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2011年4月12日 (火)

サイトウの酒田発・大震災日記 4月12日

 今朝のニュースを見て驚いた。一瞬固まってしまった。動けなくなったのだ。
 原子力安全保安院は原発の事故評価をチェルノブイリと同じ最悪の「レベル7」に引き上げたと発表した。
 ほとんどの人はチェルノブイリがどんなものなのか知らないのだろう。ただチェルノブイリのようになると大変だという認識ぐらいで、どのような状態なのか、どうすればいいのかはわからないで騒いでいるだけのように思える。実際、そういう私もそうなのだが……。
 しかし、地震や火事なら実感できる。だから行動に移せる。だが、放射能は目に見えない災害だ。だから恐い。不安と恐怖だけでどう行動したらいいのか分からなくなる。でも今はまず冷静に。
 昨日はまた、国は「計画的避難区域」の指示を出した。これまでの単なる距離による同心円状の地域ではなく、20キロ圏外の具体的な市町村名を挙げていた。
 国によれば、放射線の年間積算量が高水準になる恐れのある地域は、国と自治体が調整を済ませた上でこの先一ヶ月をめどに避難するというものだった。
 今現在、屋内待避自主避難となっている20~30キロ圏内は、今後放射線放出の悪化が否定できないとして長期にいる人たちの健康上のリスクを考えた上での処置だという。
 遅いんだよな、今頃。子どもの学校だってあるだろう。年度内に出来なかったのか。田畑や家畜はどうする。一ヶ月で出来るのか。
 予想外の拡散だとしても、同心円状の対応もバカげていた。地形や風向きで均等にならないのはちょっと考えれば私にも分かる。
 住民はただただ翻弄されっぱなしだ。復興どころの話ではない。住民にはどんな危険があるのか最悪の事態を想定して示すべきだと前から何度もいってきたことだ。
 この国は何でもそうだと思う。事故が起こらない対策はするが起きた後の対策はあまりにも疎そかだ。お粗末すぎるのだ。何もかも後手後手に見える対応には、怒りを通り越してやるせなくなるばかりだ。
 長く険しい道のりになるだろう。地元の人たちには何をどういえばいいのか分からない。これまで数え切れないほどいった「頑張って」という言葉で励ますしか、今の私には出来ません。(斎藤典雄)

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