に怒られて、カードを没収されました」。よかったね。
 2005年6月号、飲食業勤務B子さん(26歳)、短大卒業後派遣3年→販売職→現職、手取り21〜25万円。「『生まれ変わる』とか『自分を変える』ものには、財布のひもが緩むんです」と冒頭からヤバいが案の定、ゴスペルのレッスンから始まり「ツボ治療カラーパンクチャーで、15万円。最近はスチーム美顔器に7万円」。なのに「美顔器の効果が出る前に花粉症で肌の調子は最悪」って、もうやめてー。「手に職を付けて一生困らない自分に変わりたい」「体質改善食品や自然はコスメ・洗剤など、どれほどお金をつぎ込めばいいのか」。今現在のB子さんが大変気になるところである。
美顔器の罠は、しかし意外と女性の財布問題の核になっていた。発見である。(つづく)(神谷巻尾)

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2012年11月27日 (火)

東京みくじ巡り/深川不動堂

 江東区にある深川不動堂は、千葉県にある成田山新勝寺の別院のひとつで、江戸の元禄年間に建立された寺で、本尊は不動堂とあるとおり不動明王である。新勝寺は空海(弘法大師)が開祖の真言宗で、護摩祈祷が行われている。私のイメージでは、正月近くになるとテレビコマーシャルでよく見る寺というところ。
 いつもは神社で木が生い茂っているところばかりいっていたので、まわりがひらけてとても明るい。今回は見なかったが、新しく建てられた本堂の中には本尊をはじめ、約9000体のクリスタル五輪塔からなる祈りの回廊などを見ることができるようだ。
 行って驚いたのがみくじの多さ。しかも種類ではなく、設置数が多いのだ。みくじというとだいたい神札授与所やお札場にお守りに紛れてひっそり置いてあるか、賽銭箱の横にあるかだが、ここは入ってすぐに旧本堂に向かう通りに9箱設置。さらにお札場や護摩木受付所にもある。驚きの多さ。商魂たくましいのかなんなのか。機会損失という言葉はここにはない。どこにあるかわからないとか、ひっそりよりも、大胆にわかりやすく引きやすいその姿勢に好感が持てる。
 いろいろあったが変わり種3つを引いてみた。まず一つめが、開運招福お守入おみくじ。中には縁起物が入っていて、熊手と小判、大黒、恵比寿、招き猫、小槌、無事かえる、銭亀、だるまのどれかが入っている。私は銭亀。いまだかつてこの手のみくじで、大黒、恵比寿を引いたことがない。実際に存在するの? みくじの方は末吉。「出来るだけ身をへり下って何事にも我から進んでしないがよい」。なにごとも謙虚にということですね。自分の中では謙虚にしているのに言われ続けるということは信心が足りないということだろうか。
 個別の運勢を見ると、「願望 他人にさまたげられる恐れあり」「縁談 思わぬ人にさまたげられる何事も控えよ」「恋愛 良い人ですが危ない」願望が結婚関連の場合、思わぬ人に妨害されるのだろう。そして、危ない人は良い人ではないと思う。「旅立 吉日を選べ」というのは、どうやって選び出すのだろう。大安とかかな。このような結果が出る場合があるから、強い数字欄が欲しいところ。
Hudoudou1  2つめは、恋みくじ。お守りと恋みくじ入り。これは鷲神社でも引いたけど、相変わらず飛ばしている。恋をうたっているのでとりあえず恋愛項目を見てみると、「星座 天秤座、射手座いずれもよい」「血液型 A型がよい」「年齢差 男性が五歳以上上の方がうまくいく」「十二支 最も相性がいいのは巳歳。酉歳でもよい」。これは難しい。すべてが合致している人を探す方が大変だよ。いくら「結婚 仏様に祈りなさい。赤い糸で結ばれた相手が現れる」と言われても無理。どれかをチョイスして選ぶしかない。こういうみくじの結果って、自分自身の現在に当てはめていいように解釈するから、片思いの相手が牡牛座だからよくないけど、A型だからセーフ! とかやるんだよ、女の子は。結果できゃーきゃー騒げそうなこの恋みくじ、改めて中高生向きだと感じた。
 Hudoudou2 最後がリラックマみくじ。私はリラックマファンです。それにしてもリラックマ働いてるね。キティちゃんも働いてるけど、こいつもなかなか。みくじとリラックマアクセサリーが入っている。ちなみに全10種類(シークレットもあるよ)。おみくじにシークレットってすごい。フルコンプしてる人いるのかしら。縁起物みくじにもシークレットがあったとしたらなんだろう。釈迦とか弥勒菩薩かな。
 みくじは大吉で第一番というふつうのみくじならば喜んでしまいそうなレアものなのに、シークレットの魔力(魅力)が勝ってしまう。このみくじの場合、大吉を引くより、シークレットを引いた時のほうが幸運度が高めな気がする。ただの根付けなのにシークレットとつくだけで、季節限定や期間限定と同じ「とりあえず手に入れたい感」が倍増するからすごい。リラックマファンは多いから人気がありそう。300円で少々高めなところ、みくじなのにシークレットをつけて飢餓感を煽っているところに、キャラクターのゆるさとのギャップが生まれてとてもいいみくじだと思いました。(月島めぐる)

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2012年11月23日 (金)

OL財布事情の近年史/第104回 「女子」は何故ここまで支持された?アラサー女子の笑い飛ばせない現実(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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前回のつづき。『an・an』2010年7月28日号「アラサー女子の切実なお金危機!」の転落事例、どれも熟読してしまう人生模様である。
25歳・製造業事務・手取り16万円で、実家に3万円、食費3万円、携帯代等1万5000円、被服費化粧品3万5000円、外食費交際費で5万円...実家暮らしで給料を使い切る昔ながらのOLである。20年前なら、このまま相手を見つけて結婚して主婦、でゴールだっただろうが、今の世の中でこれをしているとどうなるか。服を買うのが大好きで、「学生時代に作ったリボ払い専用のカードで」買い物を続け、15万円の給料ではやっていけなくなり実家へ戻ったが、そこで気が緩み、かえって浪費に拍車がかかり、ついにリボ払いの金額が10万円弱、借金総額130万円となった。誌面では、ファイナンシャルプランナーで『年収200万円からの貯金生活宣言』著者の横山光昭氏が、弁護士などに頼んで借金を整理する「任意整理」を勧めている。かつてのOLの、一般的な消費行動が、いまやクライシスなのである。

