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2012年10月

2012年10月30日 (火)

『醤油鯛』、ラジオ・TV・新聞と、続々ご紹介

9月10日に発売した『醤油鯛』。

各メディアからの熱視線が止まりません。

●9/11、「エキサイトレビュー」でご紹介

「お弁当に入ってるおさかな型のしょうゆ入れ「醤油鯛」の本格研究書」

ツイート数がすごい!

ちなみに、『これって「醤油鯛」っていうんだ、ふうん』とつぶやいている方もいますが

造語ですのでご注意を。

●9/17、9/19 朝日新聞1面に広告掲載

メディアからの、というよりは自社からの広告なのですが、これを皮切りに

読者の方がブログで感想を挙げて下さったり、メディアからお声がけ頂いたりということが

ぐっと増えました。

●「週刊読書人」9/28号に書評掲載

●10/1(しょうゆの日) 東京中日スポーツ・中日スポーツに本著と著者インタビュー掲載

同日にTBS「ひるおび!」で記事のご紹介がありました。

●10/8 つボイノリオの「聞けば聞くほど」(CBCラジオ)に著者が出演

●10/12 「かんさい情報ネットten!」にて、著者と「ランチャーム」販売元の旭創業さん、製造元のランチャーム出石さんインタビュー

旭創業さんでは「ランチャーム」という商品として売られている「醤油鯛」。

社員の皆さんが着ている「ランチャーム」のTシャツが印象的でした。

●10/24 朝日新聞夕刊「まちの埋蔵文化人」に著者が登場!

これからも、ぜひお見逃しなく。

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2012年10月26日 (金)

OL財布事情の近年史/第100回 「OL」を完全に捨て「女子」をまとうオンナたち!分岐点の09年(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

前回のつづき。最近急速に広まっている「女子」という言葉の出どころを探っていた。

ワーキングウーマンを標榜し続けた『日経ウーマン』の変化も見逃せない。以前、OLという呼び名は女性の75%が嫌い、というデータを紹介したが(82回)、OLをなんと呼ぶか問題に、日経ウーマンが取り組んでいた。2009年4月号「働く女性の「呼び名」“OL”そろそろ変えてみませんか?」で、読者と各界識者が提案している。読者の応募で一番多かったのは「ワーキング・ウーマン」。他には「ビジネスパーソン」「ワーキングパーソン」など男女の区別をつけないもの、キャリアをアレンジした「キャリ女」「キャリーヌ」などが目立ったとか。識者の意見では、「有職女性」(上野千鶴子)、「ワーキング・レディ」(藤巻幸夫)「ビジネスパーソン」(香山リカ)など、まあ普通というか、目新しさはない。そのなかで、唯一「女子」の文字があったのが、町山広美の「おつとめ女子」。おつとめ、がご奉公みたいに見えたのか、その後広まった気配はないが、この手があったか、という新鮮さである。

このおつとめ女子に、誰か引っかかりを覚えたのかどうなのか、その2ヶ月後、おそらく初めて大特集に「女子」が登場した。2009年6月号「年収300万円全国アラサー女子のリアルライフ」である。キャリアアップをめざし、貯蓄して自立する、いわば大都市圏の働く女性視点に思われた日経ウーマンが、その対象を全国に広げたときに出てきたのが「女子」であり、年収300万円という低めかつリアルな数字を出した、というのは大きなターニングポイントといえる。20代後半女性の8割くらいが働いているんだから、何も都会でスーツを着て通勤している人ばかりじゃない。当たり前なのだが、そんなことを働く女性誌が打ち出したワードが、女子。やがて日経ウーマンではいつのまにか「働き女子」なる呼称が、浸透していく。OLもワーキングウーマンもビジネスパーソンも、どうにもしっくりこなかった呼び名が、どうやら女子に収れんしていった模様だ。働く女性も、自分たちのことを女子と呼ぶのに抵抗はなさそうだ。なぜなのか。つづく。(神谷巻尾)

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2012年10月23日 (火)

東京みくじ巡り/俊太郎みくじ

 ちひろ美術館で行われていた谷川俊太郎展でみくじを引いてきた(現在は終了しています)。
 最寄り駅の上井草駅へ降り立つと、アニメ一色。駅前にはガンダム像。どうやら上井草はアニメの街を標榜しているらしい。蛇足だが、上井草は杉並区にあり、ちひろ美術館は練馬区にある。
 編集者のOさんが谷川俊太郎Ttwitterで見つけたというので一緒に行ってきた。ごくたまに本人がツイートしているらしい。
 
 とりあえず入館し美術館を楽しんだあと、グッズコーナーにてみくじを引いた。これを引くまでが大変で、それらしき箱やポスターなどがなく、見て回った末に見つけたのがおみくじコンプリートセット。これを買ってみくじとしてもいいけど、やはり引きたい。どこにあるのやらと思っていたらカウンターで引けることが判明。はじめから聞いておけばよかった。
 カウンターで料金(100円)を支払うと出てきたのが、くじ引きのような箱。この中に入ってるの? なんて思いながら引いて紙を広げたところ数字が。紙には11と書いてある。一体どういうことだ! などと少し混乱していたら回収され、引き替えに名刺大のカードをもらった。どうやらくじ引きの要領で数字の書かれた紙を引いて引き替えるシステムだったみたい。

Shunmikuji_2  オモテ面に俊みくじとあり、ウラ面に谷川俊太郎のことばが書かれている。
 どれどれと見てみると、「いいことあります。 四葉のクローバーがみつからなくても」
 いいですね。これは吉、いや大吉でしょう。だって、いいことがあるんだもの。
 イヤなことばかり続いてツキに恵まれないときほど、呪術やスピリチュアルなどにすがってしまいません? 小学校低学年の時のこと、近所の団地にシロツメ草が生えていてそこで一生懸命探しましたよ、四つ葉のクローバーを。なんであれが幸運のシンボルなのかはわからないけど、四つ葉はなかなか生えていないレア草だから見つけたらラッキーということで広まったのかしら(推測)。
 よくよく考えてみると、占いにかかるお金やクローバーを探す時間があるなら、しのごの考えずに自分を信じて行動した方が解決早いよね。その間にタイミングやチャンスを逃しているかもしれないし。他人の言葉やお守りに頼っている限り幸せはやってきませんよ。
 しかし、占いを信じない私でもにっちもさっちも行かなくなったときはさすがに、タロット占いくらいはやってしまいます。いい結果が出なかったら思う通りの結果が出るまでやり続けるたちだから占いをする意味がない。 だから、俊太郎さんが優しく的確に、「そんなことするまでもないよ(必要ないから)、いいことはあるのだから(要は気の持ちよう)」と忠告してくれているような気がした。ということなのでこれからも自信を持って我が道を進もうと思う。ありがとう、谷川俊太郎。(月島めぐる)

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2012年10月22日 (月)

とりあえず食べておけ/第4回 ホルモンを食う資格

1990年代初め、バブル景気が終わり、不景気の波が少しずつ押し寄せてきたと感じた始めた頃(その後に「失われた10年」と呼ばれるほど不景気が続くとは誰も思っていなかったけれど)もつ鍋が流行った。ホルモンとも呼ばれる内臓をニラとニンニクのきいた鍋で食べる。

