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2011年4月16日 (土)

『原発暴走列島』速報!ゲラ読み【第6章】

第6章 行き詰まっていた原発政策

 福島第1原発の事故では、津波により冷却機能が停止したため自衛隊・東京消防庁による給水活動が行われた。これはテレビなどでも大々的に報道されていた。しかし、ただでさえ放射能を含む水があったところに大量の水を撒いたため、最悪の手段をとらざるをえなくなった。海への放水である。漁業関係の人間は激怒、東京電力は「申し訳ない」と涙を流して放水の実施を報告した。これは、もはや公害である。海は日本だけのものではない、各国からの批判は目に見えている。「薄まるから問題ない」という弁明で誰が納得するのだろう。風評被害で農家、畜産、漁業への影響はすでに始まっている。本章によると海への放水は、これが初めてではないというから驚きだ。07年の新潟県中越沖地震の際、まったく同じ状況が発生していた。柏崎刈羽原発の6号機の水が海にまで流れ出たという前例があったのである。同じ地震による事故なのは、管理体制が何も変わらなかったことの象徴なのではないか。

 原発関連施設で最も反対が強いのは、高レベル放射性廃棄物の最終処分地であるという。ここでもお金がからむ。まず、調査を受け入れれば年間10億円を2年間。そののちの概要調査が4年間で70億円。つまり、6年間調査に応じれば90億円の資金が国から自治体に配られる。ただでえ財政が逼迫しているのに、どこからそのお金がわき出てくるのだろうか強く疑問に思う。鎌田氏が原子力発電を「金子力」と表現するのも本作を読んで納得できる。

 1章から6章まで読んで、自分がいかに原子力発電のことを知らなかったかを痛感させられた。今回の福島第1原発の事故についてだけでなく、これまで山積みになってきた問題の両点を知ることができる1冊であることはまちがいない。

(枝元 葵)

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