サイトウの酒田発・大震災日記 4月5日
放射性物質が大気や土壌、更には海にまで、ジワリジワリと拡散している。おれにはさっぱり分からねぇ。
世界中の英知を結集した対応がとられているが、何一つとしてことごとく功を奏してはいない。おれには難しくて分からねぇ。
試行錯誤の繰り返しで、事態の打開策は全く見えてこない。おれには何だか分からねぇ。
このような、復旧どころか現状維持すら危ぶまれている中で、東電は4日、遂に、汚染水を海に放出すると決断した。
「非常に申し訳なく思っております」と、会見では涙を浮かべ断腸の思いを滲ませていたが、まさに東電自らが放射能を撒き散らすという禁じ手である。
追い詰められた挙句の苦渋の選択を強いられた、止むに止まれぬ措置だというのはよく分かる。
それにしても、まるで映画か小説でも読んでいるかのような信じられない事態だが、夢ではない。これが現実だ。
究極の安全策がとられていなかったことに対しては、あまりにもお粗末で情けない。あれだけ安全だとしておきながら、何よりも無責任すぎる。
しかし、私たち国民にはなす術が何もない。全てを専門家に委ねて、ただ黙って推移を見守るしかない。
何度でもいうが、東電は想定外だったと天災を主張していたが、これは国の原子力政策が招いた人災であるとだけいっておく。
危ないこと以外、おれにはさっぱり分からねぇ。ああ、分からねぇ
(斎藤典雄)
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