もともとオヤジに人気のメニューだっただけに、オヤジの聖地にギャルが進出してきた、あるいは若い女の子にオヤジがご馳走しても喜ばれるといった切り口でメディアを騒がせたものだ。それから20年、もつ鍋はかなり市民権を得た。少なくともオヤジだけの食べ物ではなくなった。

ただ、「もつ」や「ホルモン」などの内臓料理が悲哀を失ったわけではない。肉のくせに高倉健演じるムショ帰りのような暗い顔をフッと見せる。それが内蔵系の「アジ」だろう。だからこそ、食べる人も選ばれる、と思う。内臓の悲哀に波長を合わせられない人物は食べてはいけないのだ。たぶん。

理想は場外車券場や場外舟券場で、革ジャンを着ながらもつ煮を食べたい。できればレースの合間にかきこんで、「ごっさん」と言いながら小銭をカウンターに置きたい。そんなシチュエーションが似合う男になりたかった。

齢(よわい)四十を超えたが、残念ながら渋さや悲哀はいっこうに身につかない。ワタワタとせわしなく動き、周囲に驚かれるほど高い声を発し、酒にも弱くビール1杯で寝てしまう。こんな男にもつやホルモンを食う資格はない。

ところが福島県でホルモン焼きを食べる機会を得た。
会議の後、ホテルのレストランで一次会。それからの二次会で連れて行ってもらったのが、ホルモン焼きとギョウザの有名店「鳥政」。焼き鳥があるわけでもないのに、なぜか鳥政。大鳥政夫さんとかが店主なのかもしれん。

新宿ゴールデン街のような、スナックの並ぶ懐かしい小径に入ると、白地に黒文字で「鳥政」と書かれた置き型の看板が光る。その小径には人っ子一人いないのに、店ののれんをくぐったら一卓を除いて満席だった。男だらけの店内は笑い声とホルモンとたばこの煙が入り交じり、何だか入った瞬間にホッとした。昭和生まれのDNAが無条件に反応したようだ。

Photo


お好み焼き屋さんのようにテーブルごとに鉄板があり、ホルモンとキャベツ、ニラ、もやしを炒める。2人前を頼んだが、けっこうな量だ。キャベツがしにゃしにゃとしてきたら、小手でワシワシをかき混ぜていく。自家製の味噌に漬け込んであるホルモンから出る肉汁を、しっかりと野菜にまぶしていくと野菜がいい色に変わっていく。ギョウザをつまみながら、ホルモン焼きをつつき、ウーロン茶を飲む。

下戸の自分を恥じ入りつつ、酒飲みだけが集える店に連れてきてもらった幸福を噛みしめた。ホルモン焼きもぎょうざも1人前420円。どちらもたっぷりの量だ。こういう良心的な店が生き残っている限りは、まだまだ日本の大丈夫なのだという気がしてくる。

「放るもの」(=棄てるもの)から名付けられたともいわれるホルモンは、きらびやかさがない。うら寂しくもある。ただ力強い。適度な脂が胃をがっしりとつかんでいく。大量の野菜にもまれながら、肉汁でしっかりと味を調えるよう走り回っている。それは会社に逆らうこともなく、必死に会社と社会と家族を支えてきた高度経済成長期のオヤジたちを思い起こさせる。

う~ん、やっぱり自分はホルモンを食べる資格はないな……。いい加減に生きてごめんなさい。ホルモン食べながら反省しきりでありました。(大畑)

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2012年10月21日 (日)

冠婚葬祭ビジネスへの視線/自由に弔われる時代がやってくる

 念のため最初にお断りすると、今回は「ビジネス」寄りの記事ではない。
 遺灰を海や山に還す「自然葬」を弔いの一つの形として提案する「葬送の自由をすすめる会」が、去る10月1日に「葬送基本法推進懇談会」を行った。
 「葬送基本法」とは同会が制定を求めるべく草案を作っているもので、現行の「墓地、埋葬等に関する法律」よりも死者を弔う方法の自由を前面にうたった法律を目指すという。
 懇談会に参加し、法案執筆者である中村裕二弁護士、宗教学者の山折哲雄氏、島田裕巳氏、そして会代表である安田睦彦会長の話を拝聴した。

 「『葬送の自由』といっても、最近は散骨も認められてるっていうじゃない。違法じゃないのであれば、どうして今更法律を作る必要があるの?」
 そう考える向きも多いかもしれない。
 確かに同会が1991年に海洋散骨を行った際、当時の法務省と厚生省は「葬送のために節度のある方法で行われる限り」認められるという見解を示した。しかし「本来、葬送の自由は公共の福祉に反しない限り自由に認められる基本権の一つである」というのが、中村弁護士の見解である。基本的人権となれば、国や行政がみだりに妨害したり干渉したりすることができない。「節度のある方法で」という、そのままの表現であれば、いつか限界がきてしまう。その人が考えうる限りでのしめやかな態度で散骨をしたとしても「節度がない」と言われたら最後、その周辺で散骨が禁止されかねない。そこにノンというのが中村弁護士だ。「節度」という言葉はとても曖昧な表現であり、とても法律の場で使えるようなものではない、というのである。

 奥山自身、自然葬を「3ステップで誰も文句のない散骨」として紹介することがある。
1、場所を見つける…無難なのは海。
2、粉骨する…そのままでは見かけた人が驚きます。
3、「弔い」として「撒く」…心を込めて、決して埋めてはなりません。

 この3番目が、我ながら引っかかるのである。「弔い」として「撒く」というのは、「節度をもって、弔いとして」「墓地じゃないところに埋めると法律に引っかかるので、あくまでも撒きましょう」ということで、現行ならこの説明でOKのはず。
 でも、と違う自分が肩をポンとたたく。
 「弔いの気持ちで散骨してるか否かって、誰がどう決めるの?」
ーー手を合わせているだけで、ただ骨が邪魔で遺棄したいだけかもしれないのだ。
 「海なら埋められないのは当然だけど、山で散骨するときも、ちょっと土で覆うことすらできないわけ?」
ーーちょっとでも土をかけたらその時点でアウト、っていうのも、なんだかヘンな気がするよね……

 そう、この「葬送のために節度のある方法で行われる限り」という表現、きわめてアバウトなのだ。客観性の全く感じられない言い方なのである。これでは散骨したくて勉強する人も「えっ、結局のところ具体的にどうすればいいの?」と頭がこんがらがってしまうに違いない。誰かに「あなたは葬送のために散骨したのではない(つまり供養ではなくただの遺棄である)」とか「全く節度のない散骨の仕方である」と責められたときに有効な反論が持てないのだ。今のままでは、自由な弔いが法で守られているとはいえないのである。

 「葬送基本法」は葬送の自由が守られるべき基本的人権であることをうたうのが目的の一つだ。かつて犯罪被害者の人権の発見により「犯罪被害者等基本法」ができたように、人権は「発見の歴史」を持っている。今また新しく、一つの人権が発見されつつある。それを見届けたい。(奥山晶子)

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2012年10月19日 (金)

OL財布事情の近年史/第99回 「OL」を完全に捨て「女子」をまとうオンナたち!分岐点の09年(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

