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2011年6月

2011年6月28日 (火)

鎌田慧の現代を斬る/第150回 原発事故の陰で進む「地下原発」推進派の結託

 主要国首脳会議(G8)で菅直人首相は、日本のトップとしては異例の冒頭演説を行った。ここで「2020年代の出来るだけ早い時期に、少なくとも20%を超える」(『朝日新聞』2011年5月27日)と、再生可能な自然エネルギー利用の数値目標を掲げた。
 さらにG8の前には、原発の新増設について白紙、浜岡の全面休止、電力の独占体制を揺さぶる「発電と送電の分離」という方針も打ちだしている。
 菅首相が本気で脱原発を目指しているのかそうかはよくわからない。G8の前日におこなわれた経済協力開発機構(OECD)の設立50周年記念行事で講演し、「事故を教訓に『最高度の原子力安全』を実現していく」と原発が基幹エネルギー政策の柱の1つであると主張している。

 反原発を決意したドイツのメルケル首相のような、強い意志があるわけではあるまい。おそらく原発企業との関係は薄かったため、福島原発が引き起こしている大災害から、ごく当前の政治的判断をくだしたのであろう。
 ただ、このような行動が利権に埋もれた原発推進派の反発を招いたことは間違いない。
 日本の正解と財界を牛耳る「原発絶対体制」は、政府、財界(日本経団連と電事連)、官僚、御用学者、マスコミ、裁判所などによって維持されてきた。あらゆる反対を押しつぶし、「安全」というお題目を唱えて原発に突進してきたのだ。

 原発の建設資金は1基4500~5000億円程度。135万キロワットだったら、電源三法によって20年間で1000億円ほどをばらまける。これら補助金はもちろん国民の血税だが、特別会計のため財務省のチェックも甘く、使いたい放題である。原発利権に群がっている連中は、今回の大事故が起こってもカネヅルを手放す気がない。
 こうした背景を考慮に入れて、現在の政治状況を眺めると少し違った風景が見えてくる。
 首相への内閣不信任案で国中が揺れていた5月31日、1つの議員連盟が発足した。地下式原子力発電所政策推進議連である。彼らが進める地下原発とは、岩盤の下にトンネルを掘って炉心を設置、取水や放水はパイプをトンネルに入れて行う。万が一事故が起こっても、岩盤で放射能を閉じ込められるから安心、津波の心配もないと宣伝している。
 とんだお笑い草である。万が一事故が起きれば、放射能を閉じ込めた現場に作業員が近づきにくくなり、手立てを講じることもできないまま事態を悪化させる可能性があるからだ。核廃棄物の捨て場も未解決だ。

 地下原発構想は、新しいものではない。1975年には資源エネルギー庁で研究がはじまっている。ただ安全神話が絶対だっただけに、万が一の事故を想定した地下原発は電力会社の支持を取り付けられなかったという。
 といっても議連が発足したのは、今回の事故で「安全神話」が崩壊したからではなさそうなのだ。

 まず、この議連の参加メンバーがあやしい。会長はたちあがれ日本の代表・平沼赳夫元経産相、顧問には民主党の鳩山由紀夫前首相、渡部恒三最高顧問。さらに谷垣禎一自民党総裁、安倍晋三元首相、亀井静香国民新党代表なども名前を連ねている。
 この議連については、11年6月10日の『東京新聞』は次のように解説している。
「地下原発議連は、発足のタイミングから、(菅総理の)不信任騒動との関連が取りざたされた。与野党の原発推進派が、原子力政策の見直しに傾斜した菅直人首相を引きずり降ろそうとしたのではないか。『原発推進大連立』の拠点が地下原発議連ではないか…と。
 実際、谷垣、安倍、鳩山の各氏は『菅降ろし』の急先鋒。顧問以外のメンバーを見ると、不信任賛成に動いた民主党の小沢一郎元代表に近い西岡武夫参院議長、山岡賢次副代表、松木謙公衆院議員(民主党除名)らが入っている」

 菅首相は野党はもちろん閣僚も含めた民主党議員からも辞任をうながされている。しかしいっこうに辞める気配がなく、自然エネルギーによる電力を電力会社が買い取る仕組みを定めた「再生可能エネルギー促進法案」を、自らの手で成立させると発言している。菅首相は未来を目指して、脱原発路線の具体化に全力を傾けるべきだ。それは日本および近隣アジア諸国の安全にとっての朗報である。

「原発体制」のうまみを知っている連中は、事故後も利権確保のことしか考えていない。
 たとえば日本の原子力政策のドンであり、1954年に原子力予算を初めて通した中曽根康弘元内閣総理大臣は、4月21日号の『週刊文春』で、「この危機を前にして大きくなってくれ」と無責任なことをいっている。
 また7月号の『文藝春秋』でも、「(日本の品質や技術に対する)『ブランド』の力が今回の福島原発の被災によって弱まるようなことがあってはならないと思う」などと発言している。完全な制御など不可能な原発を、核兵器の材料となるプルトニウムの獲得と利権追求のために自ら導入しておいて、事故は他人事。この無責任ぶりは、呆れるばかりだ。

 彼は2004年9月号の『Voice』でも、「とにかく『核燃料サイクル』に関して、安全性の問題は心配要らない。一方、最近出てきた経済性の問題ですが、これは、日本が大事なエネルギーの問題について外国に依存していいのか、という長期的な国策からも考えねばならない。目先の損得より国家としての長期的安定性を重視することが、政治的な判断として成立する」と語っている。
 核燃料サイクルの重要施設である「もんじゅ」は事故続きで稼働のメドは立たず、それより安全といわれてきた軽水炉でさえ、この惨状である。日本の将来性を考えるなら、事故が起これば広範囲に国土を汚染し、農作物から工業製品まで信頼を失墜させる原発など推進できるものではなかった。
 すでにドイツに続き、イタリアも脱原発にむかって歩みはじめた。国民投票では原発反対票が94.53%を占めたという。
 この結果に対して、自民党の石原伸晃幹事長は「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは、心情としては分かる」(『朝日新聞』2011年6月14日)と暴言を吐いた。この一家のバカさ加減には、つける薬がない。
 さらに石原幹事長は、「反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということに立ち返ったとき、国民投票で9割が原発反対だから、やめましょうという簡単な問題ではない」とも語っている。自分で考えろ!

