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2012年2月24日 (金)

OL財布事情の近年史/第67回 一人暮らしは自立の証?それとも……不況直中ミレニアム(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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 この時代に就職した担当子から、またリアルな指摘が。曰く「この頃からOLの一人暮らし率が増えているのでは。女子が社内結婚の花嫁候補でなく、本当に主戦力として採用されるようになった時期(事務職自体の採用がなくなってしまった時期)と一人暮らしが多くなった時期は、きっと一致するはず」というのだ。というわけでデータを掘り返してみたところ、仮説の証明はもとより、それ以上に厳しい現実がみえてきた。

 まず、この時代にOLになった女性たちが、どんな就職環境にあったのかみてみる。1999〜2000年に就職したのは、4年生大学への進学が主流になった世代であった。96年、女子の大学進学率が24.6%となり、短大進学率23.7%を初めて上回った。これ以降短大卒は減少の一途で、花嫁予備校的な存在に価値がなくなってきたといえよう。
 実際の就職率をみると、2000年は大卒57.1%・短大卒57.4%で、平成で最低の数字である。せっかくお嫁さんじゃなく社会の一員としての道を選んだのに、あんまりな世の中になっていた。新卒初任給も、2000年大卒18万7400円で前年マイナス0.7%、短大卒は16万3600円で0.9%増だが、その後横ばいで現在までほぼ16万円台で留まっている。以前も触れたが、派遣労働者数は99年に100万人を超え、2000年は前年より26.1%増の138万人となった。事務職採用がなくなったあとの受け皿は、主戦力というより、派遣になっていた。

 この厳しい状況の中、本当に一人暮らしは増えていったのだろうか。「一人暮らしOL」そのものを表す統計を探すのは難しいが、東京都の統計で国勢調査を元にした「東京都の単独世帯、女性25〜29歳の世帯主」という属性の数字をみると、2000年は24.4%、2005年には29.5%と増加。その上の30〜34歳世代も、2000年17.6%、2005年20.6%と増えている。それ以前のデータが見つからず比較が出来ないが、東京都の平均初婚年齢が80年から90年の10年で26.1歳から26.7歳と0.6歳しか伸びていないのに、次の10年では、2000年28.0歳で1.3歳、2005年には29.2歳と5年で1.2歳の伸び。アラサーシングル女子の増加とともに、一人暮らしOLもミレニアム前後からの増加が顕著、と言って間違いではなさそうである。(つづく)(神谷巻尾)

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