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2012年2月21日 (火)

元サイテイ車掌の田舎日記/追悼、ホイットニー・ヒューストン

○月×日

 んだ。
 あの曲はよかったなあ。
 ホイットニー・ヒューストンが亡くなった。
 テレビのニュースでも連日破格の扱いようで、不謹慎だと思われそうだが、三崎千恵子や淡島千景はどうなったんだといいたくなってしまう。
 何はさておき、特に、90年代に発表された「オールウェイズ・ラヴ・ユー」は素晴らしかった。彼女の初主演映画「ボディガード」の主題歌という相乗効果も相まってか、あの世界的な大ヒットはまるで超常現象に近い感さえした。今久しぶりに聴いてみても、なんともドラマチックで美しいバラードだと思う。改めてこの曲に対してのいいようのないいとおしさに包まれてしまう。
 実はこの曲、ドリー・パートンというカントリー歌手(後に女優)の70年代の代表作で、おれ達ロックファンにはウェストコーストの歌姫、リンダ・ロンシュタットのカバーで広く知られるようになったのだと思う。そして、さらに数年後にドリー本人の主演映画の主題歌として再びヒットし、それがリメイクされ、ホイットニーで世界中の爆発的大ヒットになったものなのだ。
 おれはリンダのバージョンがお気に入りで70年代からよく聴いていたのだった。リンダのルックスは好みでなかったが、声がキレイでサウンドがまた心地よかった。ちなみにルックスでいえばドリーもケバケバでド派手すぎておれにはペケ。
 それにしてもホイットニーがこの曲を出した時には驚いた。凄絶な熱唱。ゴージャスなサウンド。何から何まで素晴らしいと素直に感動した。女性ボーカルの新しい時代の幕開けだと思った。が、しかし。おれにはリンダだった。日本人ならごはんとみそ汁のように、シンプルで派手さのないリンダの方への思い入れが強く勝った。
 やっぱり歌も含めた全体のサウンドだろうか。人それぞれの好みの問題だが、おれの場合はスライドギターに弱い。あの弛くてまったりとした流れの音色にはこの上なくグイグイと引き込まれてしまうのだ。
 また、おれはリンダ周辺のジャクソン・ブラウン、JD・サウザー、イーグルスなどの70年代のウエストコースト・ロックの面々のサウンドが好きでどうしようもないのだ。
 ふと、ここで、おれには80年代以降の音楽がすっぽりと抜け落ちていることに気付く。ホイットニーのように超話題になったものは別として、新しいものは殆ど知らない。つまり、おれの音楽は70年代で止まっているということだ。
 その理由は簡単だ。年齢的にも仕事や家事に忙殺され、趣味の音楽どころではなくなっていたからだ。いや、好きなことだから一応一通りは聴いてはいた。が、以前のようにじっくりとは聴かず、どれも軽く聞き流すようになっていたのだ。新人のものや新しいジャンルのものは買うこともしなくなっていた。もし買うとしたら、それまでに好きだったアーティストの新譜ぐらいだった。そのアーティストだけを追い続けるようになった。もうそれで十分に満足していたのだ。
 話が随分逸れた。ホイットニーのこの曲は日本では結婚式でもよく使われたそうだ。でもこれ、愛の歌には変わりないが、別れの悲しい内容なんだけどね……。
 ホイットニー、48才。まだ若い。本当に残念だ。あまりにも早過ぎました。さようなら。合掌。(斎藤典雄)

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