気づいたら女性誌ににわかに増殖した「女子」。
それ以前に「男子」は、2005~6年頃のメガネ男子、草食男子に始まりすっかり世間に浸透していた。しかし、草食男子の対となる肉食女子は、どちらかというと「肉食」部分のアピール度が強く、単語としての「女子」にはさほど注目されなかったように感じる。同じ頃の文化系女子、森ガール、山ガールなどに見るように、「女子」「ガール」はオタク、非モテ、ガーリー系志向の女性の呼称として使われていたのではないか。
そのマイノリティワードが一気に全女性に広まったのは、いつからなのか。どうにも気になって、女性誌数誌の目次を括ってみた。どうやら転換期はゼロ年代末、2009年のようだ。

前回取り上げた『With』は、2007年9月号「恋も仕事も人生も 25歳は女の分岐点」のような、前向きで上昇志向なイメージの「女」「美女」の表記が主流だが、やがて「好感コーデ30連発」(08年5月号)、「おしゃれハッピー¥9999以下」(09年1月号)のような、チープシックな表現が目立ってくる。そして09年には本格的に、「女子力UP5つの法則 お仕事ガールの愛されマナー練習帖」(09年4月号)、「働くWithガールの新ルール」(09年5月号)、「働くニッポン女子の真夏の流行実況スナップ」(09年10月号)と、女子・ガールが完全定着。働く女性は「おシゴトガール」、美女は「キレイな女子」といった表記が現在も使われている。

女子化がもっと激しいのが、『an・an』。2008年11月19日号「結婚、仕事、家族...女子の未来計画」を皮切りに、5月27日号「日本女子のたしなみ?」、7月15日号「女子的トーク術レベルアップ!」、8月19日号「モテる大人女子の条件とは?」、9月2日号「女子心を満たす最新カメラ術」など、10年1月20日号「女子のための最新「萌え」入門」と、女子・女子の大放出である。でもこう見ると、確かに使い勝手のいい単語だ。女性とか女に差替えて、「女性の未来計画」とか「女心を満たす」としてみると、何かニュアンスが違う。どうしても男性の姿がチラホラするというか。この背景にあるものについてはまたあらためて述べよう。
(つづく)(神谷巻尾)

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2012年10月16日 (火)

寺門興隆を読む/2012年10月号

 何気なく目次ページをめくったら「増頁10月号」とあってびっくり。どうして増ページ? 何も思い当たるニュースはないけど、その理由は、これからじっくり読めば分かってくるのかも。そんなわけで、今月号の見出し。

寺院典礼施行権否定判決/宗派寺院災害対策/寺院課税論/宗門商標権/直葬の原因/新連載現代日本宗教最前線/北朝鮮遺骨調査/避雷針選び/いじめ問題/御詠歌住職

 新連載! 漫画雑誌なら巻頭に来るところだが、『寺門興隆』ははしゃがない。真ん中付近にそっと持ってくる。そんな新連載「現代日本の宗教最前線の状況と問題ーー比較宗教社会学の視座から」は、北海道大学教授で宗教社会学者の櫻井義秀氏が担当。なんかすごくイケメンなんですけど……(必要ない情報でしたね、失礼)。第1回は「社会で日々起きている新たな宗教の胎動を知るために」。まずは筆者自身の立ち位置や研究内容を示すために第1回まるごとが割かれている。社会学という学問の特徴、さらに宗教社会学とはいかなるものか、そして「比較宗教社会学」とは? という段階を踏まえた分かりやすい説明がありがたい。学者の説明だからムツカシイかと思いきや、ちょっとくだけたところもあって面白い。次回以降も期待できそう。

 そして「北朝鮮遺骨調査」。特集ページには、ドーンとお骨の写真があってちょっとびっくり。北朝鮮では、遺骨は桜の木の下ではなく、トウモロコシ畑の下に眠っていた。終戦後、国交がなく遺骨の収集ができなかった北朝鮮で、今年の8月に突然墓参許可が下りた。そのレポートである。厚生労働省によると北朝鮮には約2万人の日本人の遺骨が眠ったままだという。その遺骨はどのように埋葬されているか、その詳細が初めて明らかになったのだ。遺骨調査をした北朝鮮からの引き揚げ者が作る民間団体「全国清津会」の訪朝についてはテレビでも大きく取り上げられたが、この記事でも詳細にレポートされている。興味のある方はぜひ購入されたい(別に回し者ではありません)。あ、もしかして増頁はこの特集のためなのかも!

 他にも、雷からお寺や大仏を守る避雷針の選び方や寺院への課税が様々な識者から提案されている問題など、注目すべき話題が満載。「寺院・住職に提言直言」は早坂暁&宮内勝典と、これまた豪華です。(小松)

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2012年10月15日 (月)

とりあえず食べておけ/第3回 デトックス効果のあるフランス料理

東日本大震災の半年ほど前だったろうか、私は友人と「ダイエット倶楽部」を結成した。漫然と減量に取り組んでも食欲に負けるから、互いにワンサイズ下の服をプレゼントしあい、数ヶ月後にその服を着てレストランに行こうと企画したのだ。

そのための服をみんな買いに行ったときの女性陣は怖かった。身体のラインがハッキリ出る服をこれでもかと選び、仲間の試着室に送り込む。体型のウィークポイントを的確に拾う服を見ながら、各自、本気でやせないとヤバイと実感したのである。

しかし、ちょうどダイエットの成果を披露しようと考えていた時期に3.11が発生。ダイエットどころではなくなってしまった。私もスナップと呼ばれる、押して止めるタイプのボタンが付いたシャツをタンスにしまい込み、ダイエットを中断。見事に肥え続けた……。

しかし先日、ひょんなことから、せっかく買った服をお披露目しようという話になってしまったのだ。2キロは痩せて腹をへこませないと、すっごく格好悪いと感じていたシャツを、さらに2キロ増やした体型で着てみた。ボタンとボタンの間から肉が覗くというセクハラまがいのコーディネートとなった。レストランでお腹が膨れれば、いきなりスナップボタンがはじけ飛ぶ可能性も。超人ハルクかっての……。

あまりの惨状に泣きを入れ、下にTシャツを着て、ボタンを留めない形で着る許可をもらった。中年男性の腹を見て食事をするのは、みんなもさすがに我慢がならなかったのだろう。

さて、そんなお披露目会のためにセレクトしたのが、フレンチのル・ゴロワ。夏は死ぬほど忙しかったので、デトックス効果のあるレストランに行きたいとの提案に応えたものだ。

医食同源という言葉があるが、ある種の食事は身体の調子を整える。以前、「オテル・ドゥ・ミクニはうまくないが、多少の病気は確実に治してくれる」と教えてくれた人がいた。発言した当人も知人から聞いたときは本気にしていなかったそうだが、風邪気味で食べ始めたとき、食べ終わったころに全快。ミクニのすごさを再認識したとのこと。残念ながらミクニで食べたことはないが、圧倒的な食のエネルギーが病気を吹き飛ばすことはあるだろうと思う。

ル・ゴロワは特にデトックスをうたっている店ではない。ただ、食べると体調が整うという友人が何人かいる。私自身も、その効果を実感している。どうしてなのか理由はわからない。