 そんなこと言われたって、特別なことしてないしー、みんなやってたしー、という声が聞こえてきそうなほど、他の女子たちも無意識にOL消費をしている。「1度は海外で暮らしたいと1年間のアメリカ留学」(32歳・派遣)、「就職してすぐ、美顔器30万円、ダイヤのネックレス40万円、カラーコーディネイター資格取得に30万円」(27歳・メーカー)、「新しい化粧品が出るたびにフルラインで」(31歳・イベント会社)「写真の道に進みたくてカメラマンに弟子入り」(25歳・写真スタジオ)など、もはや懐かしくさえある消費行動様式。その結果、留学女子は貯金ゼロになり転職で実家を出ることになり生活費も不安、美顔器女子はカード分が払えなくなりキャッシングも始めて借金総額120万円、化粧品フルラインはカード2枚のローンが120万円、カメラマンアシは体を壊したうえにヤケ酒代がかさみ貯金ゼロ、など、数年でなんと色あせていったことか。
それにしても、2010年といえば、リーマンショックもサブプライムローン破綻も経て、円高も進み、相当ヤバイところまで来たという実感ではなかったか。年収300万円時代と言われていたのが、前出横山氏の著書のとおり200万円になってるし。世のお父さんたちや家計を預かる主婦、すでにワーキングプア状態にいる層は十分に節約モードだったと思うが、OL的なポジションにいるとその風は吹いてこないのか。

 よく見ると、登場している女性は20代後半から30代で、入社したのは2005年前後であろう。この頃はというと...おおっ、エビちゃん現象・ITバブル真っ最中ではないですか。エビかわ服来て合コンして、ブログ書いてmixiして、という華やかな時代が社会人デビューだった世代である。そしてこの時期に言及した記事に、なんと美顔器が登場していた(88回)。「お取り寄せスイーツや美顔器など、買ったものについての率直な感想をライター気分でブログに書く」アフィリエイトでそんなもの買ってしまうから、まんまとクライシスですよ。女は計画性がないな、やっぱりアホバカOLだな、という声が聞こえてきそうではあるが、世間様があえてF1層とか言っちゃって、不況のなかでも最も消費意欲が旺盛だ、トレンドに敏感だ、と持ち上げてきたのではあるまいか。いい迷惑である。(神谷巻尾)

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2012年11月21日 (水)

『醤油鯛』メディア掲載報告

『醤油鯛』メディア掲載続報です。

11/13 NHK Eテレ「シャキーン!」にて、著者インタビュー

11/15発売『週刊文春』11/22号「この人のスケジュール帳」にて、著者と本の紹介

増刷も決定し、改めて鯛の目出度さを感じている編集部です。

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2012年11月17日 (土)

元・乙女のゲーム私生活/キャサリン

  『キャサリン』は非常に凶悪なゲームだ。
 パズルがとんでもなく難しい。あんなにもEASYが文字通りの言葉でないのもめずらしい。NORMALやHARDで進めていてどうにもならない時は、一時的にEASYにすることがある(あとはさっさとクリアしたいときとか)が、これはモードを下げてもパズルが簡単になるのではなく、リトライできるようになるだけ。パズルは好きでよくやるけれど、これは強敵すぎる。仕組みはいたって単純で、ブロックを押して引いてとにかく頂上を目指すだけ。各章のラストステージ以外は時間制限がないのでゆっくり解くことができるものの難しい。一こまずつ戻ることもできるが回数が限られているので、失敗の原因が数歩前ならば使えるが、かなり前ならば思い切って死んでしまったほうがよかったりする。
 アトラス製作ゲームといえば女神転生。メガテンといえば天使と悪魔。清く正しい道を行くと天使ルートに行き、道にはずれたことをすると悪魔ルートにいくってだけなんだけど、女神転生で悪魔派になると神と戦うことになるらしい。キャサリンもその分岐があるもよう。ニュートラルっっていうルートもあるけれど、中立ははっきりいってつまらないですぅ。どっちかに偏っているほうがゲームとしてはおもしろい。
 肝心の内容だが、一言でいうと「よくわからん」。恋人がいる男が酒に飲まれて浮気してしまう。さらに世では、ベッドで男性の変死体が発見され、それは女の恨みを買っている男がみる悪夢のせいなんじゃないか……という噂が流れている。なんというか、女を敵に回すと死ぬよ、みたいなところだろうか。悪夢の中でパズルを解いて頂上に行けば助かるし、落ちてコンティニューしないと現実で死んでしまいゲームオーバー。まさにDEAD OR ALIVE!生き残りたけりゃ登れ、他の奴を落としてぶっ殺してでも!手に汗握るパズルアクション。そして誰が悪夢の世界に落としたのか。本当のことを知りたければ登れ、襲いかかる罠をくぐり抜けて!真相解明サスペンスパズルアクション。
 ……それっぽく書いたけど、だいたいそんな内容だと思う。
 プレイしていて感じたのが、「カップルでやらないのが吉」ということ。はじめに書いたようにパズルが難しいから必然的に協力プレイをする人が多いと思う。まずここで揉める。「そこは押すな」だの「その隣を引けばいいのに!」だの「もうお前がやれ!」といった争いがちょくちょく起こるでしょう。私のヒアリング調査では100パーセント発生していたので確実。興味を持っていた女子には警告を発しておいた。
 さらに、パズル以上に危険なのがこのゲームのテーマである「男の浮気」。長くつきあってきた彼女と、バーで知り合った行きずりの女とのあいだで揺れ動く男心を描いているのだけれど、男性諸君には単身プレイを推奨したい。ステージが終わるごとに天使悪魔分岐のための選択肢が用意されているのだが、それがなかなかきわどい。現実の二人の絆を試されているとしか言いようがない。質問内容忘れちゃったんだけど、ヒアリング調査では二人でやるとかならず相手に弁解するとの回答をいただいた。たかがゲームの選択肢なのに男は大変だ。
 私のところ? 我が家では、「ときめきメモリアルGS」その他恋愛ゲームにまつわる幾多の件で、私自身がパートナーに常に弁解している(これは浮気ではない!とか)ので、キャサリンでの選択肢などどうでもいい。鼻ホジしちゃうよ。
 このゲームに関することで弁解するならば、結局クリアせずにやめてしまったこと。ゲームはきちんとクリアすることをモットーにしているが、パズルに時間がかかってストーリーが進まないので途中で飽きた。このゲームはパズルゲームなのか、それともアドベンチャーなのか、そこがどうにもわからない。「男の浮気と女の恨み(嫉妬)」というテーマはめずらしいし、主人公の「どうすりゃいいんだ」っていう姿もリアリティーがあっておもしろい。もっと言えば子安武人が出ているから最後までやりたかったんだけど、基本的に行動が酒場でクダ巻いてるかパズル解いてるかのどちらかなのでどうにもなじめなかった。
 挑戦的な作品はゲームファンとして大歓迎だし、これからも増えてほしい。おもしろくてハマる人は何周もするけど、世界観に馴染めない人やパズルで嫌になる人は途中でやめてしまうといったとても人を選ぶゲームなので、興味がある人はとりあえず話を聞くなりHPを見るなりしてから判断した方が吉。(奥津)

