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2012年3月23日 (金)

OL財布事情の近年史/第71回 アラフォー美魔女の10年前、どんなお財布?(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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アラフォーとか美魔女とか、ナントカ女子と呼ばれることに違和感ない現在の四十路女性が20代後半だったのが、2000年前後の頃であった。果たして10年後の「40代女子」に至る萌芽は、当時どこかに隠れているのだろうか。と、記事を見ていくと、ひとつの文脈が目についた。それは、「ふだん〇〇してるかわりに、〇〇にはお金を惜しみません」というもの。不況期だけにお財布記事も「節約」「貯蓄」のテーマが目立つが、ふだん節約するかわり、好きなことは我慢しない貯め方がストレスフリーでハッピー、という論調だ。

「自宅からおにぎりを持参し、お茶は2リットルのペットボトルを会社の冷蔵庫にキープ(略)そのぶん友達と会うときは食べたいものを思いっきり食べる」(29歳・手取り月収25万円・親と同居/『With』2000年1月号「こんな時代でも20代で1000万円貯めてる女」)
「交通費は定期券を持っている区間以外は基本的に歩きます/こんなに頑張れるのは目標があるから。ワーキングホリデーでカナダに行く予定で、来年冬の出発までに200万円貯める」(28歳・月収25万円・家族と同居/『With』2000年12月号「今年、100万円貯められた女に学ぶ〈節約名人〉への道」)
「口紅はここ3年1本も買っていません/その代わりレジャーのときは思う存分使って遊ぶ!昨年冬のボーナスではバリ旅行と国内スキー、今年夏のボーナスでは30万円でオーストラリアへ」(26歳・月収18万円/同上)

 好きなこととは、食べ歩き、レジャー、海外旅行……20年間変わらないOL消費である。案の定、これらの記事で「貯蓄の達人」「節約名人」として登場しているのは、親と同居のオールドスタイルOLが中心。「手取り20万円のうち10万円を貯金」(26歳・月収20万円・家に1万円)、「就職して以来、貯蓄は年間100万円以上というペース」(26歳・月収18万円・家に2万円)という貯蓄術は、1、2万円で許される「家に入れるお金」マジックの効果が大きすぎる。かつてのように数年働いてお嫁に行くわけではなく、働き続け、給料が上がっても、家への入れるお金は価格据置。可処分所得が増えて余裕があるだけなのに、アドバイスする荻原博子先生さえ「家に入れるお金が少ないのも貯まった理由かな」なんてユルいこと言っているのはどうしたわけか。ちまっとした節約の成果をことさらフィーチャーすることで、問題の本質から目をそらす結果になっているとはいえまいか。100万円、1000万円貯めて、結婚せず、実家に暮らし、留学だの自己投資だのを続けていたのが、なるほど現アラフォー女子である。(つづく)(神谷巻尾)

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