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2011年8月12日 (金)

OL財布事情の近年史/第41回 あんな会社のこんな「役得」。ゴージャス福利厚生時代へようこそ(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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 企業の福利厚生の充実に拍車がかかったのは、1980年代末のことである。当時の雑誌はこぞって豪華保養所や社員厚遇制度を特集していた。
 『FLASH』1990年4月3日号では「我が社自慢の福利・厚生施設」で、一流企業18社の各種社員施設を紹介。 冒頭「世をあげてのアメニティ(快適な環境)化時代。(略)快適で充実したビジネス・ライフを送るため、各社の福利・厚生への早急な対応策が、いま問われている」と謳う。アメニティ、というと今やホテルの消耗品、アメニティグッズを想像してしまうが、当時は本来の快適さ、心地よさの意で、最先端の感覚として扱われていたことがわかるというものだ。
 1986年時点で5千人以上の大企業の保養所完備率99.0%、社員クラブ・バー施設が16.7%(9年前の3倍)といった調査、「5年間で1千200億円を投資、社員の生活面への整備にあてます」(富士通)といったコメントなどから、企業の急速な動きが伺える。円高、好景気で人材不足、しかも金余り。「週休2日制時代の重要課題は余暇の過ごし方」「若者の会社選択の基準は、〈モーレツ〉から〈ゆとり〉へ」という論理から、リゾート施設やスポーツクラブ、豪華な社宅はどうしたって正義だったのである。

 『SPA』1989年9月20日号「リゾートホテルなんて目じゃない 海外に“豪華”保養所を持つ〈会社〉」は、保養所の海外進出ラッシュについての記事。リゾートマンションの区分所有のほか、土地を購入して直営保養所を作る会社も増えている、ということで紹介されているのがこんなところ。

・ 日興證券…オーストラリア・ゴールドコースト/敷地35万坪、鉄筋2階建て/スパ付きプール、ゴルフコース3コース等/購入価格11億5500万円(87年)/1泊2食付き2500円くらい
・ 大和証券…オーストラリア・ナルダラーク/敷地308万坪、建物5棟/敷地内に羊4000頭、牛150頭、野生のコアラ、カンガルーなど/購入価格5億円(85年)/1泊3食付きで4400円
・ 大同生命…オーストラリア・ゴールドコースト/テラスハウス5棟、1棟130平米/近隣に人工ビーチ、マリーナ等/購入価格1億5千万円(88年)/1泊2000円、会社から補助あり

 証券会社、生命保険会社が競って海外進出している。海外リゾート投資、そしてその崩壊、という図式が容易に想像できるが、しかしこの時点で「20年前の証券不況のとき、保養施設を全部売り払って、なんとかしのいだ歴史もある。含み資産にもなる」(日興證券)、と福利厚生以外の狙いを盛り込み済み。確かに上記3社は現在も存続しているが、この資産も役立ったのだろうか。それじゃあ山一は、山一は、と探してみると前述『FLASH』に発見。「海外はオーストラリア、ニュージーランド、タヒチ、フィジーなどに35ヵ所あり、海外保養所の場合宿泊料は無料」って、35ヵ所も! 行き過ぎたアメニティの恐ろしさよ。(つづく)(神谷巻尾)

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