 事故ですべての生活を奪われる恐怖や、子どもを安全に育てられなくなる苦痛、安全な食物さえ手に入らない不安をリアルに経験している人が「生活をどうするのか」を考えたら、いまなお原発利権をむさぼっている人間以外は脱原発にむかうはずだ。それは「ヒステリー」(死後だ)などではなく、正常な反応である。この期に及んで何が正常かも判断できないのは、原発利権の毒が回っているからだ。

 推進派の尻ぬぐいをさせられているのが、原発労働者だ。6月20日には、被曝限度を超えた9人目の労働者が発見された。そのなかには600ミリシーベルトを超える被曝を記録した労働者もいる。
 もともと積算で100ミリシーベルだった被曝上限を、福島原発の復旧作業に限り250ミリシーベルトに引き上げた経緯がある。一方で過去に労災認定された原発労働者の中には、累積被曝量50.63ミリシーベルで白血病を患い亡くなった人もいる。つまり250ミリという基準自体が、労働者の生命の安全を危険にさらしている基準なのだ。それすら守れないのだから、東電の労働者にたいする死の管理がわかる。
 東電の発表によれば、所在不明な労働者が69人にのぼることもあきらかになった。もともと原発労働の一部は、口入れ稼業が専門の暴力団によって支配されてきた。いまだに山谷や釜ヶ崎で危険を知らせずに日雇い労働者を集めてもいる。69人はそのような労働者なのだろう。

 また事故後は、とにかく原発を安定させるため、労働者の安全性が二の次になっている。汚染レベルが高い地区では絶対に必要となる放射線管理員が同行しないケースが増えている。総線量が防護服の内側に取り付けられているため、労働者自身は積算量がわからない。それなのに被曝量を測る専門の職員が同行しないのである。
 原発は通常運転している段階から微量放射能洩れを発生している。定期的におこなわれる原発検査でも、大量の労働者が被曝し、労災さえ認められずに大量に亡くなってきた。
 もちろんいろんな仕事の現場でも労働災害や職業病があるが、これまでの防衛対策によって防いできた。人道的な対策である。ところが原発は、稼働している限り、日常業務でさえ被曝を避けることはできない。ましていまは大量被曝である。これからの膨大な作業量は膨大な被曝者をつくりだす。殺人的現場である。自衛隊の手当てが戦場よりも高い日給4万2000円にハネ上がったのは、その証明である。そんな「職場」が許されるべきではない。

 しかも福島第一原発の労働環境は、ますます悪化してきている。すでに熱中症患者が発生。即急に処理する必要がある高濃度の汚染水による被曝も問題になってくる。
 現在、事故処理に人員を集中させており、青森県の大間や東通り村の原発建設に携わっていた労働者まで福島で働いている。総動員体制だ。それでも人が足りない。そのうえ熟練労働者の被曝も限界に近づいており、今後、簡単には育成できない貴重な人材が現場から次々と去っていくことになる。状況は悪い。
 カネと利権を原料にして運転されてきた原発は、もう止めなければならない。9月19日、内橋克人、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧、坂本龍一、澤地久枝、瀬戸内寂聴、辻井喬、鶴見俊輔などによる「原発にさようなら集会」が開催される。準備も順調に進んでいる。脱原発の意思を、より多くの人びとで強くしめそう。さまざまな自然エネルギーへの早急な切り換えをはじめなければならない。(談)

全文は→「1107.pdf」をダウンロード

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2011年6月27日 (月)

本日より『原発暴走列島』ほか3タイトル、ブンコビューアで読める電子版販売

本日より電子書籍サイト「honto」において、アストラの本が電子書籍で登場します。

XMDFタイプで、スマートフォンでも楽々読める仕様。

立ち読みもできますので、ぜひ覗いて行ってください!

『原発暴走列島』、鎌田慧著(電子書籍XMDF版:税込700円)↓

https://hon-to.jp/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=B-22702-120036204-001-001

『痛憤の時代を書く』、鎌田慧著(電子書籍XMDF版:税込500円)↓

https://hon-to.jp/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=B-22702-120036199-001-001

『車掌だけが知っている JRの秘密』、斎藤典雄著(電子書籍XMDF版:税込500円)↓

https://hon-to.jp/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=B-22702-120036190-001-001

『気付かなかった!知らなかった マスコミの秘密』、坂東太郎著(電子書籍XMDF版:税込300円)↓

https://hon-to.jp/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=B-22702-120036194-001-001

以後、どんどんアップ予定です。発売次第、こちらでご紹介します。お楽しみに!(奥山)

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2011年6月26日 (日)

書評:『冠婚葬祭でモメる100の理由』(島田裕巳、文春新書)

Kan_2   『葬式は、要らない』(幻冬舎)の著者である島田裕巳氏が、「葬式」だけではなく冠婚葬祭全般についてのQ&A集をだした。「お見合い写真はメール画像添付でも失礼ではないか」「離婚した元夫の葬式に行くべきか」「不況につきお歳暮を中止したい場合」など、家族形態やつきあい方が多様化してきた現代だからこそ生じる悩みに、島田氏が軽やかに答えている。
 質問はまるで「発言小町」や「教えてgoo!」の様相を呈しているが、「死後にメール履歴が残ることが不安」といった質問に「果たしてあなたが亡くなった後、メール履歴まで関心を持つ人がいるかどうかが問題」など冷静な切り返しをしていて、大部分がシリアスだからこそ、ふっと笑ってしまう。回答者である島田氏の素顔がチラッと見えるこぼれ話もあって、ためになりつつ、読み物としても面白い。
 「どうしたらいいでしょう」「教えて下さい」という質問には「こういう方法があります」と懇切丁寧に案内するが、「こうしたほうがよかったのでしょうか」「こうすべきでしょうか」といった質問には「そもそも、あなた自身はどうされたいか?」「何がこの問題の元凶か?」と、しばしば問いかける。そこには「冠婚葬祭には従うべき決まり事がある」という私たちの先入観を打ち砕きたい、そんな著者の姿勢があらわれているのではないかと思われる。

