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2011年9月16日 (金)

OL財布事情の近年史/第46回 86%のOLが会社を辞めたがっていた'90年代前半、バブル終焉(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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前回の続き。

 この頃の女性誌を見ると、「会社を辞めたい」「転職したい」というのが大きなトレンドだった。『MORE』90年3月号「会社を辞めたい!と思った時に読むページ」では、読者100人中86人が「辞めたい」と回答、という数字が。辞めたくなる理由は「仕事がつまらない・やりがいがない」「給料が少ない」「上司が嫌い・尊敬できない」などが上位に並ぶ。読者の声をみると「この仕事、別に私じゃなくても誰でもできるわけだし」(24歳・金融)「クリエイティブな実感が皆無」(25歳・出版)「フリーの独身男性なんてひとりもいない。おまけにお客さんもおじさんばかり。どこで男を捜したらいいの!」(23歳・信託銀行)って、知るか! と言いたくなるようなしょうもない文句が並ぶ。

 『an・an』91年2月22日号「女はもっと仕事がしたい」特集にのる「女子学生就職意識調査」(文化放送ブレーン)では、「一生仕事を続けたい」という回答は84年には48.4%だったが、90年には29.9%と激減している。史上最高の待遇で、役得いっぱいの会社生活は、結局キャリア志向を生まなかった。転職についての調査「ワーキングウーマンに関する調査」(リクルートリサーチ・90年)では、20〜29歳の51%が転職を狙っている。理由は「もっと高い収入を得たい」がもっとも多く、「別にやりたい職種がある」「仕事の質をステップアップさせたい」と続く。キャリアはめざさないけど、もっと違う何か、あとお金も。もう何が何やらである。
 しかしこのデータ、そんな風潮にちくりと釘を刺すような「流され転職の時代には、“玄人社員”が格好いい!」の傍らに掲載されている。本文は、入社2年目の酒井順子。あまりにみんな簡単に辞める時代、35年無事故のタクシー運転手さんが格好いい、といったような内容だが、そろそろ地に足着いた働き方がいい、続けるってすごい、という発想が出てきたか。『an・an』で、売れっ子エッセイスト酒井が発言することで、これがお洒落な先取り感覚だったことが想像される。

 さすがにお気楽さもこのあたりがピークで、徐々に、やんわりと、危機感が漂うようになる。『an・an』10月18日号「自分のお金について考えよう」、『Hanako』92年8月27日号「転職の決算リポート174人のケース」、『an・an』92年10月23日号「こんな時代のお金の貯め方を徹底研究する。」『non・no』92年4月号「青春マネー・ノート バブルはじけて、ヒモしめて…」、『With』92年12月号「他人より貯めているOLの〈節約アイデア〉とっておき」など、仕事にもお金にも余裕がなくなっていく様が浮かび上がっていくのだった。(神谷巻尾)

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