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2011年10月29日 (土)

OL財布事情の近年史/第52回 一気にOL受難の日々…95年、不景気体感元年?(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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前回のつづき。

 ほんと、みんなまさか日本がこんなことになるとは思ってなかった。だからそれに対してどうしたらいいのか、ということも初めて考えたわけだ。その結果が、せめて「自分のお金は自分で絶対守る」という使命感。記事では、預金を目減りさせない金融機関の使い方や、住宅、ローン、保険などで損しない方法を説いている。しかし「虎の子」があるということは、つまりいい時期に働いてそこそこ貯金もある人たちなんじゃ? 94年三和銀行の調査によると、独身OLの貯蓄額平均は186万7000円。なまじ貯めているから、お金がないことへの恐怖も大きかったのではないか。

 ちょうど同じ時期、『an・an』95年12月1日号でも「こんな時代のお金について、知っておきたいこと!」と似たような記事があった。「お金をめぐる最新事情は、現代女性にどんな影響がある?」「貯蓄意欲も薄れる(?)低金利時代、賢いお金の運用法は?」と、こちらも「こんな時代」の自己防衛を促している。掲載の調査を見ると、独身女性の貯蓄第一目的は、1位結婚資金40.5%、安心のため20.0%で過半数を占め、確かに安全志向が見て取れる(家計経済研究所「消費生活に関するパネル調査」)。しかし、20代〜30代の働く独身女性400人へのアンケートをみると、消費意欲は減退していない。1ヶ月の交際費3万円以上が31.1%、洋服・化粧品など3万円以上が31.0%など、使いみちは不景気を反映しているようにみえない。興味深いのは「100万円あったら何に使う?」という質問で、1位旅行66人、2位貯蓄50人、3位洋服47人、4位ひとり暮らし31人という結果。出た、OL大好きな旅行。洋服も、ひとり暮らしも、お金があるんだったら手に入れたいものなのだ。

 社会の追い風で仕事をはじめ、お金を手にして好きなもの、好きな生き方を選ぶことを覚えた。社会の都合でもういいよ、と言われたものの、その欲望は、はしごを外されても消えるものじゃない。けど、お金は先細り、お金のもととなる仕事は望めそうもない。
 欲望だけが収束できない時代を反映したのか、と思う事象をふたつばかり。『an・an』バックナンバーを眺めていたら、94年あたりから特集内容に変化が見られる。それまで多かったファッション記事が激減し、代わりに浮上しているのが、恋愛、男、性。好きな男ランキング、セックス特集がこの頃から定期的になっている。本能が男ゲットの指令を出していたのか。
 もうひとつは、風俗産業である。今でこそ雑誌で職業「キャバクラ」とあっても驚かなくなったが、当時「お水」は一般的な仕事ではなかった。そこに女性向け高収入アルバイト情報誌『てぃんくる』が92年に創刊、94年には「スタート時の倍近い約5万部」(『週刊読売』94年1月23日号)と人気を呼んでいた。「三人に一人は就職できなく“土砂降り戦線”の称された昨今の女子大生の就職事情。こうした待機組も〈てぃんくるガール〉の誕生に拍車をかけている」(同紙)という世相。まったくもってOL受難の時期だったのだ。(神谷巻尾)

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