 個人的に印象に残った質問は、やはり「葬」の章にある「香典返しが虚礼に思えて仕方ない」という項目。社員が参列した葬儀の香典返しが段ボールで送られてきた、ここまで形骸化した香典返しをやる意味はあるのか、という質問だ。現役葬儀屋時代のことを思い出した。故人や喪主が公務員などの場合、部署ごとの参列が通例とされていることが多いため、参列者は数十人単位になる。または代表がまとめて香典を持ってくる。そして代表が香典返しの入った段ボールを担いで持っていく、という場面を何度も目撃した。
 段ボール入りの香典返しが空しい、ということなら、集団での漠然とした参列もまた空しく虚礼である。質問者は、故人のことをまったく知らないと思われる大勢の会社関係者に頭を下げ続けなければならない遺族の心労を、どれほど想像しただろうか。虚礼には虚礼で返した、ただそれだけなのである。
 島田氏はもちろんそんなミもフタもないことは言わず、香典返しの背景にある冠婚葬祭の原理「互酬性」に触れ、香典返しのそもそもの意味について回答した上で、香典返しという形をとらなくとも互酬性は保たれるはずと提案している。いたって明快だ。

 この質問集には、現代を生きる人々の不安や自信のなさがぎっしり詰まっているように見える。右にならえの総中流や家制度が崩壊した今、多様な中から「コレ」と選んだ自分のライフスタイルだから、右往左往してもお手本は見つからない。「コレに決めた」に自信と責任を持つことのできる人間になろう、そう思わせられる本だ。(小松)

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2011年6月24日 (金)

OL財布事情の近年史/第34回 1987VS2011 100万円貯めるオンナ対決!(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

 (前編のつづき)24年後の2011年、100万円はどうやって貯めているのか。『SEDA』5月号「1年で100万円貯める方法」では、「貯金上手さん」が2名登場しているが、月収25万円の看護師と23〜26万円のエステティシャン、ふたりとも実家暮らしと、かなり恵まれた例。洋服代を5万円とか、8~9万円とか使っても、10万円以上貯金できるのだから、それは貯まるだろうよ、というケースである。「貯金の仕方、教えます」のコーナーでは、先取り貯金、家計簿、固定費の見直しなどのアドバイスと、口コミ節約術。全体的に、ゆるいです。まあでもきっと貯金なんてこれまで興味の範疇になかった雑誌なのだろう。キャッチコピーが「ゆる甘ファッションマガジン」だし。「白とレースの世界が好き」特集と100万円貯金が共存する、そんな世の中である。

 一方『steady.』7月号「給料20万円以下で100万円らくらく貯まる!」は、記事タイトルからも本気度が伝わってくる。読者のマネー感覚調査によると、1ヶ月の手取り給料は平均17万9000円、現在の貯蓄額は、10万円未満が21%と最大ボリューム、貯蓄の目的は1位結婚費用、2位何となく将来が不安だから、3位いざというときの備えと、リアルな回答が並ぶ。「100万円を貯めた人のREAL家計簿」では、2、3年かけて100万円を貯めた手取り20万円OLの4月の収支表が載るというリアルさ。収支表は、「固定費」「公共料金」「生活費」「貯蓄」と分類され、金銭感覚が生活感とリンクしていることが感じられる。

 手取り19万円、ボーナス40万円、28歳の医療関連勤務、(正社員)とカッコ付きで明記されているところに、勤務形態も今や説明が必要であることを実感する。一人暮らしで住居費6万2000円、食費/服飾費各2万円、交際費1万5000円など、抑えめな出費だ。ネット通信費6000円、携帯電話5000円は、必要経費の範囲内か。年に1度は彼氏と海外旅行に行きつつも、3年で100万円貯めたのは「人の誘いにNOと言える意識改革」「インターネットでお得な情報収集」「毎月5万円以上の積み立て」「休日はなるべく家で過ごす」と、ほどほどに堅実な方法による。
 教育関連勤務の24歳は、手取り18万円、ボーナス年30万円、天引き貯蓄だけで2年で100万円達成。実家暮らしの強みもあるが、ネット銀行でマネー管理、通販サイトのアウトレット、カードを1枚にまとめてマイル貯蓄、2年に1度の海外旅行など、情報誌推奨のようなネット術を使いこなして消費にもどん欲である。

 「100万円を貯めた人のHAPPY節約」では読者の節約術を紹介している。「家計簿アプリで家計も体もダイエット」「1ヶ月を33日で予算組み」「外出時は電子マネーを利用。現金は持ち歩かない」「1ヶ月3万円の生活を年4回実行!」など、ITも頭も駆使していて面白い。というかすんごい参考になります。
 以前、幹事になって多めに集金した分をゲットという「ユニーク貯め方」を紹介したが、それが今は「社内行事のお会計係になってポイントを貯める」にとってかわった。ちゃっかり、にっこり笑ってお得を満喫できた80年代から、情報と発想と、ICT等諸々使いこなすテン年代。厳しい世の中ではあるけれど、自分の力で生きている実感は、今こそ感じられるんだ~、と巷に流れるメッセージソング風に解釈してみる。(神谷巻尾)

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2011年6月20日 (月)

鎌田慧さん講演「フィクションとしての原発」

7月9日(土)、南阿佐ヶ谷にて『原発暴走列島』の著者、鎌田慧さんが講演会を行います。

主催は在韓被爆者問題市民会議

詳細はこちら→http://www.asahi-net.or.jp/~hn3t-oikw/

鎌田さんの何十年分の訴え。

起こってしまった事故。

絶望せずに問いかけ続ける人々がいます。

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2011年6月19日 (日)

『格差社会を逆転するライフプランニング』電子書籍化!

アストラの書籍が、また電子書籍の仲間入りを果たしました。

『格差社会を逆転するライフプランニング』

http://www.shinanobook.com/genre/book/928

目からウロコの賃貸のウラ技がたくさん。

老若男女、だれでも気軽に楽しめる住まいの本です!

