OL財布事情の近年史/第79回 遂に力尽きた!OL系雑誌大量廃刊の06年(前編)
連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。
各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。
エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。
全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!
極貧、ポジ貧でOLが笑いを取るようになってきた2003年、日経平均株価が1982年以来の底値を記録し、SARSや鳥インフルエンザが猛威をふるい、宮城県沖や十勝沖で大地震が起き、世界ではイラク戦争が勃発した。「プロジェクトX」や「千と千尋の神隠し」「世界に一つだけの花」がヒットし、六本木ヒルズがオープンした。なんというか、“社会不安が増大/人気のあるものに一極集中”という今の世相は、このころから形成されてきたのかもしれないと思う。
ただしそれは今から思えば、なのである。大卒女子の就職率が58.8%と00年以降の底を打ち、25〜34歳女性の非正規雇用者が3年間で30万人以上増えて初めて200万人を超える、などしても働く若い女性はOLとみなされ、当事者たちもまだその気分はなくしていなかった。女性誌にはマネー記事が花盛り、「楽してトクしてお金を貯める!」(『Caz』2003年1月27日号)、「目標額別 みるみる貯まるマネーノート」(『With』2003年12月号)、「収入と満足度のベストバランス」(『日経ウーマン』2003年5月号)と、まあ余裕のあるというか、上から目線のコンテンツである。特に『Caz』は、なぜかこの頃から数十ページを費やす大規模な家計簿調査を始め、それがウケたのか定期的に特集している。これはいいネタつかまえた、とホクホクしていたのだが、実はこれからほどなくして、2006年に休刊してしまった。調べてみると2006年は、この連載でもずいぶんお世話になった『コスモポリタン』と『エフ』も休刊していた。OLに寄り添った雑誌が次々脱落、OLも、女性誌という存在も、実質的に価値が崩壊したのがそのころだったのだろうか。
と、過去を振り返り、その近い未来を想像してむなしくなってみたりしたが、とりあえず2003年に突如現れた『Caz』のマネー特集を見ていこう。(つづく)(神谷巻尾)
| 固定リンク
「OL財布事情の近年史」カテゴリの記事
- OL財布事情の近年史/第108回 30年間総ざらい、財布の中身はどう変わった?(後編)(2012.12.21)
- OL財布事情の近年史/第107回 30年間総ざらい、財布の中身はどう変わった?(前編)(2012.12.14)
- OL財布事情の近年史/第106回 恐るべし「美顔器」の罠!10年代に突入(後編)(2012.12.07)
- OL財布事情の近年史/第105回 恐るべし「美顔器」の罠!10年代に突入(前編)(2012.11.30)
- OL財布事情の近年史/第104回 「女子」は何故ここまで支持された?アラサー女子の笑い飛ばせない現実(後編)(2012.11.23)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント