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2012年3月16日 (金)

OL財布事情の近年史/第70回 不況が副業への夢を強める?まだまだ理想を追うミレニアムOL(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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 前回のつづき。『コスモポリタン』2000年3月号の特集記事から、2足のワラジ、副業を本業にと、自分の生き方を夢見ながらも模索する2000年OLの状況について見ていた。

 夢追い女子がいる一方、「会社とは年俸契約(略)労働時間で時給計算すると、一時間1000円に満たないはず(笑)」(レストラン店長兼PR担当30歳・年収440万円)、「2年前から営業成績というリアルな数字で年俸を決定されるようになった」「やるべきことが2倍になって(略)家でも仕事できるようにとパソコンを買ってしまいました。約30万円の出費(笑)」(広告代理店営業30歳・年収400万円)など、過酷な労働条件を「(笑)」で受入れてしまっているオトコオンナ・不況バージョンもいる。仕事と収入のバランスに、未だ切実さが希薄である。

 ここに登場するのは、20代後半以上、5年、10年と働いている女性が多い。つまり90年代初頭の、まだ景気のいい頃を知っている。就職したばかりなら、就職率も初任給も低く上昇志向も高望みも元からなかっただろう。だが、ベテランOLは、キャリアアップしたり三高メンズと結婚をしたりうまいことやっていたすぐ上の世代を見ていた。自分もそんな人生を送るのかと思ったのにあっさりその未来予想図は崩壊、「こんなはずじゃなかった」「生活レベルを下げるのは嫌」といった思いを抱き、働き方も生き方も迷走していたのではないか。

 と、思うのは話題を呼んだオセロ中島知子騒動を見て。彼女は現在40歳というから、2000年当時29歳である。普通のOLとは異なる環境とはいえ、仕事の成功や手に入れた暮らしへの愛着、想い描く理想像は、その年代の女性のものであっただろう。理想と自分探しと社会状況、そのバランスを保つのが大変な時代だったといえまいか。彼女と同じ、1971年生まれをちょっと調べてみると、丸川珠代、西川先生、オアシズの2人、中嶋朋子、藤原紀香、田中律子、くらたま、壇れい……金麦がこんなところに! ああ。なんだろうこのかんじ。と担当子と話していて、「何かをつかみとった人たち」ということに落ち着きました。迷走した面影も残るものの、自らの手で現実の中から何かをつかみとった結果、たくましい40歳になっている。

 この20年で、進学率も就業率も格段に上がり、女性の社会進出は進んだ。が、働く女性の背後には、実家、彼氏、マネーゲーム、おいしい福利厚生など、様々なお財布があったことを見てきた。仕事は、それらに付随する程度のものでよかった、これまでは。だが本格的な不況期に入り、もう女性にとっても仕事はおまけの存在ではなくなってきた。しかし、そこに気づく女性も、警告してくれる人も、 OL界には見当たらない。ふつうの、働く女性は、何をつかんでいったのだろうか。(神谷巻尾)

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