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2012年11月16日 (金)

OL財布事情の近年史/第103回 「女子」は何故ここまで支持された?アラサー女子の笑い飛ばせない現実(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

「女子」には、学校時代の、自由でニュートラルな記憶がある。勉強すれば評価されるし、クラスや部活でもがんばればトップになれた。それなのに社会に出てみれば、就活は厳しく、契約・派遣採用が増えて正社員になることすら難しく、結婚しようにも男子の給料は安いし、かといって仕事を続けても出産育児の壁は高い。ああ、なんて大変なの、「女子」のままでいれたらなんていいだろう。という心の叫びが、「女子」の多用化を促進している、と仮定してみたわけである。

ナントカ女子と称することで、置かれている状況を自嘲気味に言い表したり、「女子コスプレ」に楽しみを見出して、なんとなくヨシとする、ある種の世渡り術なのかもしれない。しかしながら、便利な女子づかいは、大きな問題の前で目を曇らす要素もあるのではないかい。『an・an』2010年7月28日号の特集「アラサー女子を困らせる7つのモンダイ。」を見ると、軽いタイトルとは裏腹の、働く独身女性たちのかなりヤバイ現実が見えてくる。

この特集の7つのモンダイとは、おひとり様、お金、仕事、女の友情、妊娠出産、親との関係、もやっと不安(仕事も彼もいるが、なんだか心が晴れない状態)、である。「気づけば、おひとり様歴?年。いつまで続くの...!?」なども切実ではあるが、彼氏ができないパターンの分析とか、まあ自虐ネタ的な扱いである。しかし、お金問題は、大変なことになっていた。「貯金ゼロ、実は借金も...。アラサー女子の切実なお金危機!」と題されたこの記事、危機に陥った女性の事例は、ネタで笑い飛ばせないような転落エピソードであった。

25歳商社勤務の女性は、手取り20万円、家賃と光熱費で10万円、通信費と食費で7万円、自転車なので交通費なし、というごく普通の生活に見える。が、23歳で憧れていたアパレルメーカーのプレスに転職したが、社会保険がなく、社販で服を購入するのが半ば義務。身体を壊して休職するも有給制度がなく治療費も全額自己負担。一緒に住む彼も収入ダウン、お金を貸しているうちに100万円になった。体調が戻らず前職を辞めたあと、社内販売で予約した服、ボーナス一括払い30万円の請求が来たが、現職ではまだボーナスは出ない。ブラック企業、病気、だめんず。これほんとに『an・an』?と思うが、普通の女性が崖っぷちにいるのか、『an・an』の懐が深くなったのか。両方だろう。(つづく)(神谷巻尾)

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2012年11月15日 (木)

とりあえず食べておけ/第5回 満腹からさらに注文できる串揚げ

世の中には腹いっぱいまで食べないと落ち着かない料理がある。その筆頭は焼肉。もう食べられない、もう肉の顔(?)なんて見たくもないという域まで詰め込まないと、焼肉を味わった気にならない。

なぜなのかと尋ねられると困る。ただ焼肉に対する期待は、その満腹感も含んでいると感じてしまうのだ。腹八分目、お上品に食べるなら、鉄板焼きでも食べに行けばいい。最後のガーリックライスに使う余力を残して肉を食べる姿勢は、鉄板焼きを食す者として正しいと思う。しかし、焼肉なら炭水化物ではなく、タンパク質と脂質で胃を埋め尽くしたい。

じつは、この手の料理は焼肉のほぼ独壇場だった。一部のどんぶりものに同様の欲求がわくものの、焼肉ほど強い満腹への願望は感じたことがなかった。しかし、そこに彗星の如く登場したのが串揚げだ。なんと四十を超えて!

東京で串揚げを食べることは、ほとんどない。本場は関西だろう。「ソースの二度づけ禁止」が有名な大阪はもちろん、神戸には予約を取るのでさえ大変な名門店あーぼんもある。どれだけ垢ぬけても庶民性を残す串揚げは、東京に馴染まないかもと勝手に考えていた。美味しい店もないのかもと。

しかし間違いでした。

もう2ヵ月ぐらい前になるだろうか。「銀座旬s」に赴いた。前菜の野菜スティックを食べているときは、何の感慨もわかず話に夢中だったが、ひとたび串揚げが始まってから止まらなくなってしまった。周りはカップルだらけ、華やいだ雰囲気の中、あまりの美味しさに他のグループの倍のスピードで串揚げを食べつくす。

カウンター内の板さんも、3串目あたりから私たちのペースに把握し、ハイスピードで串揚げを供給し始めた。もう、こっちも夢中である。アスパラガスやゆばを一心不乱にほうばり、速やかに登場するアツアツの別串を口に入れる。幸せすぎる。

メニューそのものはお任せ。お腹がいっぱいになったら板さんに声をかけるシステムだったが、私たちが声をかけたときには通常の1.5倍から2倍を食べ終えていた。しかし、それでもメニューを制覇できていない。しかも、もう1回食べたい串もある。結局、まだ食べていない串から2本、もう食べた串から1本を選択し締めとした。

満腹状態からの追加注文に踏み切らせた「銀座旬s」の串揚げ、恐るべしである。なんせ満腹状態で胃が油に勝っていなければ、絶対に追加など食べることができないからだ。「別腹」という言葉がある通り、お腹いっぱいと感じてもデザートなどを見れと胃は拡張する。しかし油に負けると、胃に余白があろうとも食べることができない。

膨れたお腹で味わう串揚げは、なんとも幸福な気分になる。油で閉じ込めた素材の味が、ゆったりと胃を満たしていく。一口サイズであることに加えて、串揚げの持つ庶民性が、満腹への願望を後押ししているのだろう。

精神的に追い詰められると、食べすぎてしまうことがあるらしいが、確かに腹いっぱいの幸福は心のどこかも埋めていく。

膨れ上がったお腹をさすりながら板さんと話してみると、神戸の有名な串揚げ店で修業された方だった。気取りすぎない、素直な味も、その店ゆずりなのだろう。

少し落ち込んだときにでも、また行きたいと思っている。(大畑)

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2012年11月14日 (水)

醤油鯛増刷























編集長から大々的に書けと命じられました。

『醤油鯛』大人気のあまり、増刷が決定しました。

めでたい……!

