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2011年12月 9日 (金)

OL財布事情の近年史/第58回 オトコオンナ登場か?雇均法は新しい時代の夜明けか?真実の1997年(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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前回のつづき。

『コスモポリタン』1997年9月号を読んでいる。

 記事では「2042人の給料、ウラとオモテ」として、収入額の裏に潜む、仕事の背景を探っている。回答者最高額、年収1002万円のテレビ局制作部26歳は、基本給は20万5000円だが、「時間外就業手当だけで70万円を超える月もあり、その際の残業時間は250時間」という超過剰勤務である。70万の残業代が出るのもすごいが、それ以前にその勤務時間は労働基準法に抵触しないのか。万一のことがあったら、確実に労災認定であろう。
 平均年収が高いのはテレビ関係、広告、医療関係、出版は、軒並み仕事がハードで長時間労働なのが特徴だが、記事ではこれらの業種にある格差にも注目している。テレビ関係の年収は平均615.2万円だが、番組制作の実務を担当する子会社の社員は、260万円、ボーナスも年額16万円。出版関係は、出版社が980万円から280万円と開きがあり、編集プロダクションはさらに下がって、最小額が260万円。業界内のピラミッド構造が、OLの財布にも直結している。
 また前掲のスチュワーデスも、JALで契約制が始まったのが1995年。同社では96年には1200名の契約社員が在籍する一方、プロパーの客室乗務員を含む社員の特別早期退職優遇制度が実施されたという。スチュワーデスが憧れの職業だった時代も、ここまでだった。

 女子保護規定が外れて労働時間も増えたうえに、契約、派遣などの雇用形態も増え、多様化がマイナス方面でも進行してきたといえよう。OLも食うために働くようになったと以前述べたが、満足に食えるまでに至らない層も生まれてきた。同調査では、副収入がある人が23.7%、4人に1人がダブルワークをしている。27歳貨物輸送会社事務の女性は、会社の寮を出てから家賃の支払が大変になり、勤務している会社で夜の時間にアルバイト。「時給1500円、月に約8万円」の副収入を家賃と光熱費にあてる。「会社の給料が安くて、バイトしないとやっていけない」という編集プロダクション23歳女性は、給料月収21万円。土日に居酒屋の店員で4〜5万円稼ぐ。このせつなさは、ここ最近の、未曾有の不況下のお財布記事と大差ない。
 さらに「金銭感覚、その理想と実際」では回答の統計がまとめられているが、注目は貯蓄の目的。なんと1位が「マンションを買う」で38%。2位結婚資金24%、3位海外旅行19%を大きく引き離して、自分の根城を手に入れたい、26歳女性。これをどう読み解くべきなのか、わからなくなってきたが、とにかくパラダイムはシフトした、ということは間違いない。(神谷巻尾)

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