かつては表参道に店があった。カウンターがメインの小さなレストランで美味しいと評判だった。値段も高くはなく、居心地もよかった。ただ、ランチにはいいけど、ディナーには物足りないとも感じた。スケール感が物足りなかったのだ。

人それぞれだと思うが、フランス料理のディナーを食べるなら、私は複雑さがほしくなる。付け合わせやソースの組み合わせで、肉や魚の作り出す世界をもう一歩広げてほしいのだ。豚の脂ってこんな形でうま味が出てくるのねとか、火の通ったカブは肉とこんなに合うのねとか、皿全体のスケール感に圧倒されたい。できれば、こちらのくだらない固定観念を吹き飛ばすほどの包容力で、料理にハグされたいのである。懐の大きな“漢”に憧れる乙女の心境なのだ。

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かつのル・ゴロワは、どこか「学生」みたいだった。コンフィーなどかなり美味しいと感じたが、実直さが全面に出過ぎていた。ところが外苑前に店を移し、しばらくしてから化けた。実直さに裏打ちされた包容力が、皿からほとばしるようになったのだ。そのうえデトックス効果まで。素晴らしい!!

「ル・ゴロワちゃんも、ステキな男になったよねー」と、どこか中年女性のような口調で、絡みつく視線を皿に向ける私に、もちろん「ダイエット倶楽部」の女性陣はどん引きである。

それでもいい。ダイエットよりも、女性の視線よりも、うまいものが僕にとっては重要なのだから。そして、また肥えていきます……。

※写真はメインのシャリアピンのステーキ。美味しそうに写せなくて申し訳ない……。

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2012年10月14日 (日)

日曜ミニコミ誌!/活きた島情報満載「季刊リトケイ」

Ritokei_no3_1_1 日本には約430もの有人島があるらしい。

島といえば小笠原諸島か沖縄方面のことしか思い浮かばなくても、

海に面した県の出身者なら、一つは故郷に近い島に思い至ることができるのではないだろうか。

新潟県人なら佐渡を、山形県人なら飛島を、愛知県人なら佐久島を。

「季刊リトケイ」は、探しにくい各島々の情報を集めるウェブサイト「離島経済新聞社」から生まれた紙媒体の季刊誌。編集者やデザイナーさん方が集まって作ったこともあり、デザインセンスの良さや記事クオリティーの高さは噂に聞いていた。最近、03号(2012夏号)を買ってみた。

本当にものすごいハイクオリティー!

そのことは一番最後のページにある「私、島人です。」という連載の文章で思い知った。

この号の「私、島人です。」では「琉人マブヤーさん」を紹介している。沖縄のご当地ヒーローだ。「スーパー・メーゴーサー(げんこつ)!」という琉球風味たっぷりの必殺技をはじめ、沖縄の言葉をちりばめた紹介文が、なぜかものすごく読みやすいのだ。マブヤーさんの出身地から仕事をする上での流儀、みんなにどんな良い子になってほしいか、これからの目標。ファンタジーの住民である「マブヤーさん」が、そのキャラクターは崩さずに、でもとても親しみやすい書き方で紹介されている。その筆力、ほしい。

誌面は特集の他に「訪れる」「知る」「語らう」「暮らす」など、「島に人がどうアクションするか」になぞらえて構成されている。観光用の情報だけではなく、島暮らしを支える法律の情報などリアルに島に関わっている、または関わりたい人達のための記事も。

日本は島国。であれば、離島はミニマムな日本の姿。過疎と高齢化に悩む島々は、まさに日本を鏡のように映していると言える。ということは、住みよく活性化に成功している島は日本がこれから何をすべきか、そのヒントを持っているのでは。モデルは約430。一つ一つに訪れ、その空気を感じてみれば学ぶことはきっといくらでもある。でもそんなに沢山の島をたずねることは不可能だ。だからこういう雑誌が必要なんだなあ。季刊タブロイドの「リトケイ」も、ウェブサイトの「離島経済新聞」も、どちらも時間のあるときにじっくり読んで生きるヒントを見つけたい。

■「季刊リトケイ」取扱店一覧

http://ritokei.com/contents/kikanritokei/%e3%81%8a%e5%8f%96%e6%89%b1%e3%81%84%e5%ba%97%e4%b8%80%e8%a6%a7/

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2012年10月12日 (金)

OL財布事情の近年史/第98回 貯金も借金も一人前「女子」登場!09年(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

前回のつづき。

貯金はシッカリしながらも、ローン返済額もばっちり過剰な09年OLの実態を見てきた。

この、まずい状況にはやんわりふたをしておいて、こんな中でも消費を楽しむのがいい女、的なトーンが通底するお財布記事である。
『With』2009年9月号「攻めと守りのガールズマネーライフ」は、「不況と言われる時代、賢いWith読者は何を節約し、何に投資しているの?」と、賢いマネー使いを紹介している。調査概要が明らかではないが、貯蓄が「25歳で250万円が一般的」というから、平均年齢はそのくらいなのであろう。手取り月収245500円、平均服飾費22650円、美容費11000円、52.9%が家計簿をつけている、と堅実である。
「乙女のリアルマネーライフを直撃取材!」というだけあり、具体的な買い物がたくさん登場する。最近購入した高額アイテムは、1位ブランドバッグ、2位ノートパソコン・パソコン、3位ブランド財布、4位最新家電と、PC家電が人気だ。この世代、高校時代でポケベル、その後ピッチ、携帯と、ネットネイティブで機器ものが身近なのだろう。「2大人気はパナソニックレッツノートとソニーのポケットPCバイオ」というから、数年後確実にスマホに移行している。服はプチプラのH&M、フォーエバー21、INDEXがあがるが、美容関連では「PLAZAでバカ売れ!」のプラチナゲルマローラー(14,800円)、トランスダーマC(21,000円)など高額ヒット商品が。一方節約に関しては、「ホームパーティーが大流行中!」で「ホムパ需要でホットプレートがうれてます」「月に1度は開いて、ガルトーを楽しみます!」とか、「ブログでお得なガールズライフ」で懸賞やモニターを活用する様など、やりくり上手な面を紹介、「こんな時代でも、みんな使うとこは使って、セーブするとこはきっちりしてます!」とまとめている。

若い女性は賢く消費してるんですよ、というこれらの記事に、もうひとつ共通する記号がある。それは、「女子」。今では30代でも40代でも全然女子オッケーな世間だが、それは10年代に入ってからのこと。数年前までは、20代の働く女性向けの雑誌に「女子」「乙女」「ガールズ」という表現はあまり見当たらなかった。ここから堰を切ったような「女子」の拡がりに、財布との密接な関係が見える。ような気がしているので、それはまた次回。(神谷巻尾)

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2012年10月11日 (木)

『醤油鯛』著者、CBCラジオに出演【報告】

去る10月8日、『醤油鯛』の著者である沢田佳久さんが

CBCラジオ「つボイノリオの聞けば聞くほど」に出演しました。

その様子を少しだけ、「聞けば聞くほど」ブログと「今週のお言葉」で覗くことができます!