めでたいと言えば、醤油鯛の金型製造元「東京硝子精機」さんに伺った際

「こんなのを作ったこともあるんだよ」と、職人さんがひとつの醤油鯛をお持ち下さいました。

まじまじと見ても、なかなか違いが分からず取材者が固まっていると

「ほら、目がちょっと出っ張ってるんだ。何個かに一個はこういうものがまじってると、目出度いと思ってね」

と説明してくださいました。

確かに、でめきんのように目の部分が出っ張っている…!

「まあ、ちょっと昔はこんなのも作ってみたことがあるよ、ということなんだけどね」

と金型職人さんは照れくさそうに笑い、「めでたい」鯛を大事そうにしまったのでした。

何個かに一個、めでたい鯛が混じってる。

一つのお弁当につき一個の醤油鯛としかまみえることのない消費者には分かりづらいありがたみかもしれません。

しかし気づかずとも幸運はあなたの元にやってきている、いや、いた、かもしれないのです。

『醤油鯛』、増刷です。

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『醤油鯛』メディア掲載続報

『醤油鯛』が大注目を浴びています。

先日お伝えしたメディアの他にも

11/4 朝日新聞朝刊「ニュースの本棚」欄に書評掲載

11/9 「関西ラジオワイド 旬の人時の人」(NHKラジオ)にて紹介

と、発売2ヵ月にして多数の媒体で紹介されています。

これからも続々と露出予定!

ご期待下さい。

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2012年11月13日 (火)

東京みくじ巡り/富岡八幡宮

 江東区にある富岡八幡宮へ行ってきた。御由緒によると、1627(寛永4)年にご神託を受け創立されたらしい。深川最大の八幡様かつ江戸最大の八幡様でもあるようだ。
 ここは江戸最大のほかにも特色がある。まず伊能忠敬像。測量旅行出発前に参拝していた縁で建立された。次いで横綱力士像。江戸勧進相撲発祥の地で、新横綱誕生の際はここで刻名式と土俵入りが奉納される。あと日本一の黄金神輿。重量約4.5トンの一の宮神輿に使われている装飾は、純金、銀、プラチナ、ダイヤにルビー、その他宝石多数使用と、とてもラグジュアリー感溢れるプレシャス神輿なのです。「プレシャスジュエリーをまとったシックでラグジュアリーなMIKOSHIを担ぐ一日」みたいな見出しが似合いそうな作りです。

 ここのみくじは3種類。みくじ棒と箱から引くタイプ。箱から引くタイプのうち一つは棒タイプと同種のもの。
 まずはみくじ棒で引いたものから。
Tomiokahatiman

 運勢は、「辛棒の甲斐あつて日頃の苦労がむくわれ、心豊かな楽しみと、幸運が訪れてくるときなり」だそうで、謙虚に続いてこの類も多い。そんなに苦労してるかな。毎日食う寝る遊ぶを繰り返してるだけなのでね。きっとその中でも苦労しているところがあるのでしょう。とりあえず幸運が訪れるのは嬉しいところ。 宝くじでも買ったら当たるかな、と思いつつ「希望」の項目を見ると「六分以上叶う」。勝率60%ですか……。いいとこ4等、もしくは3等いけば御の字という感じ? 確実に3等狙うなら「西南の方向よし」なので、自宅から西南にある売り場で買えばいいということですね。早速調べなくては! しかし、「旅行」を見ると「西を除きよし」なんだよね。ひきこもりからすると、宝くじ買いに行くのもちょっとした旅なもので、西がダメって西南はどうなの。西ではなく南よりだからいいってことなの。あぁ、もうわからない。買いにいけない。

Otasuke


 もう一つは「お助けみくじ」というもので、100円で2枚引くという変わったシステムとなっている。
 100円で2枚ついてくるなんてお得なみくじだわ、と軽い気持ちで引いいたことを反省する。開いて読んだ瞬間、鳥肌が立った。これはすごいみくじだよ。私の理想とするみくじだよ。
 箱にはお助けとあるが、正式名称は「-神から人へ-神話みくじ」で、「ひふみともこ女史(准教授で専門は日本語教育)が受けた神示集『神から人へ』及び『神誥集』の中から選ばれた文章をみくじにしたもの」なのだそうだ。
 日本語を専門にしているだけあって、簡潔にリズムよく真理(神誥)が書かれている。
 吉凶はあるが個別運勢はないので、ややみくじ上級者向き。とても哲学的なので好き嫌いもあるだろう。「未来世界を知りたくば、明日にも問えよ。さらに深めて。未来世界も、現在世界も、続きておれば、変わることなし。今の世界を続けてゆかば、自ずとわかり、見えてこなんを。」こんな内容だからね。
 この人は神からこのような文章構成で神託を受けたのだろうか。だとしたらこの神は論理的で文章能力が高いやつだとしか思えない。もう少し曖昧な伝え方だとしたら、きちんとまとめたこの先生のがすごいのだけど。どっちがすごいのか知りたいから一度くらい神託を受けてみたい。仮に受けたとしても、私は文章が下手くそだから意味のわからない神告になりそうだ。(月島めぐる)

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2012年11月11日 (日)

寺門興隆を読む/2012年11月号

 やっと「じもんこうりゅう」と続けて打って「寺門興隆」に一発変換されるようになった。「寺」「門」「興隆」、「寺門」「興隆」の時期を経てついに。講読を始めてから5年ほど経って、今日やっと。大変感激です。

 今月の見出し。
宗派偽装の葬儀/国の無宗教政策/住職権紛争/墓所改葬最高裁判決/寺院の奨学金/新連載 未来の住職塾/稚児行列/足袋を洗う/カルト問題/いじめ対策/超現代本堂