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2011年6月17日 (金)

OL財布事情の近年史/第33回 1987VS2011 100万円貯めるオンナ対決!(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

 ここ最近の女性誌には、さまざまなお財布記事があふれている。 数回にわたってみてきた 『日経WOMAN』の貯蓄術や『with』2011年7月号「女子一生の、安心マネー計画」のような将来を見据えたもの、『SEDA』5月号「1年で100万円貯める方法」や『steady.』7月号「給料20万円以下で100万円らくらく貯まる!」といった若いOLの身近な貯蓄ものなど、どの世代向けであってもマネーは欠かせないテーマとなっている。

 1年で、100万円。どこかで見たような……と思ったら、80年代の記事ストックに同様のタイトルを発見。『with』 1987年8月号『1年で100万円 公開します、私のケチケチ貯蓄術』である。おさらいすると、この年はバブル真っ最中、金利自由化で金融商品も盛りだくさん、OLも株や投資に目覚めた時期。とはいえ、給与としては大卒事務系で初任給14万2千円、2010年の同データは、19万3500円である(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)。初任給は2008年以降減少の一途であり、ベースアップゼロが主流の昨今、どちらの時代においても20代では手取り20万円に満たない女性が大半であろう。収入の面ではほぼ同条件の両時代、100万円貯める工夫に違いはあるのだろうか。

 まずは87年の『with』からみてみよう。ここでは「ケチケチ貯蓄術」とあるように、株や流行りの財テク商品ではなく、節約して貯めた実例を紹介している。電気機器メーカー勤務の26歳、手取り月収17万円、ボーナス年50万円の女性は、銀行の総合口座通帳のみで1年で100万円を実現したという。彼女の貯蓄術は、現在の超節約OLを彷彿とさせる。外食は一切せず、主食は実家からもらう米のみ、食材は定休日前日の閉店間際のセールのみ、調味料はコストを押さえて塩だけ。お風呂の水を換えるのは3日に1度、粗大ゴミ置き場からテーブルやトランクを拾う、飲みの誘いは断り、残業届をきっちり出し残業代には一切手を付けない、など今でも立派に通用しそう。だが待てよ。今はスーパーに定休日はないし、粗大ゴミは有料だから勝手に持ってはこれない。それに「何となく残業することが多くなってきたんです。家に居ると光熱費がかさむから」と、「給料の時給割の25%増し」の残業を、なんとなく増やせた、というのも当時のゆとりではなかろうか。

 もうひとり、服部セイコー勤務7年目、手取り月収15万円、ボーナス年100万円弱という26歳のお嬢さんOLである。入社3年目から毎年100万円貯めているという強者だが、自宅通勤と、買物好きという、いわばお嬢さんの特権を使った貯蓄術だった。「良家の子女を気取って(笑)」外食の誘いはパス、欲しいものはバーゲンや社内販売で買って「浮いたお金は、定価で買ったものとして、即貯蓄」で銀行の自由積立預金に回し、郵便局の定額貯金を月3万円なども含め、100万円貯めた。弾みがついてからは貯蓄保険、一時払い養老保険などにも手を広げて月々の貯蓄額を増やす。新しい金融商品は欲しいものを手に入れるのと同じ満足感を得ることができる、通帳や証書をズラッと並べて、いくら貯まってるか計算するのが楽しみ、というのはやはり80年代の姿。「一番得したものは毛皮ですね。半額で買って、ずいぶん貯蓄にまわせました」って、それが当時のケチケチ貯蓄術なのである。

 24年後の2011年、100万円はどうやって貯めているのか。(つづく)(神谷巻尾)

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2011年6月14日 (火)

アラサー財布事情/第14回 車が欲しいです

0510 ■Tさん(28歳)女性 職業:事務 神奈川県在住

 2DKのアパートで暮らしています。家賃は5万円です。彼氏と子供3人の5人暮らしです。住み心地、立地ともにまあままです。最寄り駅までは15分くらいです。家から職場まではバスで40分です。以前は、社宅に住んでいたんですけど、今はそこを出て個人で借りてます。
 アパートが工業団地にあるので、周りにスーパーがなくて、バスか自転車で駅の方まで買い物に行ってます。 今住んでいるところは気に入ってます。その土地が好きというのもあるけど、子どもがいるので、小児医療がしっかりしていて、中学生まで医療費が無料になるところがいいすね。最近まで小田原市に住んでたけど、そこはあんまりよくなかったな。子供がたくさんいるのでそういうところは大切ですね。

 貯金は、子供にお金がかかっているので、今はできていない状態です。

 最近買ったものは、自分と子供の洋服。自分の洋服は、入ったお店で買います。4枚くらいかったかな。好きなブランドはアースエコロジー&ミュージックとローリーズファーム。こだわりは特にないけど、コットンのものを買っています。ほかの素材だとチクチクするので着れないんです。
 子供服は好きなブランドがあるんですけど、ちょっと名前がわからない。コンスタントに購入するわけではないけど、サイズアウトしたら買ってます。あとは、子供が気に入ったら買うかな。だいたい一着2~3000円くらい。

 ほかは買い物してないです。去年は妊婦だったっし、妊娠、出産にお金がかかるので。ベビー用品も最低限しか買わなかったです。

 今欲しいものは、確かな未来(笑)。
 現実的なものだと、車が欲しいです。ノア、ボクシー、ベルファイア、エクシーガが候補にあがっています。7人乗り以上のものだとみんなで乗れるのでワンボックスカーがいいです。
 ほかは冷蔵庫ですね。今使っているものは小さくて、夏は飲み物がはいらないんです。食べ盛りの男の子が2人もいるので大変です。

 幸福度は90%ぐらい。子供たちもいるし好きな人もいるから。大切にしたい人がいるから幸せです。(聞き手:奥津)

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2011年6月13日 (月)

初老男のデモ趣味/愛人も隠し子もいない初老男がはまった“デモ趣味”の現場で見た、裏金警察の小姑並の馬鹿げた干渉で畏縮したテロ国家・ロシア以下の息苦しい現状と、それを打ち破る軽薄でキュートな新世代の頼もしい動き。(後編)

●明治公園デモ・その2●(4月16日)

 Hutami 3・11以降初のデモ。高円寺デモ高揚の噂も聞いてたし、かなり集まるかと思いきやサッパリ。その理由がわかり、もうこの連中の主催するデモには参加すまいと決意。主催者の代表は元運輸大臣の二見伸明だが、デモ参加者に事前にまかれたビラが笑わせる(カット参照)。要するに、不当な干渉をする機動隊のご指導の元で、言われるがままにデモれと言い放ってる。政治主導を主張する小澤一郎の支持者が、裏金警察のケツを舐めてどうする?

