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2012年7月13日 (金)

OL財布事情の近年史/第86回 エビちゃん現象きた! OLをのみこむ赤文字系雑誌の波(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

前回のつづき。

2006年、赤文字系雑誌の異常な売れ行きについて見ていた。

 しかし、このバカ売れの背景に、この時代の空気も感じられる。「最近は、女性と男性にウケる服が一緒になってきた」「エビちゃんみたいな人って昔は、男性だけだったんじゃないかな、評価するのは」(32歳フリー編集者)「レースとかフリルって女の子の永遠の憧れなんですよ、でも、ちょっと前まではほとんどタブー」「でも『CanCam』が提唱してくれたおかげで〈あり〉だって確立された」(前出26歳)、「『CanCam』って、男の子があまり写ってないんですよ」「彼氏に向かって笑顔を向けてるんだろうなと伝わってきて、こっちも幸せになるんです」(28歳精密機器メーカー、2児の母)などなど、ものすごいポジティブ発言の連なりである。これはいったい……
 出席者は仕事を続け、家庭を持ったり大学に入り直したりという前向きな女性たちだが、こういうカテゴリーの女性はジャケットだったり、パンツスーツだったりの、いわゆるかっちりしたキャリアスタイルを求めるように仕向けられていた。仕事はしたいけどそんな服着たいわけじゃない。かといってかわいい服が好きなのは、男に媚を売りたいからじゃないし、そんな目で見る男はいらない。そんなところに堂々とかわいい系を着て、だけど誌面に男はいなくて、私たちに向かって幸せを振りまいてくれる、エビちゃん。お気楽OLにも、キャリアウーマンにも違和感を感じたり、総合職、契約社員、派遣社員など、微妙に難しい立ち位置同士で働いたりという女性たちにとって、『CanCam』およびエビちゃんは、実は画期的なイノベーションだったのか。
老舗女性誌が苦戦して休刊が相次ぎ、目新しいのはほっこりお洒落系雑誌くらいだった2006年、働く女性と遠い位置にいたと思われる赤文字系雑誌が、実はリアルな働き女子にもっとも寄り添っていたのかもしれない。(神谷巻尾)

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