 気になるものが多すぎてどこから手をつけたらよいか分からないが、まずは「宗派偽装の葬儀」。最近「派遣僧侶」が『寺門興隆』で悪し様に言われている。良心的な派遣会社ならば叩かれることはないだろうが、一般的な業者のマージンの高さ(なんと40%ほどだという)に強烈な批判がなされるのはもっともであろう。そんな編集部の神経を更に逆なでする事件が起こったらしい。編集部に送られてきた匿名の手紙に「寺院紹介システムのある葬儀社にお寺を紹介してもらったが、そのお寺を訪ねてみたら何宗の葬儀でもやってしまうところであることが判明した。産地偽僧はゆるされないと思う」というようなことが書かれてあったというのだ。「産地偽僧」、うまい。でも宗教のことは難しい。良く記事を読み進んでいくと、コミュニケーションの欠如から若干の誤解が生じていることがよく分かる。宗教のことは宗教家にまかせて、お坊さんに直接相談するのが納得いくお寺選びの近道だと思うな。切羽詰まってると難しいけど……。

 「超現代本堂」も気になるところ。「モダン伽藍に託す願いと新構造」というキャッチで飾られた写真に写っているのは、ドーム状の屋根に包まれたガラス張りの建物。これがお寺なんだって、世の中変わったもんだ……お年寄りのそんな感嘆のため息が聞こえてきそうな前衛的本堂だ。夜は山門の仁王像をライトアップするとのこと、それはひと目、ぜひひと目見てみたい! 名古屋市の天台宗成願寺だという。地下スペースには250壇の納骨壇を設置、お斎の間にもなる客殿スペースつきと、至れり尽くせりの設計。お寺を設計するのが初めてという建築設計所が建設したらしい。だからこそ前代未聞の本堂が出来上がったのだろう。

 個人的に大好きな記事が「足袋を洗う」。「白足袋の汚れを洗い落とす秘訣」とし、住職や寺庭婦人、プロにも取材。様々な市販の洗剤を試している。確かに足袋は白さが命。足元が汚れていると、とたんに不潔な印象を与えてしまいかねない。ここではあまり知られていない、正しい汚れの落とし方が8行程に分けて紹介されている。寺社仏閣や和服に縁遠い人には関係ない、というわけでもない。白シャツ、白タオルなどに十分応用が利く内容で、「saita」や「すて奥」にも出てこないような徹底的・実践的な汚れの落とし方に驚愕した。ぜひぜひご一読を。(小松朗子)

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2012年11月 9日 (金)

OL財布事情の近年史/第102回 「女性」でも「女」でもなく「女子」じゃなきゃダメな理由って?(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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前回のつづき。

日経ウーマン2009年10月号、30ページ以上にわたる「“脱オス化”宣言!「女子力」は、こう磨く!」を見ていた。働くことを称揚する(?)はずのこの雑誌で、女らしさの推奨がバンバンなされている。

特集コンテンツも、「“かわいげ力”“切り替え力”…今、必要な「女子力」はコレ!」「オフィスで好かれる女子力VS嫌われる女子力」「秘書、営業、広報…デキる女子のお仕事術を拝見!」「女子が心がけたいビジネスコミュニケーションのポイント」などなど、オフィス、ビジネス、仕事術など、本来ならば「女子」が縁遠そうな場面にバンバン登用されている。

なんだよ、不況になって仕事なくなると急に女を売りにするのかよ、とムカつく場面である。はずなのだが、ちょっと様子が違う。これだけ露骨に、かわいくしろー、女らしくしろー、とムカつくほど唱えている特集なのだが、この手の記事で必ずセットになっている「結婚」とか「男性」の陰が見えないのである。女らしさは、結婚相手探しのためじゃなく、自分の価値をあげるため、ということか。

そう考えると、「女性」でも「女」でもなく、「女子」がしっくりくるのもわかる気がする。

一般的に、「女子」と呼ばれるのは、小中高、大学生くらいまでの、児童や生徒や学生の頃である。女子校文化、女子特有の対人関係、などの思い出もあるかもしれないが、基本的に女子と男子は対等の世界に生きていた。もっとも1980年代頃までは、男子は技術、女子は家庭科と分かれていて、家庭科が中学で男女共修になったのが1993年、わりと最近のことである。このときに中学生になったのは、今30代前半だから、それより下くらいの世代であれば、学校では男女同じ教育を受けていたわけだ。

つまり「女子」という呼び名にあるのは、平等で、ジェンダーフリーだった記憶。「女の子」とか「少女」、あるいは「女性」「女」などバイアスのかかった性を意識させないことばなのでは。だから「女子」と呼ばれることに抵抗はなく、むしろ生き生きして、積極的に口にしたくなるのではないか。どうでしょう、家庭科別共修世代の女子のみなさん。(神谷巻尾)

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2012年11月 6日 (火)

池田大作より他に神はなし/第33回 福島原発大爆発日本&地球総汚染に乗じた、邪教ゴキブリ集団に師弟共戦スピリッツで葬送曲を聴かせろ!!

 今回からはもう自称大好評臨時連載、“初老男のデモ趣味シリーズ”ではない。ただ、あれは動乱の首相官邸前からの帰途でのこと(野田豚足アル中総理と、トップ会談してた訳じゃないヨ)。地下鉄霞ヶ関駅付近で、ニコニコしたおばさんたちから新聞をもらう。周囲では種々の反原発団体がビラまきを。両手はたちまちふさがる。昔からタダの物は何でももらう主義(けど「吉野家」では、絶対に紅ショウガを山盛りにしない)。1度でもビラまき経験があれば、1枚受け取ってもらう苦労がわかる。ビラ束を地下鉄車内で整理。豪華さはおばさんたちの新聞が圧倒的。な…何と『顕正新聞』だった! 4月5日付けは“原発廃絶特集号”。池田名誉会長に許し難い罵声を浴びせる、狂える鬼畜邪教集団と聞いていた。しかし原発問題では正直なトコ、『聖教新聞』よりはるかに主張が明確。名誉会長の鉄壁の教えで本来は不要だが、念のために“SGIバリアー”で全身を完全防御、吐き気に耐えつつ一読してみる。