 楽器を持った若者も参加してたが、歓迎されないムードで可哀想だった(閉塞的超管理主義デモ!)。一方で前回の糞ババーレベルの参加者も。今度は親父だったが、コイツも柄でのねえのにトラメを持ち(顔付きに品を欠いた奴)、よりによって「お巡りさんご苦労様です!」だっと。冗談だと思ったがマジらしく繰り返す。鋭いガンを飛ばしたら沈黙したが、納税者の表現行為をブツ切りにする、裏金警察に感謝するとはとんだ不逞の輩だ。日の丸や君が代を支持するのはその人の勝手だが、こういうゲス野郎を見るとブチ殺したくなる(口だけの非暴力主義者デス!)。

 プラカードを新調。“火事場ドロボー・気違い菅直人も廃炉だ。全世界の恥部!カンナオトはケツの穴だ。”(表)。“無意味にドーインされた警官諸君・裏金はいくらもらってんの!? 日本のあらゆる公務員は犯罪者”(裏)。渋谷の電力館前は機動隊員がつくだ煮状。そういう場所では彼等の顔の前に裏を突き出す。多くは無視してたが、首振って否定する人間味溢れる警官もいた。“デモは自由気ままな自己表現である”との確信を、いよいよ強める(素人の乱のパクリだが)。

●高崎駅西口前デモ●(5月1日)

 勤務地の東京のデモばかり参加してたのでは、上州男の名がすたると勇んで参加(筆者は高崎から下仁田まで走る私鉄、上信線沿線の富岡市住まい)。50人も集まればいいと思ってたら何と350人以上も!(主催者は500人と発表)スタイルは“高円寺方式”で、スタート前から沖縄民謡風の音楽に合わせて踊り出す女性も。高崎署も人出不足か警官もポツリポツリ(これが当たり前)。ただジャンパー&スーツ姿の私服公安が2名、野良犬面でデモ隊の周囲をクンクン。東電高崎支社前で抗議してると、「早く歩いて!」とエラソ-にジャンパー犬が命令しやがったので、怒鳴り返してやった。腹黒そうだったし、国士警官・大河原宗平氏http://happytown.orahoo.com/keiseikyou/の冤罪事件に一枚噛んでる糞野郎かも。

 デモは良かったが、終了後に高崎労使会館であった集会にはガックリ。元群大工学部の老教授による上目線のレクチャーには、あちこちであくびが。主催者が団塊世代のせいか、形式的お勉強スタイルの総括が大好き!んな事やってちゃ次回から参加者は激減する。デモはやりっ放しでいんだよ!!後は各自で考えればいいの。ちなみにこのデモを知ったのは桐生市のブログ市議、庭山由紀のページ。庭山市議は“群馬の竹原信一”とも言うべき逸材で、行動力があって文章も抜群に面白い。当人もお子さん連れでデモに来てましたが、美人熟女振りに惚れてしまいました。

●渋谷サウンドデモ●(5月7日)

 4人の不当逮捕者が出たこの日、俺はブツ切りにされたデモの先頭集団に参加(知人は遠慮してたら2時間以上もスタートを待たされたと)。裏金腐れ警官の、小姑みたいな干渉には例によって呆れたが、頼もしい若者も。俺の前の彼女連れの20代とおぼしき彼は、ipohneを片手で温厚な顔付き。しかしなかなかの猛者で、俺と同じく常に白線上、ないし外側を歩いては警官とやり合う。一応は引くが、再び白線を超えるしゆっくり歩いて警官を翻弄。思わず話し掛ける。「なかなかやりますね」「彼等の言う通りにしてちゃ、絶対に駄目なんですヨ!」(力を込めずに)放射能漬けの日本の再建は、彼等がゾンビ状の我々の腐臭死骸をブルト-ザ-で撤去しながら、きっとやり遂げてくれるだろう(裏金警察が今のまま存在してると、そのブルのライトが不具合だ等の因縁を付け、交通違反切符を切ってるに違いない)。

 “裏金警察に管理されたデモ”。情けないがこれが日本のデモ事情。連合や全労連他のデモはその典型である(実は新左翼系も)。新たな権利は自己主張しない限り獲得出来ない。素人の乱の連中のふざけ切った発想は(素晴らしいぞ、驚異の”こたつデモ”!)、組織中心・イデオロギー優先・お勉強至上主義が陥った閉塞状況に風穴を開けた。当然“裏金の原資”たる現状のデモ警備体制を維持したい警察官僚は、手を変え品を変えての干渉・デッチ上げを試みるだろう。そのハレンチな現場を目撃するために、今日もゼッケン背負ってデモ通い! 次は6月11日の、前橋での反原発デモに参加予定。下半期のデモ体験は年末にでも報告します(編集にはまだ依頼されてないが…)。(塩山芳明)

塩山芳明…本ブログにて「池田大作より他に神はなし」、雑誌版『記録』にて『奇書発掘』を連載。エロ漫画編集者。著書に『出版奈落の断末魔~エロ漫画の黄金時代』(アストラ)、『嫌われ者の記』『現代エロ漫画』(共に一水社・絶版)、『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)、『東京の暴れん坊』(右文書院)がある。

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2011年6月10日 (金)

OL財布事情近年史/第32回 月収19万円で貯蓄1500万円! これからますます増えそうな「ちょきん・せつやくOL」(後編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

前編のつづき。『日経WOMAN』2011年5月号、「貯蓄1000万円最短ルート」を見ています。

 26歳医薬品営業、月収22万円、入社4年目で1500万円貯めた彼女も、貯蓄のスタートは大学時代。デイトレーダーだった彼氏の影響で始めた株で180万円の利益をあげたという。その後もリーマンショック後にFXで400万円儲けるなどチャラいマネーゲーマーのようでもあるが、会社借り上げの家賃1万円のマンションに住み、浮いた分毎月12万円貯金、毎日お弁当水筒持参で営業車の中で食べる、という堅実ぶり。海外旅行やブランドバッグ集め、美容外科施術などOL道を歩む一方、営業成績が全国2位でボーナス増額と、なんというかあらゆる面で立派である。

 なんだか今どきの貯蓄女子は、単なる節約の域を超えて、生き方自体がレベルアップしている感がある。同記事「貯蓄1000万円女子の家計&行動を徹底分析!」によると、回答者の独身629人中1000万円以上貯めているのは14.7%。1000万超えの方が年収が約150万円多いが、支出は月1万5000円しか差がない。収入が上がっても支出は押さえ、その分貯蓄に回しているわけだ。また、意外にも家計簿をつけているのは、1000万円女子の方が少ない。家計簿駆使しているうちは、まだ上級ではないのだろうか。その他生活習慣などからプロファイリングすると、貯めている人は「高価な服を着ていなくても身ぎれいにしている」「家の中が整理されている」「ひとりの時間が好き」「ストレスをため込まない」など、「自分軸を持っているスリム美人!」だそうだ。これはある意味ハイレベル。80年代とは様相が違うが、やっぱりOLには上昇志向があるのだった。(神谷巻尾)

