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2011年8月 5日 (金)

OL財布事情の近年史/第40回 お気楽OLはアッパラパーでベルサッサ、でした(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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前回の続き。 『週間現代』1989年10月14日号「くたばれ! 会社にはびこるアホバカOL 平成ギャルズにブーイングの嵐」を見てきた。雇均法に加え空前の売り手市場、新人OLもお客様扱いの時代だったが、現場で直接接する年上男性には耐えがたく映ったのだろう、この記事は反響を呼んで連載となった。翌10月21日号では「本誌”OL対策委員会“の電話鳴りっ放し! くたばれ! 会社を滅ぼすアホバカOL第2弾!」とより過激になり、「本誌に押しよせたサラリーマンの声、声、声。怒りと涙なくして読めまセン!」と盛り上がりをみせている。
 「入社して1週間目の朝『この会社、私に合わないから辞めます』と電話をかけてきて、翌日から来なくなった」(リース会社・27歳)、「5時半の退社のベルが鳴ったら、書いていた文字の途中でパタッとペンを置いて席を立ってベルサッサ」(アパレルメーカー総務・30歳)、「生理休暇は必ず金曜日から月曜日だから、いつも3連休」(化学製品販売・28歳)等々、上司の困り顔が目に浮かぶような、トホホなOLたちである。
 といっても会社は滅ぼされるわけでもなく、OLもリストラされるでもなく、会社生活が成り立っていたのが当時である。今度は女性と会社の関係性をみていこう。

  『週刊女性』1990年4月10日号「あなたの給料はよその会社より高い?安い?」では、人気企業の給料予測とともにOLたちの給与や支出についての個別事例を紹介している。記事によると、主要企業の賃上げ率、前年は5.17%。この年は8〜9%を要求している強気ぶり。登場する20代半ばの女性たちも、勤続2〜3年で年収300万円を軽く超えている。そして給料もさることながら、目を引くのが彼女たちのめぐまれた職場環境だ。
「社内に銀行、ブックセンター、医療機関がそろっている/お店もいろいろあって、オーディオや化粧品、洋服、貴金属類が市価の20〜50%で買えるんですよ」(24歳・三井物産・年収350万円)
「年に3回、網代の保養所に社員旅行に/保養所は信州にもあって、冬はスキーを楽しみます/屋上にゴルフの練習場があるので昼休みに練習します」(24歳・カルピス・年収260万円)
「会社のクラブで草月流の生け花を習っている/夏は、葉山マリーナにある会社のヨットで、セーリングを楽しみます」(28歳・安田生命保険・年収450万円)
「1万円で約8帖のワンルームマンションが借りられている/寮の近くに、会社の健康保険組合が持っているスポーツジムがあり、格安で使える」(24歳・味の素・年収350万円)
 ショッピングもレジャーも住宅も、みんな会社が用意してくれている。なんという至れり尽くせりの福利厚生。しかしこれは社員第一主義と呼ばれていた。結果、アホバカOLを招いたという気もするが。とにかく、「会社」そのものがOLの財布を潤す一翼を担っていた。次回は、この時代急速に膨張した会社の福利厚生とOLの関連についてみていく。(神谷巻尾)

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