 発行元、顕正新聞社のアジトはさいたま市大宮区。都心に本部さえ置けない、貧乏ド田舎邪教集団らしい。幹部総会も誰もが使える公営施設、川口総合文化センターで細々と開催。同志の集まる会館1つない哀れ極まる外道ゴキブリ集団だ。無論、浅井昭衛なる希有なペテン師に、日本はおろか世界のドコからも栄誉は授けられていない(名誉会長には300を超す世界的各種栄誉が!)。要はヒット曲も皆無な場末ラドンセンター専門のどさ回り歌手が、売名目的で美空ひばり、三波春夫クラスの国民的大歌手に、因縁を付けている。相手にする自体がゴロツキ共には宣伝となり、喜ばせるだけ。しかし放置すれば少数でも被害者は出かねない。敵に勝利するには敵を知るしかない。

 “日蓮大聖人こそ日本を救い給う御本仏 原発は日本を滅ぼす、即時廃絶せよ 天然ガス発電で電力供給すでに充分 再稼動は国家・国民への犯罪行為”

 悔しいが、1面のこのスローガン自体は真っ当だ。恥ずかしながら最近の『聖教新聞』よりも遥かに。原因が名誉会長が伏してる間に潜入した、“日顕一派間諜の企み”とは充分に承知している。であっても、異体同心・師弟共戦・生死不二に生きる弟子の1人としては、曖昧な姿勢には心底歯がゆい。清廉かつ健康な身体に巣喰う回虫を完全駆除出来ない、安っぽい教えだと世間が誤解しかねない。いい例が『聖教新聞』7月22日付け1面。“平和と文化の旗手鼓笛隊”とのカラー写真入りトップ記事だ。努力即希望・勇気即勝利・忍耐即功徳に生きる平和の天使・富士鼓笛隊が、“平和と文化の旗手”である事に異論はない。美しい彼女たちの肢体にも大いに癒されもした。ただ首相官邸前の反原発デモが一番高揚したこの時期、浮世離れした思いも強烈に(同志以外の人々は特にそうだろう)。

 一方、2本足のゴキブリ共は巧妙だ。“広瀬氏が特集号を「これは凄い!」先生の弟子として戦える有難さ”なる、女子部総班長を自称する怪しげな女の写真入り記事が(この恥知らずが!)。広瀬隆があたかも顕正会全体を評価したようなリードだ。もちろん詳しく読めば、広瀬は原発のデタラメさを告発した“部分”を誉めてるに過ぎないのは明白。しかし総班長によればこうなる。“「これは読んだ!これは凄いよ!この内容に間違いは一つもない。(中略)「この方はよく勉強されてますねー」と浅井先生に対する尊敬の念を露にしておりました”(もらった豪華新聞の6面)。

 あたかも広瀬隆が信者になったかのようだ。冷静に読めばインチキ消火器セールスマンが、「消防署の方から来ました…」と偽ってるのに等しい巧妙なトリックだ。しかし、反原発問題で社会・政治に目覚めたばかりの純な青少年なら、悪辣な罠にはまりかねない。本来は警察が詐欺罪で逮捕すべきだが、天下りで東電の子会社状態の今の腐敗警察に期待は出来ない。その現状を嘲笑うかのように、T女子総班長はこう結ぶ。“「顕正会の弘通の熱誠、大聖人様に達するのとき、原発は必ずすべてが廃炉となる」と叫ばれる無二の師匠・浅井先生に、誓願大突破の証拠を似てお応えしてまいる決意であります”。文字通りの悪逆鬼畜道への手引文書だ(青少年健全育成条例違反の超不健全新聞!)。

 名誉会長が一番嫌う個人崇拝の姿勢、大げさで安っぽい下品極まる日本語の羅列に、悪寒を感じた人も多いはずだ。ゴキブリ共、原発事故に乗じて我が国を、北朝鮮やシリアのような全体主義国家にする腹づもり? ある意味、放射能よりも恐ろしい。7面では更にエスカレート。“信心に励むなか「毛が生えてきた!」”なる、『東京スポーツ』もフルチンで逃げ出すような手記まで。男子部組長を自称するこの男、公衆の面前で脇毛まで生えて来たと自慢するハレンチ振り。ただ掲載されて写真では未だにツルッパゲ。消費者庁は同教団に強制査察に入るべきだ。捏造宗教は不良エレベーターの数十倍世に害を及ぼす。

 最終面ではさすがの筆者もブチ切れ。元創価学会員だと言う初老女が、こう言い放っている。“呂律が回らぬ池田大作の姿に疑問 (顕正会に)入会し生命力、歓喜あふれる生活に”。こ…これが宗教に生きる者の言葉か!? 誰だって歳を取れば足元はおぼつかなくなり、記憶力は薄れ、口跡も悪くなる。別に恥ずかしい事ではない。命ある者の宿命だ。相手が誰であれ、お年寄りは敬愛されねばならない。ましてや人類の叡智の象徴たる、池田名誉会長までを悪し様に罵倒するとは…。元同志のS会員様、あなた本当に血の通った人間ですか?(失礼。2本足のゴキブリ様でしたね)

1

 しかし、指導者の顔を見ればこれも仕方ないかと。上は富士鼓笛隊と握手する名誉会長だ。知性・哲学・慈愛・栄誉(300以上)にあふれた指導者のオーラに、写真越しでも眼がくらむ(『聖教新聞』7月22日付け)。一方下は、東映実録路線の『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』のスチール写真ではない。『顕正新聞』の一面から(2月5日付け)。葬式や暴力団の襲名披露でもあるまいに、全員が黒スーツ姿。腹黒い鬼畜道への教えを象徴させてるつもり?