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2011年6月 8日 (水)

初老男のデモ趣味/愛人も隠し子もいない初老男がはまった“デモ趣味”の現場で見た、裏金警察の小姑並の馬鹿げた干渉で畏縮したテロ国家・ロシア以下の息苦しい現状と、それを打ち破る軽薄でキュートな新世代の頼もしい動き。(前編)

 年頭から街頭デモに凝っている。1月10日の青山公園が最初で、明治公園が2回(2月20日、4月16日)、5月1日は高崎駅前、5月7日が渋谷(代々木公園)だ。合計5回。ほぼ毎月どこかのデモに参加を。ただ、デモの主旨には違いが。最初の2回は小澤一郎に対する検察の不当な国策捜査と、その提灯持ち報道しかしない、大手マスコミへの糾弾だ。無論、それ以前から各地で小規模な小澤支持デモは起きてたのだが、記者クラブマスコミが牛耳るメディアは一切報じない(『日刊ゲンダイ』と、この頃までの『週刊朝日』を除く)。結局、ネット上の「ザ・ジャーナル」や「阿修羅」で情報を知り、1人で参加するように。主催は「ザ・ジャーナル」の執筆陣や、関係者のようであった(参加者にはどうでもいい事だが)。

Gendaidemo  4月16日のデモも主催はその筋の人々らしいが、当然ながら反原発スローガンも新たに(この時の俺のデモ姿が、週明けの『日刊ゲンダイ』3面にカラー写真で掲載!)。以降のデモは、高円寺で素人の乱が驚愕の15000人以上集めた流れでの、原発廃止が第一スローガン。5月1日の高崎デモは地元の革新系県議、5月7日は素人の乱系他のの主催。一応、主催者でも警察調べでもない、筆者推測の参加者数を。青山公園(2000人)。明治公園第1回目(1000人)。明治公園第2回目(800人)。高崎駅前(350人)。渋谷(10000人以上)。

 筆者は57歳。団塊世代ではなく、あえて名付ければ“内ゲバ世代”(高校3年の時に、近所の妙義山で連合赤軍事件が)。一浪後に入学したのが学生運動のメッカ、明大夜間部(儲からないと5年程前に廃部)だったので、付き合いで何度か学外デモにも嫌々参加。当時はジグザグデモが普通だったので、ホモっぽい警官に腕組みされたり、抱きつかれたり不愉快な体験も。生っ粋の小心者ゆえ、歩道側をおどおど歩いてると(外側に比べて機動隊員のイジメを余り受けない)、デブスな女性活動家から、「塩山君!男のくせに何よ情けない!!」と、許し難い性差別攻撃を受けて、義憤に心で涙した日も。小心ゆえが第一だが、勤労学生で生活費や学費まで自分で稼ぎ出していた俺は、絶対にパクられる訳には行かなかった。時代へのミエと日々の生活との間で、大いに苦労しましたヨ!(70年代前半でも既に、明大夜間部学生の過半数は仕送りを受け、昼間は遊んでたり、バイト代も小遣いにしてたのが普通。昼間部へ転部する者も多かった)。

 今のデモは平和だ。隣同士で腕組んで腰を落とし固まってジグザグと…つまり蛇行してデモるのでも、道路一杯に広がるフランスデモをする訳でもない。ただダラダラ歩いてるだけ。労働組合や政党他の組織が主催者だと、同じようなプラカード持って、メガホン片手の指揮者に合わせて、これまた同じシュプレヒコール! 歩くスピードまで指導され、あたかも北朝鮮の官製パレードだ(それが嫌でここ何年もデモに参加しなかった)。ところが、今年に入って参加したデモはそれぞれ一味違った。主催者が個人に毛が生えた程度だったためか、全然統制が取れていなかった。気分のいい事の原因だが、欠点もやはり潜んでる。

●青山公園デモ●(1月10日)
 
 俺の参加した“反検察大マスコミ小澤一郎支持デモ”では一番人が集まったが、なぜか中高年ばかり。夫婦連れも多く、地下鉄の乃木坂駅にはゼッケン持った同世代の参加者がチラホラ。晴れてたが冷える日で、こんなんで参加者は果たしてと懸念してると、デモスタート時間直前にドカドカ参加者が増える。手作りゼッケンを胸と背中に。“人間失格・菅直人 伸子だけ恋しや 源太郎だけ可愛や”(胸)。“裏金俺にもくれい!! 狂った検察 裏金まみれの警察 イカれた司法 恥を忘れた大マスコミ”(背中)。未知の女性参加者に受けて、一杯写真を撮られた。

 ただデモコースは主催者の頑張り不足か、人気のない所ばかり歩かされ、いま一つ気勢が上がらず。デモ警備の機動隊員は必要以上の馬鹿げた人数。彼等を過剰に動員する事で、裏金の原資作りに励んでるのだと良く聞くが、納得が行く景色だ。デモ隊を数百人ごとにグループ分けしたり、一斜線の内側半分、つまり道路の4分の1しか使用させないのは、昔と同じ(民主主義の基本的権利を、裏金官憲がブツ切り状に!)。ジグザグやフランス式が条例違反なのは知ってるが、こんなノミの額並の面積でしかデモらせないとは!(条例にそこまで規定されてるとは思えない。誰か詳しく教えて)デモ隊のトップを、パトカーが先導するのも不愉快。デモはお前らに与えられた行為ではなく、納税者の権利なのだ。

 テロ国家ロシアでさえデモと言えばフランス式だ。久々のデモ参加で、やはり日本の民主主義はどこか狂ってると実感。いい遊びも覚える。デモ隊の外側を歩く際に、わざと白線からはみ出してテクテク。すると警官がすぐ寄って来る。「内側を歩いて下さい!」「何でだよテメ-?」「車が危ないですから」「車なんていねえよ」「とにかく白線の内側を…」一時的に言う通りに歩いて、すぐまた同じ事を繰り返す。連中のロボットのような反応は非常に滑稽で面白いし、知的運動になる(体当たりとかはしないように)。

●明治公園デモ●(2月20日)

