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2012年2月13日 (月)

元サイテイ車掌の田舎日記/雪、雪、雪雪雪の世界

○月×日

 んだ。
 凄い雪だよね、ほんとに。
 「また来たのか、もう来なくていいのに」。最強といわれた大寒波に見舞われたばかりだというのに、再襲来ときたもんだ。
 時折雲の隙間から青空が覗く。それだけで心が和む。が、青空が広がってくれることはまずない。分厚い雲は西から東へと、日本海の方から次々とやって来る。ふと、雪に変わる。降りしきる雪は新たにみるみると積もっていく。もっこりとした、巨大な蒲鉾のような雪を乗っけた家々がひっそりと寄り添っているだけ。そして、吹雪く。春なんて暦の上だけの話だよ。酒田ではまだまだずっと先のことだ。
 それにしても雪の事故が多い。毎年の問題だが、屋根の雪降ろしなどで死亡するお年寄りが後を絶たない。こないだは家の前で雪かきをしていた54才のお母さんが戻ってこないからと家族が外に出ると、屋根からの落雪に埋もれて死んでいたというなんともいいようのない事故もあった。
 そんな雪はもううんざりだが、雪とただ対峙しているだけというわけにはいかない。じっと堪えるばかりではすまない。雪深い地域では毎日のように雪かきや雪降ろしをしないと日々の生活が成り立たない。
 昨日のニュースでは政府が除雪支援として101億円を各自治体に配分するといっていた。
 ここ酒田では数億円の除雪費が底を突いたと新聞に出ていた(ちなみに酒田より大雪の隣の鶴岡市の昨年が12億円かかったそうだ)。市役所には「除雪に来てほしい」などの電話がひっきりなしにかかってきているというが、除雪車をフル稼働しても追いつかない状況だという。そして何よりも人手が足りないということだ。
 また、早朝深夜の除雪は重機の音がうるさくて眠れないとの苦情も多いという。おれも最初は「何事か」と飛び起きたくらいだが、今でも閉口していることは変わりない。
 先日はNHKの全国ニュースで酒田の様子を見たと何人かが心配して電話やメールをくれた。「大丈夫だから。上手く撮ってあったけど、あの映像は実際とは違うんだ」とおれはいった。「実は、もっとヒドいんだ」と!?
 さて、雪降ろしの事故対策として、一人ではやらない、近所に声を掛けてからやる、命綱をする、などといっている。そりゃそうだけど、そんなこといってもね。おじいちゃん一人しかいないんだし、近所もない。また、何十年と事故もなく、雪降ろしを知り尽くしたプロがいちいちしち面倒くさい命綱などするはずがない。
 だが気になる。ニュースでは「死亡男性は命綱はしていなかった」と付け加えている。まるでそのこと自体が然も悪いかのように、おれには受け取れる。だんだんとこうした風潮が広まるのだと思う。自己責任が好きな世の中だ。もちろん命綱をするに越した事はない。そのうち得意の罰則付き県条例でも制定するのだろう。
 いずれにせよ、運が悪かったではすまないが、ちょっとした気の緩みなのか、こうした不慮の事故は気の毒でならない。
 ここでおれはいつも思う。一人暮らしのお年寄りの子ども達はどうしているのかという素朴な疑問だ。おそらく東京などに出ているのであろうが、帰ってこないのだろうか。なかなか帰省できない東京での多忙な事情はよく分かる。が、数日、いや、2~3日でもいいから休みを取って来てほしい。それだけで随分助かるのではないか。
 「また来たのか、もう来なくていいのに」ではないが、「東京で大変だろうね、頑張れまず。一人で大丈夫だから」とおじいちゃんはいうだろうけど……。(斎藤典雄)

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