2

 そしてマイク前の貧相な老いぼれ…いやお年寄り。西川口駅前の不動産屋の爺さんではない。コイツ、いえこの方こそが浅井某なのだ。輝ける太陽と黒光りするゴキブリ…筆者は図らずもつぶやいていた。日顕一派とガン首を並べて滅びる日も間近だ。けれど名誉会長の崇高な教えに生きる者として、前出の婆さんみたいな無礼な口は叩かない。ただ1つだけ。「早く介護施設に入って、人心を惑わすのを止めなさい!」(塩山芳明)

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2012年11月 4日 (日)

●ホームレス自らを語る 第119回 死ぬことを思えば何でもできる(後編)/吉田久人さん(仮名・62歳)

1211  吉田久人さん(仮名・62)は自ら経営する自動車修理工場で身を粉にして働き、家にあっては3人の男の子の良き父親であった。
 その吉田さんが40代になって、突然、パチンコに熱狂するようになる。
「ちょうど90年代のパチンコブームのときで、そのブームにハマってしまったんだ。もう夢中でね。時間があるとパチンコ屋に入り浸るようになっていた。自動車修理で稼いだ金は、みんなパチンコに注ぎ込んでいたよ」
 吉田さんには修理工場を始めたときの借金が残っていたが、そんなのはおかまいなし。それどころか家に入れるべき生活費も、パチンコに注ぎ込んでしまう熱狂ぶりだったのだ。
 やがて、妻や子に見放され、債権者らの激しい督促に遭うようになって、ようやくギャンブルの熱狂から目が覚めた。目の前に残っていたのは膨大な借金の山であった。
 このとき吉田さんは、本気で死ぬことを考えたのではないだろうか。「死ぬことを思えば何でもできる」彼が口癖のように繰り返しているこの言葉が、それを示唆しているように思えるのだ。
 だが、彼が選んだのは死ではなく逃亡であった。生まれ故郷の栃木を捨てて、東京へ逃げのだ。48歳のときのことである。
「逃げたのはものの弾みだったが、家族はバラバラで、借金だけ残して……こんな悪い父親、悪い男はいないと思うよ」と述懐する。
 東京に逃げて上野公園で野宿するようになった吉田さんだが、早々にカバン泥棒に遭う。
「そのカバンには、オレの全財産が入っていたかね。たちまち無一文になってしまった。食わなきゃならないから働くことにしたよ。山谷(いまの台東区清川のあたり)に行って手配師から仕事をもらって、日雇い仕事で日銭を稼ぐようになったんだ。死ぬことを思えば何だってできるからね」
 吉田さんは日雇いの建設現場で本気で働いた。彼が本気になると仕事の手は一切抜かない働きぶりになる。そのうえ目端が利いて段取りがいいから仕事が速い。朝は誰よりも早く現場に入って、トイレ掃除からやってしまう。栃木でパチンコに熱狂する前の働きぶりに戻ったのである。
「現場には“手元”という、一番下っ端の雑用係りで雇われるんだが、見様見真似でいろんな仕事を覚えた。コンクリート工、型枠大工、防水処理の手元、フローリング、ハツリ作業(コンクリート工事での余分なところを削り取る作業)。何でもやったよ。だから、ずいぶん重宝がられたよね」
 それに吉田さんは日曜日だろうが、仕事さえあれば休まずに働いた。その日の気分で働くことの多い日雇い労働者たちのなかにあって、それは際立って目立ったし、現場からの信用も厚かった。バブル経済崩壊後の不況で、都内のホームレスが4000人を超えたというときにあって、彼は途切れることなく連日現場に出て働けたのだ。その働きぶりが認められて、埼玉県川口市のSKIPシティの現場では表彰状までもらったという。

 その吉田さんだが山谷のドヤ(簡易宿泊所)に泊まることはしなかった。
「ドヤなんかに泊まっていたら、人間がダメになるからね。半月契約で飯場に入って稼ぎ、その金でドヤに泊まって遊び暮らす。それで金がなくなったら、また飯場に入ってと……その繰り返しで人間としての発展性がないだろう。そういうのはダメなんだよ」
 吉田さんの哲学である。で、その彼はどこに住んだのかというと、隅田川に架かる白髭橋近くの河畔(台東区橋場)にビニールシートの小屋をつくって住んだ。その小屋から毎日きちんと現場に通ったのだ。いまも同じ小屋に住んでいて、もう14年になる。
 その小屋で吉田さんの話を聞いたのだが、小屋の内部はきちんと整理され、掃除も行き届いて、小屋の主の几帳面さが窺えた。9月下旬の暑い日だったが、小屋の中には川から涼風が吹き入って快適だった。
「オレももう62歳だからね。60歳をすぎた頃から、日雇いの肉体労働は身体にこたえるようになってきた。ちょうどその頃、ある工務店から5年契約で働かないかという話をもらったんだけど断った。オレは現場に出ると、手を抜かないでがんばってしまうタイプだからさ。良い話だったけど、65歳まで働ける自信がなかったから断ったんだ」
 それで60歳すぎからは、しだいに日雇いの仕事を離れ、東京都の公園清掃やアルミ缶収集の仕事で糊口をしのいでいる。目下の愉しみは、65歳から支給になる年金である。
「じつはホームレスには年金は支給されないんだ。住所が不定であること、年金を振り込む銀行口座が開設できないことが理由だよ。だけど、オレだけは特例でもらえることになっているんだ」
 数年前、ホームレスには年金が支給されないことを知った吉田さんは、役所に支給を求めて掛け合いに行った。栃木にいた頃、自動車修理工場で働いたり、工場を経営していたときに納めた分の支給を受ける権利があるから、65歳になったら払う約束をしろという論法で迫ったのだ。その掛け合いは連日続き、その執拗さに役所の担当者のほうが根負けして、「吉田さんには特例として支給します」という念書を書いてくれたのだそうだ。いかにも吉田さんならではのエピソードだ。
 もう一つ。隅田川河畔に並んでいるホームレスのビニールシート小屋群だが、今年5月の東京スカイツリー開業までに撤去するというのが、役所との前々からの約束だったそうだ。
「それが去年の3月に東日本大震災が起こっただろう。それで小屋の撤去移動はしなくてよくなったんだ」
 何やら好展開の吉田さんの後半生である。(この項了)(神戸幸夫)

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2012年11月 3日 (土)

