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2011年5月20日 (金)

OL財布事情近年史/第29回 現代に降り立ってみると……アナタタチ主婦ですか?!涙、涙のOL節約術(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

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 80年代末に登場した『Hanako』『日経WOMAN』は、両誌ともに現在も安定して刊行中だ。出ては消えをくり返し、今では消える一方の女性誌においては20年以上も現役とは、立派な健闘ぶりである。
 最新号を見ると『Hanako』 は「効く、からだメンテナンス。」で美容と癒しと健康の大特集、『日経WOMAN』は「最高の「話す」技術!」がビジネスっぽいが、「働き女子の恋愛白書2011」とは、これがあの「ワーキングウーマン」を奨励していた同誌なのか、とびっくりである。かつての「消費、キャリア、イケイケ!」といった過剰さはすっかり影をひそめたが、OLのリアルな生活に寄り添っているという点で支持を得ているのだろう。
 特に『日経WOMAN』は、「WW」が「働き女子」にニュアンスは変わっても、扱うテーマは仕事、情報、それにマネーなど、一貫して変わらない。ここ数年、どうやら5月号がマネー特集らしく、2010年5月号で「貯まる生活♪はじめよう」、2011年5月号は「貯蓄1000万円最短ルート」で、かなりのページを割いて読者の家計簿分析や貯蓄指南をしている。前回までみてきたように、80年代末のOLは、仕事への意識が高まり、収入も年収ベースでとらえるようになっていたが、はたして20年余りを経て、彼女たちの経済感覚はどのように変化したのだろうか。
 まず基本となる収入をみてみよう。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、大卒女性の初任給は89年が15万5600円、2009年は19万4900円。20年で4万円増。ざっくり言うと、1年でわずか2000円ずつのベースアップである。働き盛りの25歳〜29歳では、89年19万4500円、2009年23万4300円で、こちらも寂しい増加率だ。20年たって、物価上昇や一人暮らしの増加、晩婚化など考えあわせると、現在のOLは相当つましいお財布行動を強いられているといえよう。
 2010年5月号で「貯まる生活♪はじめよう」に登場するのも、そんな平均的につましい収入の働き女子たち。しかし、その中からやりくりして蓄財した成功例が数多く紹介されている。(つづく)(神谷巻尾)

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