 手に持つプラカードも作る。“監禁変態SM元検事・民野健治をハリツケにしろ!!!”(表)。“東京新聞も怒クズッ!! 高山晶一・竹内洋一・関口克己 デタラメ記事を描くな!!!”(裏)。曇り空で参加者も少なかったが、原宿駅前など人通りの多いコースで、デモりがいはあった。その分、また警官の数も多く、キャリア組は無税の裏金がガッポリ入って、ウハウハだったろう。今回はわざとゆっくり歩き、隊列内に空白区域作りに励む。こうしとくとまたロボット警官が、タバコ銭くらいの裏金しかもらってないのに駆け寄り、「もっと早く歩いて下さい!」「お前らの指図は受けねえよ!」悔しそうだが白線内なので何も出来ない。こういう不当なデモ干渉技術を、マジな顔で上司が警察施設で教えてる様を想像すると、暗澹たる気分に。小澤一郎総理大臣が、政治主導で全官僚の徹底大粛清をしないと、道徳的にも日本は破綻だ。

 日の丸片手の右翼っぽい人が参加してたのは全く問題ないとして、同じ隊列に車椅子に乗ったおばさんが。コイツがマイクで検察の悪口をがなる。しかも休みなく。周囲の参加者はうるさくてうんざり。そんな事は百もわかってるからこそ参加している。我慢し切れずに俺が、「婆さんうるせんだよっ!!!」。「そうよそうよ!」と他の参加者。けどしばらくすると再び。頭がおかしいのか? 整理役のあんちゃんに「うるさくて迷惑だからつまみだせよ!」「参加者は平等ですので…」。ロボット機動隊員並に、機転の効かないおつむのマニュアル野郎だ。(後編へつづく)(塩山芳明)

塩山芳明…本ブログにて「池田大作より他に神はなし」、雑誌版『記録』にて『奇書発掘』を連載。エロ漫画編集者。著書に『出版奈落の断末魔~エロ漫画の黄金時代』(アストラ)、『嫌われ者の記』『現代エロ漫画』(共に一水社・絶版)、『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)、『東京の暴れん坊』(右文書院)がある。

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2011年6月 6日 (月)

●ホームレス自らを語る 第102回 施設で育った(前編)/Y・Sさん(54歳)

1106  新宿中央公園の芝生の上で休んでいたY・Sさん(54)は、北海道の児童擁護施設で育ったという。
「生まれは昭和32(1957)年、北海道の札幌。まだオレが幼い頃に両親が離婚して、物心がついたときには、もう擁護施設に入っていたからね。だから、普通の家庭の生活というのは、ほとんど知らないんだ。両親が離婚したのは、オヤジが酒乱だったからのようだ」
 両親の離婚は、正式な手続きを踏んだ離婚というより、母親が酒乱の父親に愛想を尽かして家を出て行ったというほうが正確なようだ。家には酒乱の父親とY・Sさんら幼い兄弟姉妹が残された。
「施設に入る前のかすかな記憶で残っているのは、2、3歳の頃だろうか、昼間オヤジの仕事場に連れていかれたり、小学校に通う姉の学校に連れていかれたのを覚えている。それに酒を飲んで暴れているオヤジの姿が、記憶に残っっているような、いないような……」
 そんな父親に育てられている子どもたちのことを見かねて、近所の人が施設への入所を手配してくれたようだ。兄弟姉妹はバラバラにされて、別々の施設に預けられた。Y・Sさんが預けられたのは、幼児から中学生まで40人ほどの子どもが共同生活を送っている擁護施設だった。
「施設の生活に不満はなかった。というより、施設以外の生活を知らないから、くらべようもないしね。両親がそろっている家庭の子どもを見ても、特に羨ましく感じたことはない。ただ、オレが大人になったら、ちゃんとした家庭をつくって子どもを施設に入れるようなことはしないとは思っていたね」
 彼はその養護施設から小学校、さらに中学校に通った。
「じつは、その小学生のときの記憶が、ほとんど消えているんだ。特に小学2~4年生の記憶はまったくない。自分でも、よほど辛いことがあったんだろうと思うけどね」
 Y・Sさんはそう言って、遠くを見やるような目をした。人はあまりに過酷な運命に晒されると、そのことを記憶から消してしまうことがあるというが、そんな運命が小学生の彼を襲ったのだ。いまとなっては、何があったのか確かめる術もないのだが……。
「中学生になると、隠れてタバコを喫ったり、シンナーを吸ったりした。といっても、悪ぶってみせただけで、本気で悪の道に入るつもりはなかったからね。根は真面目なんだ(笑)」
 現在では施設から高校にも通えるようになっているが、当時は義務教育の中学校を終えると施設を退所しなければならなかった。
「オレの場合は頭が悪くて、勉強はできなかったからね。通信簿の成績も1と2ばかりでさ。はじめから高校へ行く気はなかったし、行きたいとも思わなかった」
 そう語るY・Sさん。だが、彼は筋の通った話し方をする論理的な人で、本質的には頭の良い人のようだ。

中学を卒業したY・Sさんは、施設を出て働くことになる。
「岐阜の紡績工場に集団就職をして働くようになった。その工場には、オレのいた養護施設から毎年何人かが就職していて、施設の職員が勧めるから就職したんだ。だから、岐阜とか、紡績工場に特別な思いがあったわけじゃない」
 Y・Sさんが就職した昭和47(1972)年は、浅間山荘事件はじめ、冬季札幌オリンピック、沖縄の本土復帰、日中国交樹立、日本列島改造論ブームなど、何かと騒がしい年であった。
「オレが就職した工場には、何百人もの従業員が働いていた。工場内には糸を紡ぐ自動紡績機がズラッと並んでいて、オレたち工員はその紡績機の幾台かを受け持ち、それがちゃんと糸を紡いでいるかをチェックするのが仕事だった」
 Y・Sさんはその工場で恋に落ちた。相手は同じ北海道出身で、同じ年の女子工員である。
「彼女のほうもオレのことを好いてくれて、ふたりで結婚の約束もできた。彼女の両親も、ふたりの結婚を認めてくれた。認めてはくれたんだが、それには一つの条件があった。結婚したら北海道に帰って、両親の家の近くに住むというのが条件だった」
 ふたりは紡績工場を辞めて、彼女の故郷の岩見沢に帰って結婚した。19歳の若いカップルによる夫婦の誕生である。
「岩見沢では彼女の両親が住んでいる実家の近くに借家を借りて、新婚生活をスタートさせた。そこで新しい仕事に就いたが、仕事の内容は勘弁してほしい。田舎町にはめずらしい特殊な仕事だから、それを話したらオレの身元がバレてしまうからね」
 ともあれ、夫婦のあいだには男の子が二人生まれ、結婚生活は順調だった。Y・Sさんが子どもの頃から願っていた「ちゃんとした家庭をつくりたい」という夢は叶っているように見えたのだが……。
「ヨメさんとの関係はともかく、頻繁に訪ねてくる彼女の両親との関係が、しだいに悪くなっていったんだ。これはオレに問題があっったんだと思う。施設育ちで家族のあり方を知らなかったから、どう付き合っていいのかわからなかったんだ。“おとうさん”“おかあさん”とさえ呼べなかったからね」
 それに両親と妻は某新興宗教の熱心な信者で、毎週のように開かれる集会に連れていかれるのだった。
「はじめのうちはオレもそれに馴染もうとして努力したんだけど、元々無宗教で信仰心なんてないから無理だった。しだいに理由をつけてサボるようになり、両親から“熱心さが足りない”となじられるようになった。それで衝突を繰り返すようになる」
 やがてY・Sさん夫婦の結婚生活は、破局に向かうことになる。    (この項つづく)(聞き手;神戸幸夫)

