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2011年12月23日 (金)

OL財布事情の近年史/第60回 これじゃあ自活出来ません! 1997年、不況の影?(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

前回のつづき。

『週刊女性』は、「“不況”に負けないオンナはここが違う!! OL100人の財布の中身を徹底調査」、(98年7月7日号)、「隣の会社の給与明細 100社緊急アンケート」(98年9月8日号)と、立て続けに財布調査を実施している。

 「“不況”に負けない~」では、「みんな意外と地味な生活を送っていることに驚かされるはず」という。その根拠が「洋服代が月に5万円超えるのは9人だけ」というのはいいとして(ただし3万円以上で数えると39人)、「だからといって貯金に燃えているわけでもない。財形積み立てをやっている人でも、月に5万円未満が9割」とか、「現金を持ち歩かないこと。(略)ほとんどの人がクレジットカードを持つことで、急な出費にも備えている」って、それ地味なの? なんで? あと「時節柄か、W杯フランス大会のツアーに大枚はたいた人も7人いた」が、「チケットに払えるのは10万円までかな」というコメントに、「シッカリ締めているあたりはさすが。そんな堅実なOLだから…」と続くのはどうなのよ。

 「隣の会社の~」の方も、年収が減った人は100人中13人、逆に増えたのが57人と、不況の余波はOLの元まで到達していない模様。「あなたの会社はこの不況を乗り越えられそうですか?」という質問にも、「大丈夫。大企業だから」(生命保険・27歳・年収500万円)、「ウチがつぶれたら、この国ごとダメでしょう」(都市銀行・28歳・年収379万円)「乗り越えられると思う。気力で」(家具製造販売・28歳・年収300万円)など、危機感が希薄な回答が目立つ。しかし、「ノーコメント」回答者を見ていくと、判で押したようにシステムエンジニアと、プログラマー。これは業種的に切実な状況にあるのか、同じ会社で箝口令が敷かれてるのか。不況は実際にどんな影響が出ているか、との問いには「会社が暗いので、自分まで落ち込みがちになる」(自動車販売・25歳・年収300万円)、「備品のチェックが厳しくなって、“お持ち帰り”ができなくなった」(特許事務所・24歳・430万円)とか、小さっ! 「日本が不況だと、私たちは幸せになれないの?」って、なれないんですよ!おーい!
 つまり、日々の細かなやりくりと、社内の半径3メートルくらいを気にするだけで、不況をやりすごすことができた。それが当時の「OLの賢さ」だった。だがそのミクロ視点に甘んじているうちに、世の中は派遣時代に移行、OL自体が解体されてしまうのは、もうまもなくのことのようである。(神谷巻尾)

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