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2012年7月 4日 (水)

新・初老男のデモ趣味〈前編〉

くも膜下出血で緊急入院して頭をカチ割られて死線をさまよい、1カ月近く糞尿垂れ流し状態が続いた程度では、決して止められない街頭デモの奥深い楽しさについてじっくりと語ろう(パチモン植草甚一)。

 自分で命名して言うのもアレだが、“新”という文字に誠に申し訳ない、心底くすみきった題名だ。使用済みマラサック(別名コンドーム)を乾燥させて巻き直し、新品と偽って売ってるような罪悪感が(故・田中登監督の日活ロマンポルノ作品に、実際にそういう場面があった)。“新”と“初老”の間には、深くて広い川がある。エロ漫画業界でも既に“穴開きマラサック的存在”だが、国民年金支給までにはまだ7年。生きのいいヤンガーゼネレーション諸君が眼も向けない、隙間分野で細々と糊口をしのぐ日々(最近編集したエロ漫画。女装専門の『女装奴隷』。スカトロ専門の『トイレの秘密』。アナルSEX専門の『肛欲』)。しかも妻子に、ネームのデータ打ちを手伝ってもらわないと、進行も出来ない。慣れていかなる内容にも驚かない、白髪頭の老妻や嫁入り前の娘を見ていると、公務員以外の人間が日本国で生きる事の修羅を痛感。

 筆者がくも膜下出血で40日近くも入院したのが、昨年の7月下旬。約1年前。さすがに昨年中はデモ参加も見合わせた。昔と違い裏金ゴロツキ機動隊と乱闘になり、警棒で頭を割られる心配はまずない。しかし、自称右翼の単なるネオナチ差別集団、在特会他と機動隊がタッグを組み、違法行為をしてないデモ参加者を、不当逮捕するハレンチ行為は時々。そんな場面に興奮(何しろ高血圧者!)、小心なのに現場に駆け付け、殴られでもしたら悲劇。やっとこさふさがった手術跡が、再びパックリコンじゃ泣くに泣けない(7割は国民健康保健でまかなえたが、入院・手術費も100万以上かかった)。郵便局と生協の保健のお陰で、結局は50万位の“黒字”に。しかし、あんな体験は500万儲かっても御免こうむる!(5000万なら一晩考えさせてもらう……)。

 昨年の本連載後編では、5月7日の渋谷サウンドデモまでの報告を。筆者が病院に担ぎ込まれたのは7月21日の深夜(日付け的には22日)。昨年の手帳を見たら、その間にも1度デモに参加していた。病気以前から物忘れは激しくなってたし、今では完全にボケ老人予備軍。薄れた記憶の再生に務め、まだデモ後のうまいビールが飲めた、貧乏でも少し幸福だった時代の最後のレポート(2年間の完全禁酒を言い渡されている。手術後1週間くらいで、けいれん・意識喪失の症状が。けいれん止めの薬は2年間は服用せねばならないと。それに伴う禁酒措置と思われる)。

●2011年6月11日・反原発前橋ええじゃないかデモ●

 高崎や桐生での反原発デモを主催して来た人々がメイン。群馬県警や前橋地方裁判所の眼の前、群馬教育会館という教員組合の結構立派なビルの横からスタート。最近では常識となった鳴りもの持参の若者を先頭に、1000人前後が寂れた県都中心街を約1時間練り歩く。競輪開催中の、前橋グリーンドーム脇の緑地で解散。警察の嫌がらせはほとんどなかった。が、東京電力前橋支店前がデモコースから外されていたのは、不当極まりない。来たる7月14日にも、前橋で同団体による反原発デモが予定されてるが(当然参加予定)、警察のコース事前干渉には断固たる反撃を。反原発イコール大量殺人企業・東電糾弾だ。地元の「スズランデパート」(落ち目百貨店)や「煥乎堂」(落ち目老舗書店)に、いくら絶叫してもむなしい。

 団塊世代参加者が前橋地方裁判所横を通過する際、「よくここに裁判闘争で抗議活動に来たいねえ」「あそこの庭を突っ切ったりしてのお」「昔はあんまりうるさかなかったい」「そうなんさあ」。もろ上州弁。60~70年代には、記録映画の傑作『圧殺の森』で知られる高崎経済大学、群馬大学、群馬高専には、中核派を主に腐るほど活動家がいたから。残党はデモ旗ふり役にも加わってる模様。彼等かどうかは不明だが、デモ中に主催者側の整理役のオッサンが、車道に溢れた隊列を歩道に導いた事が。安全第一を考えたのかも知れないが、公安でもあるまいにふざけてる。「ちゃんと車道を歩かせろ! 何のためのデモだと思ってる!!」と一喝。うるさい奴だなあとの表情を一瞬浮かべたが、すぐ元通りに。元フロント派の下っ端、仙谷由人に典型なように、団塊世代の“俺様振り”は放っとくと無限に肥大しかねない。俺はお前等のコマとしてではなく、車道のド真ん中を闊歩する、デモ行進が趣味で富岡くんだりから出張って来た。正直に言えば、反原発も反検察も反消費税も、それに従属するコマに過ぎない。初老男のデモ趣味を甘く見るな!(エラソ-に)

 デモ解散後、知り合いの高級車で高崎駅まで送ってもらう。彼は玉村町の土建屋で(通称“赤い土建屋”)、独立系映画館「シネマテークたかさき」の理事も兼ねた、もの好きな田舎土方文化人。今は亡き井上工業の井上房一郎に比べるとせこいが、俺よりはずっと金持ち(漫画屋BBSで俺を知り、『エロ漫画の黄金時代』や『出版業界最底辺日記』も読んだと)。高崎のデモで声を掛けられ知り合う。今夜は玉村で一杯奢らせてくれと。確か同じ群馬県内なのは知ってるが、どうやって帰るのかも不明。送ってくれると言うので、かなり迷ったが遠慮する(井上房一郎のように男色家の可能性もあるし)。これが失敗だった。1カ月後にあんなザマになるとは……。迷わずに最後のタダ酒をがぶ飲みしておくべきだった。たとえケツを掘られても(当人はゲイにあらずと言ってはいるが……)。

 赤い土建屋殿、俺の入院を漫画屋BBSで知り、「シネマテークたかさき」の受付の美女と、入院先の「高崎総合医療センター」までお見舞いに来てくれたと。まだ救急病棟で頬をひくつかせてた頃で、当然面会謝絶。本当に釣り落とした魚ならぬ酒は、うまく見えるもの。本年度分は次回から。(付記)。デモ参加の際に、伝えない大マスコミの自称記者を見掛けたら、こう絶叫すべし。「報道もしねえのに取材なんかしてんじゃねえよ馬鹿野郎!会社の腕章なんか恥ずかしげもなく、良く巻いてられんな!!」。6月29日の官邸前抗議行動の際に、地下鉄国会議事堂前駅階段でTBSの糞野郎にこれをやり、凄くすっきりした。『日刊ゲンダイ』や『東京新聞』は逆に励まそう。(塩山芳明)

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