寺門興隆を読む/2012年10月号
何気なく目次ページをめくったら「増頁10月号」とあってびっくり。どうして増ページ? 何も思い当たるニュースはないけど、その理由は、これからじっくり読めば分かってくるのかも。そんなわけで、今月号の見出し。
寺院典礼施行権否定判決/宗派寺院災害対策/寺院課税論/宗門商標権/直葬の原因/新連載現代日本宗教最前線/北朝鮮遺骨調査/避雷針選び/いじめ問題/御詠歌住職
新連載! 漫画雑誌なら巻頭に来るところだが、『寺門興隆』ははしゃがない。真ん中付近にそっと持ってくる。そんな新連載「現代日本の宗教最前線の状況と問題ーー比較宗教社会学の視座から」は、北海道大学教授で宗教社会学者の櫻井義秀氏が担当。なんかすごくイケメンなんですけど……(必要ない情報でしたね、失礼)。第1回は「社会で日々起きている新たな宗教の胎動を知るために」。まずは筆者自身の立ち位置や研究内容を示すために第1回まるごとが割かれている。社会学という学問の特徴、さらに宗教社会学とはいかなるものか、そして「比較宗教社会学」とは? という段階を踏まえた分かりやすい説明がありがたい。学者の説明だからムツカシイかと思いきや、ちょっとくだけたところもあって面白い。次回以降も期待できそう。
そして「北朝鮮遺骨調査」。特集ページには、ドーンとお骨の写真があってちょっとびっくり。北朝鮮では、遺骨は桜の木の下ではなく、トウモロコシ畑の下に眠っていた。終戦後、国交がなく遺骨の収集ができなかった北朝鮮で、今年の8月に突然墓参許可が下りた。そのレポートである。厚生労働省によると北朝鮮には約2万人の日本人の遺骨が眠ったままだという。その遺骨はどのように埋葬されているか、その詳細が初めて明らかになったのだ。遺骨調査をした北朝鮮からの引き揚げ者が作る民間団体「全国清津会」の訪朝についてはテレビでも大きく取り上げられたが、この記事でも詳細にレポートされている。興味のある方はぜひ購入されたい(別に回し者ではありません)。あ、もしかして増頁はこの特集のためなのかも!
他にも、雷からお寺や大仏を守る避雷針の選び方や寺院への課税が様々な識者から提案されている問題など、注目すべき話題が満載。「寺院・住職に提言直言」は早坂暁&宮内勝典と、これまた豪華です。(小松)
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