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2011年5月 6日 (金)

OL財布事情近年史/第27回 「月給」から「年収」へ 1988年、給料概念の転換?(前編)

連載「OL財布事情の近年史」は、2013年12月に単行本『女と金~OL財布事情の近年史~』として発売されます。

各年代のOL像を、イラストを交えて解説する辛酸なめ子さんのプチ時評つき。辛酸さんには、カバーイラストも描いていただきました。

エピローグには最新の女性誌お財布事情が書き下ろされ、女性誌創刊号の画像50数点を掲載。30年ぶんの「OLの財布の中身」が一気に見える本となりました。

全国書店から注文可能。
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 1988年は、24時間戦うほか「5時から男」「ハナモク」「くうねるあそぶ」などを実践して、みんなバリバリ働き、ガンガン遊んだのだった。OLもしかり。仕事やお金へのスタンスが、ギラギラしたものに変貌をとげているのがこの頃である。もちろん、財テクや、キャリアアップ、転職といったテーマ、あるいはイケイケ、Hanakoさんのようなわかりやすいアイコンも目につくのだが、根本的な変化を『日経WOMAN』 『Hanako』のお財布記事から見つけた。それは、「年収」である。
  80年代初頭からとりあげてきた記事では、「給料」といえば「月給」を表していた。誌面に登場するOLさんたちの収入も、「給料、月に◯万円」「月収 手取り◯万円」などと表されている。「25歳の月給袋」(『MORE』80年)というタイトルのとおり、毎月会社からもらう月給袋が、お金を考える上での単位であったといえよう。収入の不満も「月にあと2万円欲しい」(*11回15回)と、月ベースの回答が出てきたのもうなずける。
 それが、『日経WOMAN』88年9月号「200通の給料明細書から見る 女性の賃金」では、月の給与明細とともに年収も調査して掲載していた。「生命保険会社の内勤事務として働いて5年目。63年(注・昭和)5月分の給料は、22万507円で、昨年の年収は約350万円」という表記は今となってはごく普通だが、月給を見慣れた目にはちょっとした衝撃だった。「26歳。大手証券会社総合職。大卒。勤続5年。年収496万円」「32歳。メーカーの企画・生産管理。大卒。勤続5年。年収224万円」など、年収表記になると、その人と仕事が浮かび上がってくるようだ。
 『Hanako』においては「いま、どの会社のどのポジションについたら50万円のサラリーになるか 年収600万円生活実現のためにいまやっておかなければならないこと」(88年9月8日号)と、より具体的。「ジャスコ・部長・45歳・800〜900万円」「富士通・課長・38歳・700〜800万円」など年収600万オーバーの女性13名に、どのようにその収入を実現させたかをインタビューしている。登場しているのは30代、40代の先輩世代が多く、つまり自分たちも働き続けて将来的にその収入を得たい、という願望が芽生えてきたといえよう。 「50万円の月収があったら、女ひとり理想的な生活ができる」とあるように、結婚前提ではない生活設計が、いつのまにか特別なことではなくなっていた。

 この年収概念は、いつ頃からなのだろうか。(後編へ続く)(神谷巻尾)

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