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2012年4月20日 (金)

OL財布事情の近年史/第75回 OLが発する言葉として正しい?「家具は拾ってます」(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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  ポスト団塊ジュニア、ロスジェネ、ゆとり世代、ナナロク世代などの呼称は、「OL」とはなんと遠い響きであろうか。あらかじめ満たされ、自分らしさを尊重され、男女平等に育てられたけれど社会に出たら環境が激変。オフィスのレディーとして期限付きの豊かな生活を享受するという習慣のかわりに、自力で生きていくことがデフォルトとなってしまった。OLにもキャリアウーマンにも魅力を感じられない彼女たちが選んだのが、趣味と主婦、という仮説のもと、今回は主婦について言及しよう。

 例えばナナロク、1976年生まれの女性がどんな家庭環境で生まれたかをみるとわかりやすいが、「専業主婦・家事手伝い」の割合が36.9%と戦後もっとも高かったのが1975年である(2009年は28.2%)。いわゆるM字カーブを描く年齢階級別の労働力でも、75年は25歳から29歳の労働力が42.6%と極端に落ち込んでいる(2010年は77.1%。M字の底は35歳から39歳で66.2%)。つまり「専業主婦、または子どもが生まれたら仕事を辞め家にいた」お母さんがどの世代より多かった。家にいるママ、専業主婦が自分の将来像に直結するのは当然であろう。やがて待ち受けていたのが就職氷河期であり、OLが特権階級でも憧れでもなくなっていても、実はそんなに悲観的ではなかったのではないか。だってママになり、主婦になるんだもーん。と、思っていたかはしらないが、お財布感覚は主婦のそれにシフトしていた。顕著に現れていたのが、節約である。

 節約といえば、『すてきな奥さん』(創刊1990年)『おはよう奥さん』(同95年)など、ニューカマーの主婦雑誌上で大変な盛り上がりを見せていた。読者が登場して節約テクを誌面で紹介、そこからカリスマ主婦が生まれ、それに若いママ達が追随し、部数もどんどん伸ばしていた。ただし、それはあくまで主婦のあいだだけの現象で、結婚前のOLは視界にも入っていなかったかと思われる、90年代までは。その構図が変わったのが、2000年頃。「貯める」「殖やす」がコンセプトとして打ち出されていた女性誌のマネー特集に、急速に節約がひとつの潮流となっていた。「生活節約レシピ」(『an・an』2000年12月1日号)、「少ないお金で賢く楽しく暮らそう! アンアン流チープライフのすすめ」(同2002年11月20日号)、「年収200万円台でもここまで貯まる!私の〈節約〉大自慢」(『With』2001年7月号)、(「春から始める節約道!」(同2003年4月号)、など節約やチープ自慢のテーマになってきているのだ。(つづく)(神谷巻尾)

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