東京都内地震レポート(前編)
3月11日の東日本大震災から1ヵ月が経とうとしているが、一昨日、M7.4、震度6強の地震が宮城県であった。今回の地震は夜11時半と遅い時間に起こった。
ちょうどそのとき風呂からあがろうとしていたのだが、ゴトゴトと揺れる音に食器が落ちやしないかと不安になり、素っ裸で台所へ行き、食器立てを床に置いてテレビをつけた。
翌日、書店で『緊急地震速報』という書籍を目にしたので立ち読みしたところ、どうやら揺れている最中に入浴しているときは、慌てて出ずに風呂場にいるのがいいと書いてあった。風呂場には怪我をするような落下物が置いてあるわけではないので、やり過ごすにはちょうどよい場所らしい。今後は気をつけたい。
地震当日はたまたま家にいた。花粉症を発症していたので、近所の耳鼻科に行こうと準備をするためにパソコンの電源を落とした直後、揺れた。
数日前に揺れたばかりだったので、いつものことかと気にせずにいたら違った。震度5の揺れなんて体験したことなかったから知らなかったけど、ゴゴゴって音がするんだね。我が家は高層階にあるのだが、さすがに折れるんじゃないかと心配になった。
その時の私の行動はというと、1回目の揺れの時は壊れて閉まらなくなっていた台所の棚の扉を押さえていた。高いところにあったことと、コップなどが入っていたので割れたら最悪だった。お気に入りのコップがたくさんあったし、もう買えないものもある。長い揺れの中必死に押さえていた。
揺れが収まり一息ついたところで余震の危険性を感じ、「もう一度同じものが来る」ということで急いで壊れた扉にガムテープを貼り、テーブルの上に神田明神で買った将門さんのお札を置き、落ちたものはそのままにして床に待機した。
その間、実家に電話するも携帯電話が通じず誰にも無事だと言うことが伝えられなかったが、主人の実家から電話がかかってきたので実家に連絡してもらえるよう頼んだ。緊急時には通話をするためのツールとして携帯電話はあまり役に立たないということがわかった。その日の20時頃、8通ほどまとまってメールが受信されたが、メールツールとしても完璧というわけではないということか。
家電がない我が家で役にたったのがインターネットだった。とりあえずGメールを送り無事を伝えることができた。ただ、今回は震度5で済んだからインターネットが使えたのかもしれない。関東大震災のような首都直下型の震災が起こった場合、インターネットなどのケーブルが断線するかもしれないことを考えると、171の緊急伝言ダイヤルがあるのでそれの利用やドコモの伝言板(ファミリー割引に入っていると全員に一括して無事であることを伝えられる)を利用するのもありだ。いずれにしろ、家族間で連絡方法をどうしておくのか相談が必要だ。
地震の影響で電車がストップし、多くの帰宅困難者が出た。私が住んでいるところは、オフィス街に近いためスーツを着ている人がたくさん歩いているところがベランダから見えた。いつもは人通りの少ない自宅前の通りを歩く人や、不況で乗る人の少ないタクシーが渋滞を作っていたりといつもと違う雰囲気が当たり前だがその日はあった。
当日の状況について何人かに話をきいてみた。
豊島区の職場から2時間かけて帰宅した主人に聞いたところ、「道にたくさんの人があふれてて、中にはこのまま歩いていても時間がかかるからと道ばたで酒盛りをはじめる人がいたり、飯田橋の歩道橋は人の多さで落下しそうだった」
大手町に勤める友人は、「成城学園まで歩いたら電車が動いたからそれに乗って帰った。自宅は低層階にあるから全く被害はなかた」
中華街に勤める友人は、「帰宅するのにタクシーを拾ったらちょうどガソリンを満タンに入れた直後だったみたいでそれで帰れた。でも普段なら4000円くらいで帰れるのに、渋滞で倍の料金がかかった」
いつも行くショップの女の子は、「家に帰ったら部屋の中がぐちゃぐちゃで、香水の瓶が全部割れてて物凄いにおいになってて泣きそうでしたよー!」
バイト先の事務の子は、「たまたまその日は家にいて歯を磨いてた最中に地震がきたんですけど、洗面所のものがバシバシ落ちてきて大変でした!」と言って写真を見せてくれた。
完全なる被災地ではないものの、かつて体験したことのない状況に震災から1週間ほど東京はパニック状態に陥っていた。
次回は、1ヵ月間の街の様子についてレポートしたい。(奥津)
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