「聞けば聞くほど」ブログ

http://blog.hicbc.com/blog/kikeba/archives/2012/10/08/35390.php#more

「今週のお言葉」

(沢田さんが登場する回は10/15までの配信)

http://hicbc.com/radio/kikeba/kotoba/index.htm

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2012年10月10日 (水)

新・初老男のデモ趣味(後編)

“その国の真の国民性を知りたければ、SEXをするより街頭デモに参加、デモ参加者や取り締まる官憲の様を、注意深く観察するのが一番だ”。

●7月13日●

 一体幾ら警備費を使ってるのか、国会で徹底追求してくれと絶叫したくなる(「国民の生活が第一」の森ゆう子議員に是非!)、機動隊・私服・車両・鉄柵他の大動員の2週目。地下鉄、国会議事堂前駅改札を出るなり、有無を言わせずに4番出口に導く、若い下っ端警官集団(地下鉄構内のゴマの蝿)。中には背後で監視する上役に点数稼ぎしようと、「どちらへ?」などと、職質まがいの愚挙に及ぶお調子者も。「知った事か! ペッ!!」と唾を吐く真似をしてやり過ごし、デモ隊が密集する地上へ。

 先週にも劣らない参加者でビッシリ。主催者の整理係と警官がコンビで、右手の財務省・外務省方向へ盛んに導こうとする。裏金官憲が右にと言ったら左に行きたくなるのが、健全な納税者の良識だ。そうしようと頑張るが、暑いし警官の嫌がらせはしつこいしで、ゲッソリ。一旦はともかく右手に避難、今日の計画を練ろう。途中に右ヘの急な下り坂。先週はここを坂を降り、経産省前のテント村に行った。また下ったら先週と同じ轍だ(1度降りると再び戻って来るのを、何の法的根拠もないのに警官が妨害。国会眼前の日本無法地帯)。承知してるのは筆者だけではない模様。下り坂の周囲には100人前後の参加者が、反原発・野田と叫びながらたむろってる。非常にいい雰囲気。さっそくまぜてもらう。

 無論、ゴロツキ警官どもはそうさせまいと、「立ち止まらないで下さい!」と盛んに違法な妨害行為。彼等には主として2つの目的が。4番出口を出た事情の良く分からない参加者を、国会や首相官邸から遠い場所へ、坂を下らせて散らせる事。実際、そういう従順な参加者は多いのだ(江戸の仇は江戸で討て!)。主催者側の女性案内係も同一口調なので、警官に反感を抱いてる者もつい従っちゃう。も1つ。直進方向に元気のいいいデモ隊が(高円寺テイストの歌舞音曲集団)。それに合流させまいと必至で警官の壁を。こちらの不法策動はそれなりに成功していたが、坂周辺の人々は甘くはなかった。

 坂に向かい、左側には植え込みがあり空地も。人数的にはここがメインだが、右手の壁際にも相当数が。この人々がなかなか個性的だった。左側は女性や子供、中高年と今回のデモの縮図。が、右側には初老男、そう、団塊世代の元全共闘風の初老男が多数。飄々として警官のつきまといをやり過ごし、去っても再び三たび戻って来てはヘラヘラ。面白そうなので俺もそちら側に。早速、ガキ警官が「ここに立ち止まらないで下さい」と体を押す。「気持ち悪いな。お前ゲイか?」「私も好きでやってる訳じゃないです。とにかくここに立ち止まらないで……」隣にキャメラマンコンビ。1人が持ったアルミの脚立に、講談社と黒マジックで。だらしない連中で、警官のご指導にさっそく従わんとの動きを。「他の人を見ろ。マスコミが唯々諾々と従っちゃ、男がすたるぜ」「………」さすがにしばらく踏み止まってました。

 偉そうな事をほざいてた俺が、30分後に再び左手に戻ったのは、主催者側の前回のサディスティックなタイプではなく、朴訥な女性整理係に懇願されたため(情けねえ奴!)。加えて右側は急勾配なため、長時間警官とダンスを踊ってると疲れる。右側は入れ替わりが激しいが、左側にはどんどん人が集まり、一時は200~300人に膨れ上がる(下に向かってデルタ型に)。右側に小汚いファッションの若者が1人。複数の警官のつきまといを毅然と無視してたが、やり取りの中で転倒。この際は凄かった。「暴力反対!暴力反対!!暴力反対!!!」激しい抗議に一帯の警官はオロオロオロ。この時と、よろめいた車椅子のデモ参加者の手助けを、警官どもが一切しなかった事への抗議が、一番高揚して楽しかった。ちなみに転倒させられた青年は、眼が据わってて少し怖かった(失礼!)。美人女性コンビに警官を背に記念撮影まで。名刺を渡したら、ちゃんとメールしてくれた。わざわざ四国からすいません。

 結局この日は最後まで参加。「シネマヴェ-ラ渋谷」の、脚本家・神波史男追悼特集に行けずじまい。でも後悔のない一夜でした。

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●7月27日●

 29日の日比谷公園での大集会のため、この日のデモには首都圏反原発連合は不参加。そのせいか暑さのためか、日頃の6~7割の参加者数と推測。お陰さまで動き回り易かった(裏金警官の違法な妨害行為は相変わらず)。4番を出て左手の国会記者会館前まで楽々と。着いた時はたんぽぽ舎関係の人間が、門前でつまらない演説を。「新聞社も上はデモを無視してますが、現場の人は精一杯頑張ってます」文字通りの妄言。まだ大マスコミ幻想を抱いてる、ヨイヨイ野郎がいるのにはビックリ。『日刊ゲンダイ』や『東京新聞』以外は、上も現場も腐っている。労働組合もだ。現実に眼を閉ざす点では、被曝に対する現民主党政権と同レベルな馬鹿演説者である。
 
 社民党の福島瑞穂が、例によって気持ちの悪い語尾上がり演説開始。そばでの珍獣見物中に、またもや痴漢警官が複数まとわりつき、歩道のヒモ囲い地帯内側に入れと。「そんな点数稼ぎしても、裏金は増えやしねえよ」「う……上は知りませんが、僕らはそんなモノもらってません」「またまた。納税者に嫌がらせしてりゃ、残業代もタップリ。いい稼業だねえ」「出ませんよ。僕らは5時からの勤務だし」と、脇のもう1人の警官と相槌を。周囲には上役(裏金タップリ)が監視の眼があり、彼等もゴマの蝿業務に奮励努力。別に同情はしない。幾らでも転職の効く体格してんだし。

 税金で運営されてるのに、“犬と中国人(日本人)は入るべからず”並の看板を出している、国会“泥棒”記者会館。デモ参加者のトイレ使用も断固拒否中と(納税者は野良犬以下!)。が、この日は庭の一角に、子供連れ参加者用の臨時休憩所が(前からあったのかは不明)。ママさんたち大助かり。目付きと育ちと素行の悪そうな会館警備員が、同様な私服に苦情をネチネチと。今は事を荒立てたくないためか、相手にされていなかった。付近には愚鈍そうな男女が5~6人。特権的記者階級の皆様方だ。中の1人で朝日の腕章を巻いた、同世代の男が近くを通る。「朝日だなんて腕章、良く恥ずかしもなく巻いてられんな。ホラばっか書きやがって!」「………」うつむいて通り過ぎる、やぼったいが善良かつ真面目で、無能そうなエリート記者様。その後、フジテレビの取材クルーとも歩道で遭遇。「フジテレビは捏造報道ばっかするな!!」と、100円ショップで買ったメガホンで連呼すると、慌てて先程まで朝日の記者をいたわっていた、記者会館に逃げ込んだので苦笑。正しい報道をしているのなら、朝日もフジももっと堂々と胸を張れ。機動隊員のスカートの中でいちゃつく、犬の犬にふさわしい姿だが。
 
 この日も警官や大マスコミの皆様とお友達になれて、非常に充実した一夜に。いつかの“坂道の仲間”の影を求め、下り坂付近にも行ってみる。残念な事にほとんど人影はなかった。眼付きの据わったお兄さん、今も元気にしてらっしゃいます?