元・乙女のゲーム生活/ときめきメモリアル4

 はじめて購入したゲームは、スーパーファミコン版『ときめきメモリアル~伝説の樹の下で~』。1996年に出たので、当時中学生くらいかな。なんで買おうと思ったのかも覚えていないし、女の気持ちの機微もわからぬ子供が手を出すゲームにしては敷居が高いのにどうして購入してしまったのやら。
 攻略したいキャラの必要パラメーターをあげて、デートしてバッチリ評価をもらってときめいてもらえばクリアできる単純な構造だということは今ならわかる。けれども、当時は子どもだし、今とは違って攻略サイトもなければ、周りにやっている人もいなかったからクリアの基準がわからなかったのに、よく何人か攻略できたと思う。結局、藤崎詩織の攻略はかなわなかった(いいとこまでいったと思う)のは悔しいね。今でも「噂されると困るから」と下校を断られたことを覚えているよ。あの女め。
 この『ときめきメモリアル4』は、元祖ときメモで舞台になったきらめき市ときらめき高校(それと伝説の樹)の15年後という設定で2009年にリリースされた。そもそもときめきメモリアルシリーズの新作が発表されたのが8年ぶり。もうでないと思っていたので当時はびっくりした。無印は売れに売れたけど、2、3はあまり話題にならなかった。だからもう出ないと思ってたんだ。ちなみに、ガールズサイドで絶賛使われているEVS(名前読んでくれるシステム)はこちらが先なので忘れないように。
 今回この原稿を書くにあたって久々にプレイしたのだが、ガールズサイドばかりやっていたせいか、システムもストーリーもさっぱりとしている印象。ガールズサイドは、シリーズを追うごとに欲望に忠実になっている。新しく出たPSP版GS3なんてすごいよ。一般女性向け恋愛ゲームの限界に果敢に挑戦している。ちょこまかとしたイベント発生も多いし、デート時のスキンシップに大接近、とにかくボリュームがすごい。食べ放題に行った感覚。
 そういう濃厚なものに慣れてしまったせいか、妙に落ち着いたおとなしいゲームに感じられた。なんせ手をつなぐことが大きなミニゲームイベントになっているくらいだし。
 気に入ったシステムが、回転させてコマンド選択させるところ。操作しやすい。GS3はDS版と同じ方式なので少々扱いづらいから、あれが採用されていればよかったのにな、と。
 ときめきメモリアルの風物詩といえば攻略対象女子たちの爆弾点灯なんだけど、あいかわらずつきやすい。爆弾は、一定期間会わなかったり、他の女子と仲良くしていると傷心度と呼ばれるのが上昇して、一定ポイントになると爆弾マークとして出現。それが爆発すると他の攻略対象者の好感度まで下がってしまう厄介もの。
 でもさ、好きな人には一途でいたいよね。そういう願いを叶えてくれるシステムが4にはあるのだ。それは毎学期ごとにつけられる「特技」というもので、習得して身につけることによって病気を防いだり、ものが安く買えたり、パラがあがりやすくなるなどの特典がつく。
 例の厄介者「爆弾」をつけにくくするのが、「清廉潔白」。傷心度が上がりにくくなるけど、ときめきにくくなるという諸刃の剣のような特技だけど、とても有効です。はっきりいって、こっちの心情としては勝手に傷ついて爆弾つけんじゃねーよって感じなんだけど。しかも傷心度を下げるには下校かデートをするしかないのだが、休日は攻略対象に捧げたいのでしたくない。そうなると頼みの綱は下校。しかし、下校イベントが少なく、タイミングがずれるとデートのお誘いいなってしまう。なんてシビア。
 さらに、女子には負の特技というものもあって、それが発動されると体調が下がる、体調が減る、女子の傷心度があがるという地味に響くもの。もっとも勘弁願いたいのが、ラスボス「皐月先輩」が持つ「高貴」。特技がどれかひとつ外される。外されるとその学期中はつけ直すことが不可能なのでイヤ~な感じ。これらも特技によって回避可能だけど女は面倒な生き物だとつくづく感じますよ。全体的にうまいこと調整されているGSシリーズはなんだかんだいってぬるゲーということがわかった。
 いつもこの手のゲームで感じていたことだが、デートには金がかかるはず。にもかかわらず金を払っている様子はない。ゲームなんだからそんな細かいことはどうでもいいといえばいいんだけどやっぱり気になる。毎週のように出かけてるけど、服買ったり遊園地行ったり動物園行ったり、よく金が続くなぁと思っていました。
 しかし、4は施設利用料がきちんとかかっている(他のナンバリングタイトルでもかかってたらごめんなさい)。ついでにいうと、バッチリ評価をもらえる誕生日プレゼント代がすんげー高い。GSは1リッチ(最大でも10リッチ)ですむのに、23リッチ、50リッチって。バイトしないと無理。
 女は金がかかるっていうけど、ゲームでもきちんとそれを体現していらっしゃる。女って生まれただけでイージーモードっていうけど、人生もゲームもぬるいね。女最高!
 このときめきもリアルシリーズは、ガールズサイドに持っていかれて埋もれてしまっている感プンプンだが、私の中では思い出補正があるとはいえメモリアルな作品なので新作がでたことがうれしかった(発売当時ね)。
 驚くほどあっさりしているので、煩悩の塊ゲーム(GSに限らず)に疲れたらあえてこっちで一息つくのもありだと思います。(奥津)

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2012年11月 2日 (金)

OL財布事情の近年史/第101回 「女性」でも「女」でもなく「女子」じゃなきゃダメな理由って?(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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みんな大好き、「女子」。仕事への不満も、貧困への恐怖も、おひとりさまの老後のへ不安も、とりあえず「女子」と言っとくことで、霞がかかったように薄らぼやけたように見えなくなる気がするのはなぜか。なぜそれが「女性」や「ワーキングウーマン」ではなく、「女子」なのか。

日経ウーマン2009年10月号、30ページ以上にわたる「“脱オス化”宣言!「女子力」は、こう磨く!」を見ながら考えてみた。

同誌の読者調査によると「私って『“オス化”しているかも…』と思う瞬間がある」人は7割以上、「ONタイムのノーメイクOK」と判断する人が約15%。「メイクもファッションもラクさや効率生重視」(33歳・メーカー・営業企画)といった声が紹介され、そのあたりから「オス化」が進んでいる、とみなされている。
この背景として、均等法施行から20年が経ち女性が働くことが一般化したけど「男性並みのハードさが求められ、その結果、女性性を押し殺してしまう」と、人材活性化コンサルタント前川孝雄氏が分析する。識者の意見を見ると「女性ならではのちょっとした気配りがあるだけで、職場の雰囲気が一気に和らぐ」(アナリスト・中川三紀さん)、「女性の“すごい〜”“かわいい〜”といった感性や、感じたことを男性以上に素直に表情や言葉にする表現は、ビジネス現場を盛り上げ明るくします」(『デキる女には「ウラ」がある』著者柏木理佳さん)、「女子にとって仕事モードへのまたとないリセット法がお化粧」(PRコンサルタント飯野晴子さん)など、日経ウーマンとは思えない、女らしさの推奨である。(つづく)(神谷巻尾)

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