« 【告知】水俣・白河展 | トップページ | OL財布事情の近年史/第54回 山一倒産、女性誌改変!(後編) »

2011年11月10日 (木)

元・サイテイ車掌の田舎日記(前編)

■■■『車掌の本音』『JRの秘密』『車掌に裁かれるJR』と、3冊の著書がある元・JR東日本車掌の斎藤典雄さん。今は故郷・酒田の大自然に囲まれて暮らしています。そんな斎藤さんから、近況報告が届きました!■■■

○月×日

んだ。
 おれの朝は早い。いつも3時か4時頃には起きている。ここ10数年間ずっとそうだ。
 ゆうべのサケが切れた冴えない頭で、旧式のミルをゴリゴリとコーヒーの豆を挽く。スタバのハウスブレンドだが、濃いめのガツンとくる味がたまらない。ここ酒田にはスタバがないから豆は東京から送ってもらったり、何の未練もない、実は大嫌で一刻も早く辞めたかったJRの羽越線の鈍行に2時間も揺られ、半年に一度位は新潟より近い秋田まで買いに行ったりしている。

 んだ。
 朝食は納豆ごはんだ。酒田に来てからは毎日だ。ネギ、シソ、ミョウガ、ゴマなどを必ず入れる。みそ汁はゆうべの残り。ないときはお湯を注ぐだけのインスタントのやつ。塩抜きしたワカメをたっぷり入れる。
 ラジオをつけて、どうでもいいお喋りや音楽を聴きながら小説の続きを読んだり手紙を書いたりしている。新聞購読は止めたのでニュースはPCでチェックする。で、7時頃から掃除や洗濯と本格的に動き出す。
 昼はうどんと決めている。つゆは朝のうちに作ってあるからゆでうどんを入れて煮込むだけ。たまにラーメンを食べる。ニンニクを入れるとお店の味にぐっと近くなる。
 晩ごはんは一日のメインなので気合いを入れて4時頃から準備する。下ごしらえが出来ると風呂。最低でも40分は入っている。のんびりゆったり大汗をかく。で、6時頃には晩酌と共に舌鼓を打っている。
 秋の夜長は読書や映画かもしれない。が、9時頃には寝てしまうおれに夜長はない。

 んだ。
 畑をやっている。親戚から借りている10坪ほどの小さな畑だが、昨年は初めてだったのでおじさんから手ほどきを受けた。といっても、おじさんも片手間でやっていることだからそんなに詳しいわけではない。
 ところが今年はおじさんが体調を崩して入院。一人でやってくれといわれた。それはもう大変だった。てんてこ舞いだった。春先の草むしりから始めるわけだが、昨年はおじさんと二人だったことと初めてやる興味のせいか然程感じなかったのだと想う。カマを片手に黙々と、一本一本根っこから刈っていく作業はホントにしんどかった。気が遠くなるばかりだったのだ。
 おれは思ったものだ。こんなことはおエラいさんはまずしないだろうと。しかし、これこそが農家の人たちが汗水を垂らして、それこそ泥まみれになりながらも大昔から営んできたことなのだ。私たちが生きていく上で欠かすことが出来ない野菜はこうして作られてきたのだと。これこそ人間としての基本なのであり、これ以上の崇高な仕事は他にはない……、と、こんな時はこうして自分を慰さめるしかないんだよね。
 植えたのは大根、いんげん、枝豆、しゅんぎく、小松菜、トマト、茄子、ピーマン、シソ、パセリなどなど。それがなかなか上手くいかなくてね。農家の人のようにはどうしても無理。結果的には出来はどれも今一だったのだ。畑は春から夏だけの年に一回とのこと。それも雨降り以外の早朝だけ。来年こそはという思いでいる。

 んだ。
 夏は来客ラッシュだった。同僚たちや息子らが入れ代わりで泊まりに来た。それぞれが2泊3日泊って行った。「うちは旅館じゃないんだからな」といいたかったが楽しかった。酒田も日中は猛烈に暑い。でもクーラーは一度も使わずに済んだ。樹齢千年といわれる巨大な杉の木に囲まれた羽黒山にも登り涼を取った。また、船で飛島という日本海の小さな島にも行きエメラルドグリーンの透き通るような海も見た。皆喜んでくれて「来年もまた来るから」と帰って行った。(つづく)(斎藤典雄)

|

« 【告知】水俣・白河展 | トップページ | OL財布事情の近年史/第54回 山一倒産、女性誌改変!(後編) »

サイテイ車掌のJR日記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122338/53185408

この記事へのトラックバック一覧です: 元・サイテイ車掌の田舎日記(前編):

« 【告知】水俣・白河展 | トップページ | OL財布事情の近年史/第54回 山一倒産、女性誌改変!(後編) »