希望を映すハガキ絵集 WISHくん
『あらしのよるに』のきむらゆういち氏が、こんな言葉を帯に寄せている本。
可愛らしい装丁に惹かれ、絵本なのかな?と思いながらページをパラパラめくるだけでは、この本にこめられた様々な願いを理解し得ない。
これは、画家ドン・カ・ジョンさんが行っている「WISHくん」という企画から生まれた本である。
「WISHくん」と名付けられたポストに、一般の人々がお願い事を書いたハガキを投函すると、ドンさんがそのお願い事を絵や詩にして希望の宛先に郵送するという企画。
亡くなってしまった愛する人に会いたいといった切実なものから、縄跳びがうまくなりたいといったかわいいものまで、さまざまな願いにドンさんはそのやさしい絵で癒しを与える。
本を読めば、それぞれの願いの背景や届いたハガキを見た時の感動がストレートに伝わってきて、思わず目頭が熱くなってしまう。様々なつらさを抱えている人、全てに読んでほしい本だ。
活動は口コミで評判を呼び、「WISHくん」は2012年4月現在、名古屋、豊橋、京都、神戸、茨城、仙台などおよそ30箇所に設置されている(HPより)。
そう、仙台。ほかに、福島、岩手と、人々が重い心の傷を負っている震災の爪痕に暖かく添えるよう、「WISHくん」はそっと置かれているのだ。
5月には上野公園で行われる「上野の森 親子フェスタ」にドン・カ・ジョンさんが登場。朗読会・ハガキ絵実演などを行う。
5月3日(木・祝) 10:30~12:00
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