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 ●8月31日●

 暑いので約1カ月間さぼる。肉体的問題も。デモに参加するとつい興奮しちゃう。高血圧者としては少し熱を覚ます必要を自覚。人数は最盛期の7割前後か。参加者にも妨害する裏金警官にも、やや疲労が感じられる。例によって国会“泥棒”記者会館前へ。入口付近で退屈な演説を聞いてると、日経の車が入って来る。「そこ、邪魔だから退いて!」糞生意気な同館警備員。「うるせえ!」「………」警官までガードマン代わりに車の案内。大マスコミと官憲癒着の象徴的光景。「警官がそんな真似する必要ないだろう。ここの職員でもねえのに」「い……いえ、危ないので」「入口、こんなに広いじゃん。ちっとも危なくなんかねえよ」無視して立ち続ける(ヒモ囲いの中にデモ参加者を封じ込めたくて、あらゆる屁理屈を駆使する警官ども)。

 こういう場面になると、必ず現われるあるタイプが存在する。「そんな下っ端の人をいじめても可哀想。もっと偉い人を追求しなきゃ」俺の眼を見ずにうつ向いて、この時も脇の中年男がポツリ(前出の朝日の記者ソックリ)。日頃なら、「あんた警視総監のダチ公かよ、ええ? 俺たちに接するのは末端。そいつに文句言えない奴が、いつどこでお偉いさんに抗議すんだぁ? 笑わせんな糞馬鹿野郎。中国人やユダヤ人を殺したのは、大日本帝国中枢やナチスの幹部じゃない。末端の善良な兵士だろう?あんたは無抵抗に殺されながら、幹部を恨んで黙って死ぬのか!?」と一喝する所だが、血圧の事を配慮して我慢(本当にデモには国民性が正直に出る)。

 この日は田中康夫が白い風船を配り、女性連れの鈴木邦男も見掛けた。7月前後なら、混雑でたぶん見分けもつかなかったろう。最盛期は明らかに過ぎた。物事はすべてそういうもの。秋口も時々参加して、再び盛り返すのか、しつこく少数で続くのか、風化するのかを確認する予定。無論、来年は第3弾を必ず執筆!(編集部の意向は完全シカト)。(塩山芳明)

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2012年10月 8日 (月)

とりあえず食べておけ/第2回 てんぷら近藤なのに油に勝てない

 揚げ物のうまさは、体に聞くことにしている。身体が油に勝ち、胃袋に負けたら一級品。胃袋との勝負になる前に身体が油に負けたら要注意だ。特に天ぷらは串揚げは、油に負けて腹七分目で食欲が止まるようだといただけない。

 当然のことながら、歳とともにハードルは上がっていく。学生時代、どんな真黒な油で揚げた天ぷらでも大量消費できたのに……。体力の衰えを、日々実感するのだ。

 さて、銀座のてんぷら近藤は、ミシュランで2つ星を得た名店中の名店である。天ぷらの衣の薄さが芸術的とも言われる。もちろんまずいはずがない。ただ絶品でもなかった。
 なぜかコースの中盤で飽きてしまったのだ。出始めはよかった。エビの身も、頭もフレッシュ感があった。ジューシーさが口に広がった。それなのにコースの後半から油に押され始めたのだ。油の攻勢にズルズルと後退していく様子は、ボディー打ちのうまいアウトボクサーと闘っているようだった。ノーモーションで繰り出される、意外ななほど重いパンチが体力を奪っていく。こちらは数を打たせたいのに、数少ない的確なパンチが時間とともに効いてしまった。
 お腹いっぱいで、もう食べられないよーと嘆くことなく、その日、私は敗北感を抱えて箸を置いたのである。

 これが神保町の“揚げ物コンツェルン”「いもや」なら文句は言わない。600円の天丼はヘビー級。揚げても、揚げても油の交換はない。四十を超えて正面からぶつかろうは思わない。ヘッドギアを付けて、パンチを軽く打ち合う程度でダメージが残らないうちに店を出る。揚げ物追加は厳禁だ。それでもたまに強いパンチをもらってうずくまることがあるが、負けたとしても清々しさは残る。
 600円でしっかり出汁を取った味噌汁まで付いて、なんと素晴らしい店だろうと行くたびに幸せな気持ちになる。

 一方、近藤は1万5000円。天ぷらだと美味しくて当たり前という値段でけに厳しい。それでもネットの口コミ情報を見ると評価は高い。やはり自分の口に合わなかったのだろうか。あるいは店主が揚げていなかったからか、それとも自分の体調不良だったのか……。原因はわからない。
 そのうえ食べた天ぷらの記憶が残らないのである。料理の明確なアウトラインがぼやけてしまう。記憶力の悪さに定評のある自分だが、食べ物の記憶がまとまらないのは珍しい。

 あ~! 1万5000円払って記憶が残らないとなると、脂肪とウンチを買ってしまったような気になる。何だか泣きたい。

 友人ともども哀しみが止まらず、この日の恨み(勝手に言われても困るだろうが(笑))を、後日、串揚げで晴らすことになるが、それは、またいつか。(大畑)

 

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2012年10月 7日 (日)

明日午前、『醤油鯛』著者がラジオ出演!CBCラジオ、つボイノリオの「聞けば聞くほど」

事前告知の通り、『醤油鯛』著者の沢田佳久さんが

あす10/8(月)、ラジオ番組に出演します。

★★CBCラジオ つボイノリオの「聞けば聞くほど」★★

http://hicbc.com/radio/kikeba/

10/8(月)あさ9:00~11:40

愛知・岐阜・三重にお住まいの『醤油鯛』ファン必聴です!

聞くところによると、つボイノリオさんも『醤油鯛』とは

ただならぬ関係をお持ちだとか……!

