« 元・サイテイ車掌の田舎日記/手紙好き、ゴマ日記、音楽でこころの旅 | トップページ | 池田大作より他に神はなし/第26回 ゲーテ・黒澤明・池田大作。天才のみが到達した栄光とその孤独の中身に、凡人が浅はかにも想像を駆使してみたが…!? »

2011年12月11日 (日)

寺門興隆を読む/2011年12月号

 年の瀬。今年もそのうち「見出しアワード」をやりたいが、その前に12月号をしっかり読もうと思う。
 12月号の見出しは以下の通り。

僧侶妻帯訴訟/墓地事業と暴力団/原発被害賠償/福島の寺院幼稚園/教科書の仏教/在家出身住職/安否確認法/サンスクリット住職/お布施消費者問題/永平寺シンポ

 のっけからすごいのがある。「僧侶妻帯訴訟」。まさかと思いつつ記事を読むと、曹洞宗の僧侶を名乗る男が永平寺を相手取って「僧侶の妻帯は犯戒だ」と訴えたというのだ。すでに福井地裁が請求を却下したことで解決した案件だが、この記事では「もし貴宗派がこのような提訴を受けたらどう対応するか?」「壇信徒から『僧侶は妻帯していいのですか』と聞かれたら?」と、各宗派にアンケートを採っている。浄土真宗は開祖からして妻帯者であり、肉食妻帯を認めているのでこの質問は馴染まないが、他の宗派はどうか。アンケート結果で目立ったのが「寺の運営は女性字族の双肩にかかっているといっても過言ではない」といった言葉である。キビシイ不況を乗り切り、地域縁者へ心を配って寺を切り盛りしていくには、求道者の力だけでは足りないということか。僧侶・寺族あわせて7人からの真摯な回答もあり、かなり読み応えのある記事だ。

 そしてやっぱりまだまだ「原発問題」。寺院賠償請求の実際、福島の仏教圏の窮状を今号も伝えている。国の言うことが信じられず、「自分達でやるしかない」と独自に除染を始めたり、ガイガーカウンターを入手してこまめに線量を計ったりと、放射能との闘いは始まったばかりのようだ。

 毎度ためになる「法律相談」では、「ボケた母親が納めた戒名料は間違いなので返してほしいと言われた」という事態。喪主である母親が父親の葬儀の時に払った戒名料を、「母はボケているので間違った額を渡してしまった」と長男が申し出たらしい。これに対して弁護士は「お布施は寄付と捉えることができる」とし、寄付返還の必要性があるケースについて回答。でも最初に渡した額が200万円で、150万円を返してほしいと言われた事を思うと、「返してあげようよ」と思ってしまうけれど……。庶民にとって200万円はとにかく大金だ。

 気になるのが「つっぱり和尚の骨山日記」。病気のほうはいかに、と心配しつつ読み進めると、とうとう入院・手術らしい。祈るような気持ちで次号を待つ。(小松)

|

« 元・サイテイ車掌の田舎日記/手紙好き、ゴマ日記、音楽でこころの旅 | トップページ | 池田大作より他に神はなし/第26回 ゲーテ・黒澤明・池田大作。天才のみが到達した栄光とその孤独の中身に、凡人が浅はかにも想像を駆使してみたが…!? »

寺門興隆を読む」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 寺門興隆を読む/2011年12月号:

« 元・サイテイ車掌の田舎日記/手紙好き、ゴマ日記、音楽でこころの旅 | トップページ | 池田大作より他に神はなし/第26回 ゲーテ・黒澤明・池田大作。天才のみが到達した栄光とその孤独の中身に、凡人が浅はかにも想像を駆使してみたが…!? »