日曜ミニコミ誌!/活きた島情報満載「季刊リトケイ」
島といえば小笠原諸島か沖縄方面のことしか思い浮かばなくても、
海に面した県の出身者なら、一つは故郷に近い島に思い至ることができるのではないだろうか。
新潟県人なら佐渡を、山形県人なら飛島を、愛知県人なら佐久島を。
「季刊リトケイ」は、探しにくい各島々の情報を集めるウェブサイト「離島経済新聞社」から生まれた紙媒体の季刊誌。編集者やデザイナーさん方が集まって作ったこともあり、デザインセンスの良さや記事クオリティーの高さは噂に聞いていた。最近、03号(2012夏号)を買ってみた。
本当にものすごいハイクオリティー!
そのことは一番最後のページにある「私、島人です。」という連載の文章で思い知った。
この号の「私、島人です。」では「琉人マブヤーさん」を紹介している。沖縄のご当地ヒーローだ。「スーパー・メーゴーサー(げんこつ)!」という琉球風味たっぷりの必殺技をはじめ、沖縄の言葉をちりばめた紹介文が、なぜかものすごく読みやすいのだ。マブヤーさんの出身地から仕事をする上での流儀、みんなにどんな良い子になってほしいか、これからの目標。ファンタジーの住民である「マブヤーさん」が、そのキャラクターは崩さずに、でもとても親しみやすい書き方で紹介されている。その筆力、ほしい。
誌面は特集の他に「訪れる」「知る」「語らう」「暮らす」など、「島に人がどうアクションするか」になぞらえて構成されている。観光用の情報だけではなく、島暮らしを支える法律の情報などリアルに島に関わっている、または関わりたい人達のための記事も。
日本は島国。であれば、離島はミニマムな日本の姿。過疎と高齢化に悩む島々は、まさに日本を鏡のように映していると言える。ということは、住みよく活性化に成功している島は日本がこれから何をすべきか、そのヒントを持っているのでは。モデルは約430。一つ一つに訪れ、その空気を感じてみれば学ぶことはきっといくらでもある。でもそんなに沢山の島をたずねることは不可能だ。だからこういう雑誌が必要なんだなあ。季刊タブロイドの「リトケイ」も、ウェブサイトの「離島経済新聞」も、どちらも時間のあるときにじっくり読んで生きるヒントを見つけたい。
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