とても面白いお話が聞けそうです。

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2012年10月 5日 (金)

OL財布事情の近年史/第97回 貯金も借金も一人前「女子」登場!09年(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

そこそこ貯金をして、まあまあの給料をもらいながら、貧困を恐れるゼロ年代末の20代女性。この世代は、バブルの頃に生まれて、小中学生くらいまではリッチに育てられ、高校生になると渋カジ、コギャルなどで注目され、3人に1人くらい四年制大学にも行くようになったけど、社会に出る頃に右肩下がりになっていった、という気の毒な境遇でもあった。しかし世の中も女性誌も、若い女性の財布に期待する。彼女たちの消費行動を擁護し、応援する、という論調が感じられるお財布記事である。

『anan』2009年1月号「気になるみんなのマネー事情'09」では、300人にアンケート、「今どき女子のマネー・スタンダードがここに!」と銘打って紹介している。平均28.2歳、正社員57%、派遣22%、パート、アルバイト18%で、平均月収25.4万円、貯蓄額平均463.78万円。確かに、これまで見てきたデータとほぼ相違ない。収入に対しては満足30%、不満70%と圧倒的に不満が多いが、その理由を分析して電通総研・田中理絵氏は「理論づけがしっかりしているところが、現実的な今の20代後半の世代感覚を反映しています」という。満足派は「収入は少ないが自分の時間がとれる」(31歳・21万円)、「まだ仕事を覚えたてなので妥当」(21歳・12万円)、不満派は「大卒の割に少ない」(25歳・19万円)、「生活するには十分だけど、貯金ができない」(26歳・12万円)とか、である。むむ。まあ「買いたい物がいっぱいー」「いくらあっても足りなーい」みたいな旧タイプ発言に比べれば理由にはなってるかもしれないが、理論か? と言われればバカにしすぎ、とも思う。
さらに気になったのが、貯蓄と借金の項目。ここでは貯蓄額に加え、1ヶ月のクレジットカード使用額やローンの返済額、総借金額があり、これまで見られなかったものだけに貴重なデータではある。
記事によると、月々の貯蓄額は4.6万円で、今の借金額(ローン含む)は109.92万円、月々の返済1.2万円 1ヶ月のクレジットカード平均使用額4.6万円となっている。なぬ、20代女性が100万の借金に、毎月返済1万円?と驚くが、先の田中氏は「今の20代の貯蓄意欲は世代別に見ても高く、生活防衛志向が強いのが特徴」とべた褒めである。悪いがこれは完全なミスリードであろう。だって、貯金してても、同額クレジット払いしてて、さらに返済があるから、毎月1万円以上の逆ざやになっちゃってますよ? これに関しては小さい文字で注釈的に、住宅や車のローンも含まれるので平均値が高くなっているとあり、ファイナンシャルプランナーの新屋真摘氏も「リボ返済を利用している人が多いのでは。気軽に借金できる風潮になっている点が少し心配」と指摘しているが、少しどころじゃないじゃんか。そのしくみを金融のプロは完全にわかっているのに、大して注意するでもなく、賢くてマネー上手、みたいに持ち上げていたのはどうなのだろうか。(つづく)(神谷巻尾)

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2012年10月 4日 (木)

『醤油鯛』著者が10/8(月)ラジオ出演!つボイノリオの『聞けば聞くほど」

『醤油鯛』が発売されて3週間。

朝日新聞1面に広告を掲載してからというもの、

お客様からメディアのみなさんまで、数々のお問い合わせをいただいております。

先日は中日スポーツで大きく取り上げられ、その記事がTVでも話題になりました!

そんな中、『醤油鯛』著者の沢田佳久さんが

10/8(月)、ラジオ番組に出演します。

★★CBCラジオ つボイノリオの「聞けば聞くほど」★★

http://hicbc.com/radio/kikeba/

10/8(月)あさ9:00~11:40

愛知・岐阜・三重にお住まいの『醤油鯛』ファン必聴です!

聞くところによると、つボイノリオさんも『醤油鯛』とは

ただならぬ関係をお持ちだとか……!

とても面白いお話が聞けそうです。

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2012年10月 2日 (火)

●ホームレス自らを語る 第118回 死ぬことを思えば何でもできる(前編)/吉田久人さん(仮名・62歳)

12102「死ぬことを思えば、何だってできるんだよ」隅田川に架かる白髭橋近くの河畔(台東区橋場)に建つ小屋のなかで、吉田久人さん(仮名・62歳)はこの言葉を繰り返し言った。それは人生の局面で、死を覚悟したことのある実感が籠もっているようにも聞こえた。
 ただ、当の吉田さん自身はとても明るく自信満々の人物である。陰鬱な死の影も、ホームレスであることの後ろめたさとも無縁の屈託のなさであった。
「生まれは栃木県西那須野町(いまの那須塩原市)。オヤジは宮大工の3代目。4代目は兄貴が継いだから、オレは中学を出て地元の自動車修理工場で働いた。仕事は塗装工。その工場には7年間いたよ。若い従業員の居つかない工場でね。同じ歳くらいの若者が、ずいぶん入ったけど1ヵ月もしないで辞めてしまうんだ。7年もいたのは、オレだけだったね」
 先輩従業員1210たちは新人従業員に「あれを持ってこい」しか指示しないから、適当な工具を持っていく。すると「バカヤロウ。それじゃねえよ」と怒鳴られて、その工具で頭をコツンとやられる。仕事も見て覚えろ方式で、教えてくれない。若者たちはそんな職場に嫌気が差して、すぐに辞めてしまうのだった。
 ところが、吉田さんはみんなとは違って目端が利いたのだ。先輩の作業を見ながら、次の作業の展開を読んで、必要な工具を予想して準備した。それがピタリと当たる。仕事も先輩の作業を見て覚えた。当然、先輩たちから可愛がられる存在であった。
「自動車修理工場というのは、職場の配置転換をやらないところが多い。塗装の職場に入ったら、ずっと塗装の仕事を続けることになる。オレには将来独立する夢があったからね。最初の工場を7年で辞めると、5年くらいで次々と工場を替えて、板金、車修理、見積もりとかを覚えた。それで35か、36歳のときに独立して、自分の工場をもつことになる」
 それより先、吉田さんは24歳のときに結婚している。見合い結婚だったという。
「見合い結婚だったけど、気立ての良い子でね。良く働くし、俺にも尽くしてくれる奥さんだった(吉田さんは妻のことを奥さんと言う)。奥さんのところは母一人娘一人の母子家庭で、オレは次男だったから婿養子に入った。婿養子に入ったのはいいが、奥さんの家は農家で田圃を2町歩(約2ヘクタール)もつくっていた。男手はオレ一人だったから、農作業がけっこう大変だったよ」
 稲作のシーズンは毎日朝早くから起き出し、農作業をしてから工場に出勤した。もちろん、日曜、休日は田圃に出て農作業に精を出した。目端の利く彼は、また働き者でもあったのだ。夫婦のあいだに男の子が3人生まれた。

