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2011年9月23日 (金)

OL財布事情の近年史/第47回 「バブルはじけて、ヒモしめて」OLの新遊具「家計ノート」登場(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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 最近のOLへの「家計簿」の浸透ぶりに触れたことがある(30回)。そのとき、いつからこんなに若い女性に家計簿が普及したんだろうと疑問に思ったのだったが、わかりました。1992年です。と、断言してみたが、たどってみるとこのあたりに家計簿ターニングポイントがありそうだった。

 家計簿といえば、『主婦の友』など婦人雑誌の新年号付録の定番で、つまりは奥さんが家計をやりくりするためのものだった。しかし80年代中頃から主婦向けの雑誌も変化して、『LEE』(83年)『オレンジページ』(85年)『マイン』(87年)『すてきな奥さん』『COMO』(共に90年)など新しいタイプが相次ぎ創刊。OLを満喫していた女性が結婚後もその気分を忘れずに過ごせるような、おしゃれな主婦スタイルが提案されるようになった。そのまま景気がよかったら、リッチなファミリーライフが増長していったのかもしれないが、バブル崩壊で家計のやりくりが必然的に大きなテーマになり、家計簿が見直されるようになったと思われる。といっても重厚長大、伝統的な家計簿は面倒だしダサい、もっと手軽で現実に即したものを、という流れから、簡単でカジュアルなものへと形を変えて復活したのだ(たぶん)。

 『オレンジページ』90年12月17日号「わが家のワープロ活用法 家計簿をつける」や、『LEE』92年1月号「今の時代の家計簿・手帳・住所録」では、ワープロによる家計簿管理が提案されている。言ってもワープロなので、演算するわけでもなく、枠を作ってプリントアウトして記録、みたいな使い方なのだが、ラベルや年賀状をきれいに作ったり、名簿を整理するのと同じくらい、家庭の中でオートメーション化しやすい分野だったようだ。新顔が台頭して家計簿再評価の機運が上がったのか、元祖『主婦の友』では93年12月号臨時増刊号で「第1回〈主婦の友〉家計簿大賞」という公募企画の発表を行っていた。(つづく)(神谷巻尾)

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