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2012年6月15日 (金)

OL財布事情の近年史/第82回 03年、ナチュラル系ライフスタイル雑誌が続々発刊!ほっこりな日々(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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前回のつづき。

 ほっこり旋風が吹き荒れているちょうど同じ頃、派遣労働法改正で製造業務にも派遣が解禁になったのが2004年。正社員OLはますます衰退の一途になるわけだが、働く女性自体は確実に増えている。25~29歳女性の労働力は、1985年に54.1%だったのが2005年には74.9%、従来出産育児で労働力が下がっていた30〜34歳も、85年50.6%が2005年62.7%と、働かない方が少数派。だけどその実態は、多様化なのか散逸なのか、見えにくくなっている。
 そんなもやもや感を受けたように、働く女性の実感を表現した作品も登場した。酒井順子のエッセイ『負け犬の遠吠え』(2003年)と、安野モヨコの漫画『働きマン』(2004年連載開始)である。『負け犬〜』は、30代以上、独身、子なしの女性を自虐的に負け犬と定義、夫も子どももいる主婦にあえて勝ちをゆずりつつ、仕事も趣味も楽しむ幸せな生き方を語り、働く高年齢シングル女性に支持された。一方『働きマン』は、男社会の週刊誌の現場で猛烈に働く女性編集者が主人公。「男スイッチが入る」と、寝食も恋人も忘れ徹底的に仕事に没頭する姿は、確かにOLはおろかキャリアウーマンとも仕事人間とも言いがたく、男女関係なく「働きマン」がふさわしいのかもしれない。

 新しい働く女性像が出始め、いよいよ「OL」が形骸化してきた。『日経ビジネスアソシエ』2004年3月16日号では、女性向けwebサイト、カフェグローブの編集長青木陽子氏が、同サイトで「OL」「キャリアウーマン」という言葉について行ったアンケートを紹介しているが、OLという言葉を「好き」と答えたのはわずか3%、「あまり好きではない」「嫌い」を合わせると75%で否定派が圧倒的だ。一方「キャリアウーマン」は、平均では肯定42%、否定58%と拮抗しているが、年齢が高いほど人気がなくなり、30代後半では「好き」がわずか4%、「まあ好き」27%で肯定派がぐっと少なくなる。15年以上働いてきた世代からの「働く女性を異質な物と見る時代の言葉」「仕事以外を犠牲にしていそう」などといった声は、そうではない働き方を実践している主張だろうか。『AERA』2003年4月21日号でも「平均在社4.6年キャリア女性離職調査」で、雇用機会均等法第2世代に相当する1991年~95年入社の調査をしているが、そこでも「キャリアウーマン」という言葉をどう思うか尋ねている。回答は「違和感がある」が34%。「いまの時代、女性が働くのは当然のことなので、死語だと思う」「バリバリのエリートっぽいイメージが現実とかけ離れすぎて、もはやギャグにしか使えない名称」と、まあおっしゃるとおりの回答だ。
 貧乏OL、ほっこりぐらし、負け犬、働きマン。みんなちがって、みんないいんだけど働くのが当然の世界。そのお財布を、再び探っていこう。(神谷巻尾)

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