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2012年8月10日 (金)

OL財布事情の近年史/第90回 2006年、セルフメイドなOLたち(後編)

 この自己完結なマネー人生観、女性のマネープラン企画に顕著に現れている項目があった。それは、離婚。『Ozmagazine』2006年3月13日号「女のマネーゲーム」、『シュシュ』2007年9月3日号「知らないとソンする女のお金一生分すべて見せます!」、『non・no』2007年12月5日号「私の人生How much?」、3つとも、現在から亡くなるまでの出費のなかに離婚が出てくる。2007年4月から離婚時の厚生年金の分割制度がスタート、離婚もお金もタブー視しない機運が高まっていた時期だからだろうか。
 『Ozmagazine』では、「慰謝料 約100万~200万円 養育費1人あたり月約2万~4万円」と、夫からもらうケースを前提としているが、養育費は払われないことも多いから、慰謝料を多めにもらっておいたほうが安心、とアドバイス。
 『シュシュ』の特集は、人生の主要な出来事、結婚、出産、病気、転職などにおいて、いくら貯金をしておくべきか、そこで知っておきたい税金や法律の知識など、細かく整理した良記事。40歳で離婚する場合、目標貯蓄額は300万円としている。この特集では、なんとケータイの特設サイトを開設、質問に答えていくだけで自分の人生にかかるお金を計算してくれるというサービスをしていた。QRコードも掲載してあり、ケータイ連動の普及ぶりが感じられる。
 『non・no』は、浮気した場合とされた場合を細かく試算している。妻子ある男性と浮気して離婚する「派手コース」は、慰謝料夫に200万円、浮気相手の妻に100万円、養育費も自分の子供と相手の子供両方親権放棄すると1440万円などで、計マイナス1940万円、高収入の夫に愛人がいて別れる「堅実コース」は、慰謝料1000万円、資産が多く財産分与が1500万円、養育費2280万円で、プラス4780万円。へーなるほど。ってこれ、『non・no』ですよ。ファッションと恋愛と、あとお弁当グランプリとかしてたフツーの女の子の雑誌が、離婚にめちゃ詳しくなるとはねえ。ちなみにこの企画に続く「知っておきたいお金の常識ランキングで、読者100人に聞いた「みんなが知りたいお金ネタ」、1位は年金の話である。ノンノガールが年金を語る時代になっていた。
 というか、このときのお金の興味は、節約や貯蓄でなく、年金と税金のようである。前出『Ozmagazine』、28~30歳のシングルウーマン100人への緊急アンケートでは、「生活をしている中で、税金・保険などの不満はありますか?」に対して、「ある」が100%。不満、ということは、意識もしているということだろう。それも全員。前出『シュシュ』では、「控除を増やせ!OLができる節税対策」で「社会保険料を安くするため4~6月は残業を控えて」「健康保険と医療費控除は関係ない」など、節税の裏ワザを解説。『女性自身』2007年2月20日号「働く女性のマル得年金&一時金」では、「もらえるお金はすべていただき! 基本は自己申告...だったらとことん言わなくちゃ!」と、現状の制度をフル活用して収入を増やそう、と提案している。記事冒頭、柳沢伯夫厚労相の「女性は生む機械」発言への怒りがぶちまけられ、「ならば、国から取れるものならなんでももらおう」というロジックに展開している。仕事も結婚も安全なものは何もない、これからは頭も使ってしぶとく生き延びてやる、という時代に突入したようである。面白いじゃあないですか。(神谷巻尾)

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