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2011年12月16日 (金)

OL財布事情の近年史/第59回 これじゃあ自活出来ません! 1997年、不況の影?(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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 最近報道された「単身女性の3人に1人が貧困」というニュースに、衝撃を受けた。「貧困」とは、国民の平均可処分所得の半分未満で、07年調査をもとにすると年収114万円に満たない人ということになる。勤労世代(20~64歳)の一人暮らし女性の3割が、月収10万円以下で生活している、21世紀の日本。これは未曾有の不況だから仕方がないことなのか。いや、OLのお財布とともに日本女性の働き方を振り返っている今、問題の萌芽が過去にチラチラ見えてきて、心が痛むのである。

 さて1997年、山一ショックを機にOLは大きく変化、見渡せば女性誌も現実路線のお財布記事があふれていた。翌98年、女性週刊誌ではこぞって読者の財布調査を行っていた。それぞれ100人の女性に調査し、給料の使いみちや最近の大きな買物、前年との年収比較、あるいは会社の状況など、切り込んだ質問をしている。
 『女性自身』98年4月28日号「自活できないOLというお仕事 揺れる20代OL100人お金と働きがい全調査!」では、月給平均22万5千円、貯蓄平均243万円という調査結果。しかし「自活できない」というわりに100人のうち一人暮らしが3人のみと、親と同居の既存タイプOLが多数派である。年額賞与平均も79万円と高額で、「最近買った高価な物」には50万円のブルガリの時計、60万円の補正下着、80万円のお琴、20万円の化粧セットなど、バブル期と見まごう消費欲。コメントにも、「クレジットの返済と携帯電話で月5万円」(運送会社派遣社員・27歳・年収360万円)、「全部遊んで使い切っちゃう」(冷蔵倉庫管理会社事務・23歳・年収300万円)など、80年代感覚が未だ健在だ。一方、「給料は満足だが、この先これが限界」(医療関係契約秘書・26歳・年収344万円)、「昇給は1年千円」(歯科助手・27歳・年収320万円)、「社内規定で残業が減り、給料が減った」(大手食品会社・30歳・年収342万円)など、これから来る不況の影が、不気味に忍び寄ってもいる。

 『週刊女性』は、「“不況”に負けないオンナはここが違う!! OL100人の財布の中身を徹底調査」、(98年7月7日号)、「隣の会社の給与明細 100社緊急アンケート」(98年9月8日号)と、立て続けに財布調査を実施している。どちらも給料や使い方を聞いているのだが、こちらは「どうやってこの不景気を乗り切るか、答えは身近なOLが知っていた!」(7月7日号)「日本経済を支えるのは私たちOLという気持ちでいたいよね!」(9月8日号)と、“いかに私たちはうまくやりくりして生き抜いているか”というOLリスペクト視点が濃厚。それが少々変である。(つづく)(神谷巻尾)

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