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2011年9月30日 (金)

OL財布事情の近年史/第48回 「バブルはじけて、ヒモしめて」OLの新遊具「家計ノート」登場(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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前回のつづき。

 さらに、古くさい「家計簿」ではなく、別の呼び名も登場した。「家計ノート」である。 『サンデー毎日』92年11月15日号によると、この年貯蓄広報中央委員会による「家計夢ノート」、雑誌『COMO』新年号付録から独立した「家計ノート」が発売され人気を呼んでいる、とある。考案者はこの頃台頭してきた生活経済ジャーナリストの高橋伸子で、「項目を食費とその他二つだけに大雑把に分けた」ことが特徴。将来の生活設計を立てて貯蓄額を決め、手元に残った自由になるお金を使うという“天引き発想”は、主婦のやりくりというより自分のお金に主体的に向き合うための記録、という側面がありそうだ。

 家計簿が家計ノートと名前を変えることで、OL方面にも進出してきた。『an・an』91年10月18日号「自分のお金について考えよう」では、件の高橋伸子氏が「マネーノートをきちんとつけて、お金の使い方をチェックする。」でアドバイス。メモの端に書く程度、預金通帳への明細の書き込みくらいからすすめている。登場する読者の「ひとり暮らし、就職など、環境が変わった時」「新婚3〜4ヶ月の時に」「お父さんと2人で暮らすようになってから」家計簿をつけたという談話もあるが、習慣づいているようでもなさそう。市販の商品も紹介されていて「CASH BOOK」(PILOT)、「キャッシュリスト」(MIDORI)、「DAILY RECORD」(LIFE)などカタカナネーミングが並び、OL向けの新商品という印象。定着するのはまだこれからのようである。
 『non・no』92年4月号「青春マネー・ノート バブルはじけて、ヒモしめて…」では読者4人の家計簿へのアドバイスとともに「あなただけのハッピー・マネー・ノートを作ってみましょう」で家計簿作りを提案している。「今後3年間の行動計画と、それを実行するためのマネーの計画を」「あなたが今月自由に使っていいマネーはHOW MUCH?」など、手書きの図表入りでやさしく指導。ファッションと恋愛・結婚中心でマネーなんてほとんど見かけなかった『non・no』には、画期的な記事である。
 主婦のものだった家計簿は、こうしてOLの手元にやってきた。「使うもの」から「遊ぶもの」「殖やすもの」になり、時代の力も借りながらOLライフを彩ってきたお金だが、バブル崩壊を経てようやく「管理するもの」となっていく兆しが見えてきたのである。(神谷巻尾)

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