 30代半ばで吉田さんは念願の独立をする。自分の自動車修理工場をもったのだ。設立資金は借金で賄った。
「念願の独立を果たして、はじめのうちは何とか商売になって順調だったんだが、そのうちに世の中は平成不況に突入し商売が傾き出したんだ。それからは毎朝3時には起き出して、まず知人の自動車工場に行って働き、それから自分の工場で働くというふうでね。夕方も自分の工場を閉めてから、別の知人の工場に行って働いた。それに農作業もあったから、平均睡眠時間は3時間くらいしかなかったんじゃないかな」
 そうまでして働いて現金収入を得なければ、工場を開業のときの借金の返済がままならなかったのだ。じつは吉田さんが工場を開業したのは、バブル経済が沸騰し絶頂期を迎えていたときである。まさに国中が活況に浮かれたような状態で、どんな商売でも濡れ手で粟のように儲けられたのだ。ところが、それから1年もしないうちにバブル経済は崩壊。売り上げはガタ落ちし、多額の借金だけが残ることになった。吉田さんにとっては、3時間睡眠の塗炭の日々が始まることになる。
 それでも吉田さんはへこたれなかった。持ち前の負けん気を発揮し、身を粉にして働きに働いた。
「人の3倍は働いたよ。死ぬことを思えば、何でもできるからね」すると、徐々にではあるが売り上げも回復していき、また軌道に乗るようになっていく。このまま順調にいけば、あと何年かで借金返済のメドがつくまでになったのだ。
 ところが、こんなときに吉田さんの身に魔が差したのである。パチンコの魔手に落ちたのだ。それまで働き詰めに働いてきて、その先に光明が見えた間隙を突くようにして、魔の手は忍び寄ってきたのだった。
「ちょうど90年代後半のパチンコブームのときで、そのブームにハマってしまったんだ。フィーバーして大当たりすると10万円くらい稼げるんだから、もう夢中でね。時間があるとパチンコ屋に入り浸るようになっていた。稼いだ金はみんなパチンコに注ぎ込んだ。大当たりさえすれば、すぐに取り戻せるような感覚だった」
 妻をはじめ周囲からの忠告は、まったく耳に入らなかった。
「ギャンブルに狂っても、若いうちに狂うと醒めるのも早いらしい。ところが、オレのように40歳をすぎてから狂うと、なかなか醒めないんだそうだ。家に生活費を入れないし、工場の借金は残ったまま。子どもは上の子が高校を出たところで、下の2人はまだ高校生だった。奥さんにも子どもにも見放されて、ダメな父親だったよね」
 吉田さんはしだいにがんじ搦めの状態になって、身動きが取れなくなっていく。本人は言わないが、彼はこのとき本気で死ぬことを考えたのではないだろうか。彼の口癖である「死ぬことを思えば、何でもできる」は、このときの経験に発しているように思うのだ。
 ただ、追い詰められた吉田さんが選択したのは、死ではなく逃亡だった。(つづく)(神戸幸夫)

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2012年10月 1日 (月)

とりあえず食べておけ/第1回 安倍のカレーより伊勢エビカレーが問題だ

 何だか目ざわりな「安倍総裁候補3500円カレー報道」である。
 自民党総裁選の出陣式で、安倍陣営が3500円以上のカツカレーを食べたのをテレビ局が報道。コメンテーターに値段予想をさせてた上で、男性アナウンサーが「みなさん庶民ですねー。3500円以上です」と総括したらしい。
 麻生太郎元首相を庶民感覚がないと批判したことを思い出せる報道だった。ネットなどでは話題沸騰だったようだが、正直、庶民感覚がどうこうという話はどうでもいい。
 3500円以上といっても、正確には3200円プラス10%のサービス料である。高めのカレーなら1200円という値付けはある。フィレカツ単品2000円も法外な値段ではあるまい。正直うまいなら適正価格だ。

 あらかじめことわっておけば、安倍晋三前首相のことは好きでもないし、私もけっこうな貧乏人だ。ただエンゲル係数だけは異常に高い。それは認める。食べるためだけに働いているといっても過言ではない。
 だからか、3500円ぐらいのカツカレーで騒ぐな、と言いたくなる。まして総選挙後の首相をにらんだ総裁選の出陣式。体調不良とはいえ、国のトップの責任を放り出した人物が悪びれもなく再登場することに異論はある。それでも3500円ぐらいのカレーなら自由に食べさせてあげたい。

 むしろ問題は、出陣式が行われたホテルニューオータニ「SATSUKI」のカレーが値段に見合うかどうかである(私にとってだけかもしれないが……)。

  「SATSUKI」のカレーを食べたことはあるが、残念ならフィレカツカレーはない。ただカレー自体、飛び上がるほど美味しかったという記憶がない。むしろ、この店で絶対に食べなければならないのは、「定番ポークソテー ガーリック醤油風味(パン又はライス付き)」2800円である。サービス料込みで3080円。この店のサービスに10%取られるのはどうかとも思うが、それでもたまに食べたくなる。肉厚な豚肉のジューシーさは、高いだけの洋食屋さんでは食べられない完成度だ。ナイフで切らないでかぶりつきたい衝動に駆られるのは、私だけではあるまい。

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 カレーで「庶民感覚」や「適正価格」を本気で考えたいなら(そんな人がいるとも思えないが)、志摩観光ホテルのラ・メール クラシックの伊勢海老カレーをおすすめしたい。間違いなく庶民感覚から大きく外れているが、適正価格なら難しいところだ。デザート・コーヒー付きで1万4000円(サービス料・税込)。
「10人前の伊勢海老カレーのルーを作るのに約1キログラムの伊勢海老の殻などを使用」という濃厚な味わいは、一口食べたら止まらない。カレーもライスもおかわり自由のため、胃のすべてを伊勢エビカレーが占めるまでかき込んだが、まだ食べたい。自分の胃の小ささを嘆きつつ、デザートへと突入したのだった。あー、今でも食べたい……。

 私にとっての美味しいカレーの条件は、しっかりと出汁が利いていることである。フォンが土台となってスパイスを支えてこそのカレーなのだから。

 ラ・メール クラシックの伊勢エビカレーは骨太だ。しっかりとした揺るぎない出汁が、カレーを全面的にバックアップしている。食べていると、あんこ型の相撲取りとガッチリ組み合っているような気にすらなってくる。食べ終わるまで、味にグラ付きはいっさいなかった。盤石の横綱相撲で寄り切られた感がある。すがすがしいほどの完敗。いや、もう何に負けたのかすらわからないが……。
 フレンス料理としてならクラシックに寄りすぎて、私の好みから外れるかもしれないが、カレーに限って言えば大正解だろう。

 ここまで美味しいなら、殻とはいえ10キロも伊勢エビ使ってるし適正価格かもと思う。しかしカレーに1万4000円となると、さすがにどうだ。3500円ならば旨いだけで許せる。しかし庶民感覚というか、私の日常感覚すれば、昼のお弁当で350円が40日分。
 どうなんだ~! カレーの1万4000円。

 そのうえ味にうるさい友人から思いがけない情報がもたらされた。ロイヤルホストのシーフードカレー(1102円・税込)が伊勢エビカレーと遜色ないほどうまいというのだ。
 あるかもしれない。そう思った。
 ロイヤルホストといえば、451円のオニオングラタンスープを出している店だ。1000円を割ったスープの中では、突出したうまさを誇る。カレーのように、繊細さにやや欠ける料理なら伊勢エビカレーと対等に戦える皿を作るかもしれない。

 この情報がもたらされて、はや1ヵ月。まだロイヤルホストに行けていない。正直怖いのだ。もし「ロイホ」のカレーが伊勢エビカレーと同等だったら、私の出した1万4000円は何だったの~!!

 すまん。落ちはない。
 安倍カレー報道で、一気に伊勢エビカレー問題が頭を巡り、そのやりきれなさを伝えたかっただけである。

 忙しさに紛れ、ずっとブログをさぼってきた。同僚に押しつけて逃げていたが、月木が担当として割り振られたので、更新できる日はひたすら食について書いておこうと思います。(大畑)

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