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2012年1月27日 (金)

OL財布事情の近年史/第63回 企業を抜け出し始めた女たち!ハケンの時給に惑わされ(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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 ドラマを見ていたら、スーツ姿の要潤が派遣で働いていた。前クールでも大島優子がパワハラで契約切られていたが、主役クラスも「苦労する派遣社員」になる昨今である。派遣のドラマといえば「ハケンの品格」(2007年)が代表的だが、スーパーハケンが活躍するという設定を楽しむ余裕は、今はない。ついでにいえば、本稿で振り返っている1998年は、左遷されたOLたちが奮闘する「ショムニ」がヒット。すでにOL界も、普通の社内恋愛や結婚がテーマにはなるような呑気な世界ではなく、5年後仕事がなくなるかも、という不穏な環境。「ショムニ」は正社員OLの存在意義を破天荒さと笑いを強調して、普通に会社でOLをしていたかった女性の願望に寄り添っていたことが、人気の要因だったのではないだろうか。

 実社会では、この頃のトレンドは派遣であった。『女性セブン』98年1月1日号「〈派遣OL〉の極意」では、「即戦力は引く手あまた」「わずらわしい組織から解放」と、全面的に奨励。「派遣社員の落とし穴」で突然の解雇、セクハラなどの問題点もあげているが、メリットを列挙して「派遣社員は平成大不況を乗り切る一つの賢い選択肢なのかもしれない」とまとめている。「派遣社員・職種別賃金データ」(1997年5月労働省調べ)では、ソフトウェア開発2833円、秘書2213円、ファイリング1754円などの数字を並べ、注釈に「企業が派遣会社に支払っている金額の平均です。実際に派遣社員が受け取る金額とは異なります」とあるものの、ぱっと見高賃金に映るというものだ。さらに気になるのが月刊『人材ビジネス』編集主幹氏の談話。
「女性の場合、学校を卒業して3~4年働くと、企業で働く意味がわかってくる。その段階でクールに判断して、自分から積極的に派遣社員となる人が増えているんです。」
これ、つまり「企業は女性を3~4年しか雇うつもりがない」って言っちゃってる? えーとー、どっかで見たような……ああ、仕事は結婚までの腰掛け、家庭に入ったらパート、って80年代以前の常識か。おや、均等法ってもうないことになってます? という環境のもと、「派遣社員──結構面白い仕事かもしれない」と女性誌は派遣へと背中を押している。(つづく)(神谷巻尾)

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