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2011年6月 5日 (日)

電子ブック、タイトル追加しました

アストラの電子ブック、1タイトルを追加しました。

このブログでもおなじみの、アノ連載を元にした本です!

書籍にしか載せられない、ニュージャパン内部の写真もあります。立ち読みだけでもどうぞ!

■あの事件を追いかけて

秋葉原連続殺人、酒鬼薔薇聖斗、宮崎勤、阿部定、津山三十人殺し……
世間を揺るがした33の「あの事件」の現場に生き、写真を撮り、近所の生き証人に話を聞く。
そうすることで浮かび上がってくる、誰も取り上げたことのなかった事件の背景、事件後の姿。
足がけ6年間の取材を収録した本格派ルポ。

巻頭カラーでは「ホテルニュージャパン」火災後の写真を公開!
廃墟ブーム前に撮られた写真はごく貴重!

ご購入・立ち読みはシナノブックから↓

http://www.shinanobook.com/genre/book/884

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2011年6月 4日 (土)

電子ブックタイトル追加しました!

お待たせしました。

アストラの電子ブック、新たにまた一つ追加になりました。

■『三重苦楽』大畑楽著:500円

うまく持てない、じょうずに話せない、ぜったい走れない。
これが私の三重苦。脳性まひのために負った障害です。
娘がこんな障害に見舞われるとは思ってもみなかった両親がつけた名前は、「楽しく歩く」と書いて「楽歩」。
残念ながらアスファルトの道では楽しく歩くことはできない身体だけれど、人生という道ではわりと上手に楽しく歩んでこられました。
訓練に泣いた幼年期、両親の愛から抜け出そうと必死になった思春期、スポーツに夢中だった青春期、夫との出会い、妊娠、出産、子育て……

宝物のような私の今までが、この本には詰まっています。(カバーより)

ドーマン法の記事でもおなじみの大畑楽歩さんの自伝『三重苦楽』。

脳性まひのスーパー主婦、ついに電子版に登場です。

↓購入・立ち読みはシナノブックから↓

http://www.shinanobook.com/genre/book/885

楽歩さん、なんと最近は障害者の方々がより生活しやすいようなサポート事業を立ち上げたとか…!

自分自身の経験をもとに、整理整頓の知恵を皆様に伝えています。

詳しくは、ご本人のサイトから。↓

http://ameblo.jp/seirisyunou-nls/

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2011年6月 3日 (金)

OL財布事情近年史/第31回 月収19万円で貯蓄1500万円! これからますます増えそうな「ちょきん・せつやくOL」(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
Amazonでも予約・注文できます!

 近頃のOLの節約術が面白すぎて、もっと、もっと見てみたいと中毒症状である。ちょうど1年後の『日経WOMAN』2011年5月号、「貯蓄1000万円最短ルート」にさらなる進化を期待してみていこう。
 この記事は、「この時代を生き抜くマネーの知恵を伝授」とのサブタイトルのとおり、東日本大震災後のくらしを見据えて、「この時代に本当に頼れるのは貯蓄という結論に!」として、「貯蓄1000万円を目指す」ことを提案している。1000万円とはハードル高いなー、となんとなくのOLイメージであるが、今や貯蓄意識は相当な高みにきているらしい。同誌の読者アンケートによると、なんと貯蓄の目標額の平均は「41歳までに1044万円」である。回答者の平均年齢が35.3歳、現在の貯蓄額も平均504万円と、すでにマネープランを着実に遂行している層の回答とはいえ、さらっと平均1000万円超えはおどろきだ。
 貯蓄の目的は、「老後の生活のため」51.0%、「リストラ・失業など不測の事態に備えて」34.2%が他を圧倒し、以前なら上位だった「旅行のため」は21.8%、「結婚のため」も17.0%と高くはない。逆に「住宅購入のため」15.2%、「両親・親族の生活を支えるため」12.3%など、大黒柱か長男か、といった項目も挙がっている。少子化、晩婚化の結果、女性も一家を支える大事な人材となった。貯蓄はもはやたしなみではなく必然となってきたのか。

 そう考えると、楽しみだった節約術も、少々見る目が変わってくる。29歳DTP オペレーター、月収19万円で貯蓄1500万円。高校時代からバイト三昧で、大学卒業時にはなんと650万円貯まっていたという。中学の時に経験した阪神淡路大震災がきっかけで節約グセがついた、というがここまで結果を出すというのが感動すら覚える。現在も家賃3万5000円の格安物件に住み、服はほとんどリサイクルショップ、コスメは100均、食材は「30%OFF以上でなければ買いません」と徹底した節約生活。さらに週末にティッシュ配りやキャンペーンガールなど単発のバイト、ネットアンケートや商品モニターなどで謝礼やポイントを稼いで年間20万円の副収入も。月1回のスノボや毎日の晩酌、趣味のギターなどでプチ贅沢しながらも、毎月8万円の貯金という神業ぶりだ。(つづく)(神谷巻尾) 

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2011年6月 2日 (木)

『原発暴走列島』西日本新聞に掲載されました

事態が落ち着く様子をまったく見せない福島原発。

祈るばかりです。

鎌田慧さんの新刊『原発暴走列島』が西日本新聞に掲載されました。

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